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プロローグ
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薄暗く静かな部屋に鈴のような声が響く。
「うぁぁ....マジかぁ首輪と、イヤカフには流石にGPS着いてると思ったけどまさかの服、バック、帽子、全てにGPSついてるとは。........流石ヤンデレ」
その声の主は、白い絹のような髪を汗ばんだ頬につけながらおどけたように呟く。
今その声の主。アルビノである雪野雪月は、GPSの解除真っ最中である。
このGPSは特殊で無理矢理とろうもんなら警告音とメールがGPSを着けた主に届くようになっているのだ。
「うーん。ならもう電気でショートさせるか?........んーバレるな。首輪は取れないしピアスは持っていきたいしーぁぁぁ........もーいーや、バレても逃げるが勝ち!」
どうやら雪月は考えることを放置したようだ。
「じゃー、別れのメッセッージー♪」
さらさらと紙に何か書いて行く。その紙を窓際に置き、ぶかぶかの黒の猫耳フードを目深にかぶる。パーカーの首元から赤い首輪がちらりと見える。
雪月はその窓際にひらりと飛び乗り名残惜しそうに部屋を見渡す。
「僕も、皆の事大好きだ。だから、イヤカフと首輪は唯一の繋がりとして貰っていくね。............バイバイ」
瞬時に服、バック、帽子、首輪、イヤカフのGPSを取り外す。
ビィー!ビィー!ビィー! けたたましい警告音を無視し耳にワイヤレスイヤホンを着け、窓際から飛び降りた。
トサッ、余り音をたてずに着地する。皆が探しに来るまできっとあと数分しかないだろう。
急いで立ち上がり人混みを掻き分けながら走っていく。
走りながら男ながら長い白髪を高いポニーテールに結う。そしてまげのように上から前に毛先を持ってくる。思った通り目元まで毛先は隠してくれた。
髪をピンで止めてフードを被って毛先をヘアチョークで茶色にする。そして近くのコンビニのトイレに駆け込む。
するとすぐにダダダッと沢山のお兄さん達がコンビニ前を通過する。
(はやッ!危なかったぁぁ)と僕は思いつつリュックを開ける。
そして僕の後ろ姿を見た人がいるかも知れないから、と黒の猫耳パーカーを脱ぎ、白のウサ耳パーカーをかぶる。
そして近くの薬局へ向かう。
薬局で黒とブラウンのカラコン、そしてUV カットのダサ伊達メガネを買った。
........あと必要なのはーヅラか。
ヅラを買い終わると、僕はホテルへと向かう。皆の事を思い出しながら........
「うぁぁ....マジかぁ首輪と、イヤカフには流石にGPS着いてると思ったけどまさかの服、バック、帽子、全てにGPSついてるとは。........流石ヤンデレ」
その声の主は、白い絹のような髪を汗ばんだ頬につけながらおどけたように呟く。
今その声の主。アルビノである雪野雪月は、GPSの解除真っ最中である。
このGPSは特殊で無理矢理とろうもんなら警告音とメールがGPSを着けた主に届くようになっているのだ。
「うーん。ならもう電気でショートさせるか?........んーバレるな。首輪は取れないしピアスは持っていきたいしーぁぁぁ........もーいーや、バレても逃げるが勝ち!」
どうやら雪月は考えることを放置したようだ。
「じゃー、別れのメッセッージー♪」
さらさらと紙に何か書いて行く。その紙を窓際に置き、ぶかぶかの黒の猫耳フードを目深にかぶる。パーカーの首元から赤い首輪がちらりと見える。
雪月はその窓際にひらりと飛び乗り名残惜しそうに部屋を見渡す。
「僕も、皆の事大好きだ。だから、イヤカフと首輪は唯一の繋がりとして貰っていくね。............バイバイ」
瞬時に服、バック、帽子、首輪、イヤカフのGPSを取り外す。
ビィー!ビィー!ビィー! けたたましい警告音を無視し耳にワイヤレスイヤホンを着け、窓際から飛び降りた。
トサッ、余り音をたてずに着地する。皆が探しに来るまできっとあと数分しかないだろう。
急いで立ち上がり人混みを掻き分けながら走っていく。
走りながら男ながら長い白髪を高いポニーテールに結う。そしてまげのように上から前に毛先を持ってくる。思った通り目元まで毛先は隠してくれた。
髪をピンで止めてフードを被って毛先をヘアチョークで茶色にする。そして近くのコンビニのトイレに駆け込む。
するとすぐにダダダッと沢山のお兄さん達がコンビニ前を通過する。
(はやッ!危なかったぁぁ)と僕は思いつつリュックを開ける。
そして僕の後ろ姿を見た人がいるかも知れないから、と黒の猫耳パーカーを脱ぎ、白のウサ耳パーカーをかぶる。
そして近くの薬局へ向かう。
薬局で黒とブラウンのカラコン、そしてUV カットのダサ伊達メガネを買った。
........あと必要なのはーヅラか。
ヅラを買い終わると、僕はホテルへと向かう。皆の事を思い出しながら........
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