異世界に召喚されて失明したけど幸せです。

2度目のえええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!?

う……ずっと抱えられたままで頭撫でられてる
そんなに気に入ったのかな？
暖かくて落ち着くけど、もともと僕15なんだよ!?
なのに頭撫でられるのは少し気が向かないなぁ
まぁ、いいか

そんな事を思っていると、ピタッと撫でる手が止まった

｢ぅ?｣

多分、そこに顔があるだろうと思って、少し顔を上げる

｢貴方はまだ名前が無いままですよね？｣

名前？あ、忘れてた
この人の名前なんだろなーって思ったままだった
ちなみに僕は前世の名前はあるけど、今ってどうなんだろ？
(異世界に来る前は藤沢ふじさわ 紫乃しのだったよ)

｢うーん、そうですねぇ……｣

頑張って考えてくれてるみたい
でも、変わっちゃうと違和感あるよねぇ
どうにか伝えられないものか……

よし、僕頑張る！

｢ひ、にょ！ひ、ひにょ｣

うぐ……やっぱり言えない！
でも諦めないぞ

｢ひにょ！ひぃ、にょ～!!｣

しも言えないし、のも言えない……
絶望しかないじゃんか～ｸﾞｽﾝ

｢ん？どうしましたか？ひにょ？って何です？｣

うぐぐ……やっぱり伝わらんかお主！
こうなったらテレパシー送ってやる!!

｢……？あ、シノなんてどうです？｣

(´ ˙꒳˙ `)え

伝わったあああぁぁぁ
ミラクル！奇跡だよ！

｢う！あぅ！！｣

頷けてるのか分からないけど、首を縦に降ってみる

｢気に入りましたか？良かったです、ふふ｣

良かったぁ、ありがとうううぅ
あ、そういえばこの人の名前も分かんない
うーん、聞けるかなぁ？

またまた、僕頑張る！

｢うっ！うっ？｣

いつの間にか楽になっていた腕を必死に伸ばす
あぇ、本当にちっちゃくなってるんだね
今更思い出したよ
……って、違う違う、名前だよね！

｢今度はどうしましたか？腕、痛くなりますよ？｣

うん、ちょっと辛いけど大丈夫！

｢うぁ！にゃ、にゃみゃ、へ！｣

｢??、にゃみゃ？｣

そうそう！伝われえぇ

｢もしや、私の名前ですか？｣

(´ ˙꒳˙ `)わぁお
伝わっちゃったよ！凄い！

伝わったみたいだから、またｺｸｺｸと頷く

｢私の名前はニュンベルク・ヴィンネルトです｣

にゅ？

｢ふふ、その顔は理解不能といった所でしょうか？｣

うん、人の名前覚えられないからね？
しかも、なっがくない？
え、無理無理、フルネームとか無理

｢そうですねぇ、ルトと呼んでください。私も今度からシノ、と呼びますからね｣

ルトかぁ、それなら覚えられるよ！

｢りゅ、ちょ！｣

｢んっ……ぐぅ……｣(何ですかこの天使!!?）

え!?何かルトがプルプルしてる

｢りゅちょ？｣(((天使の眼差し໒꒱· ﾟ

｢シノ、それは本当に凶器ですよ……ｸﾞﾌｯ｣

って、

えええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!?