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プロローグ
-2- アマゾネスの出産
しおりを挟むうーん...さっきから周囲が騒がしい。
また近所のリーデルの所で産まれた子供達が、お乳でも欲しがって泣いて居るのだろうか。
私も、そろそろ産まれてもおかしくない時期だし、もう少し寝かせて欲しいもんだ。
(あ~、お腹減った...)
昨日は腹痛で何度も糞をする羽目になった。
家の裏手に掘った穴も、埋めるのがかなり大変だったんだ。
何だか体があちこち痛いし...、ご飯を食べるまで、もう一歩の動けない。
寝ながらそう思っていると。
何だかいい匂いが漂ってくる....。
(......!? ご飯だ!)
私は匂いの元へ齧り付く。
狙い違わず、香ばしい肉の味が、私の口一杯に広がった。
目を開けるのも忘れて皿に乗った肉を平らげる。
もっと....、もっとお肉を...。
「美味い! 肉! もう一杯!」
私は目を開け、目の前に居るであろう母上に声をかける。
するとそこには、何だかヤレヤレしている、母上の姿があった。
「母上! 助かったー、昨日は酷い下痢で、すごいお腹減ってたのよ~!」
「アンタ...、また毒草でも食べたんじゃないの? それよりコレ...」
「....ん?、あ!!」
母上が指差す私の寝床には、息も絶え絶えに見つめ合う、二人のヌラヌラ天使が居た。
「......か、かわいぃ~~!!」
何なのこの天使ちゃん達、どっから....あ!!
「どどど、どうしよう母上!この子達、死んじゃった!」
「....!!?、ちょっと黙ってな!」
突然糸が切れたように目を閉じた天使ちゃん達に、私はどうして良いのか、アタフタしながら、天使ちゃん達を触ってプニプニする母を見守る。
「よかった...、疲れて眠ってるだけ見たい。アンタに似て死んだ様に寝てるわ....それに..」
え、私に似て?......
「あっ!」
「アンタ、今頃気付いたの.....」
「子供? 私の子供ぉ?!!」
「うっさいわね、そうに決まってるじゃない。 へその緒付いてるでしょーが」
言われてみると確かに付いてる、でも、私が寝て居るうちに、天使ちゃん達が私を犯してくれていたのかと...。
て言うか、この子...、あれ?
「母上、この子、オチンチン付いてる...」
「ええ....、もう片方の子は女の子、でも。 この子は」
言って、男の子のオチンチンを持ち上げる母上。
そう、私達はガルカン族....、私達から男の子が生まれる筈は...
「って、ちょっと母上! 千切れちゃう千切れちゃう!」
「あ、ごめ... つい大きくて...... って、そうじゃないでしょ!? ........ラルガ、私はちょっと村長を呼んでくるわ。 先にこの子達を洗って、おっぱいあげときなさい。そしたらすぐお臍に入れてあげて、寒いでしょう」
「え、うん。 あれ、でもこの子達寝てるよ?」
「赤ちゃんは寝ててもおっぱい位自然と飲むのよ、あんただって寝てても何か食べてる事あるでしょ」
「そっかぁ、私に似てるんだぁ。えへへへへ」
「.......ったく、いい?洗う、お乳、臍。 わかった?」
「はーい。 あ!この紐どうしよう」
私は股下から垂れ下がる紐をプラプラさせる。
母上は呆れ気味に、私の息子のムスコをフニャフニャ玩ぶ。
母上、ごめん。息子も、ごめん....。
「はぁ、お隣のリーデルちゃん所で見たでしょう? まぁ、分かんなかったらそのまま付けときなさい。戻ってくるまでそんなに掛からないから」
「は、はーい」
「じゃぁ、ちゃんとやるのよ」
言うと母上は出て行ってしまった...。
私は何だか心細い気持ちになってしまう。
でも...、私も母上の様な立派なお母さんになるんだ。
いい加減親離れしないと!
私は台所に貯めてある水の所まで、赤ちゃん達を落とさない様、大事に抱えながら歩き出す。
「絶対幸せにするからね、私のかわいー赤ちゃん達...♪」
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