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3.冒険ってわくわくするよね
しおりを挟むなんて、思っておりましたが。
このひゃっはー計画に思わぬ敵が。そう、家庭教師でございます。やれ、マナーがなんたら、教養がなんたら……。あぁ、こんな事している場合ではないのに。あの大きくて深い森を探検する事のほうが大切だと思うのに。絶対珍しい花や植物、動物がたくさんいると思うんだ。そんな場所が目の前にあるのに行けないなんて……。大自然が私を呼んでいる…!
あれ、これって厨二?じゃないよね?え?
というわけで、小煩い家庭教師に文句を言わせないために前世の記憶や経験を活かしつつ、マナー教養勉学に励んで励んで、立派な猫を身につけました。てへ。これで、文句はいわせまい!!はっはっはっ。……はい、えーと。とりあえずマスターしたので、探検して来ていいですかね?え?ダメ?何故ですか?
「ダメダメダメ!危ないからダメだよ!」
「そうね、マンディ?深緑の森には危険がいっぱいよ?」
「そうだよ?お兄ちゃん心配だから、僕と一緒に行くなら連れて行ってあげるよ?でも1人ではちょっと反対だなぁ」
「えぇ、そうね、お姉ちゃんもクリスお兄様に賛成ね。あの森をなめたら痛い目をみるわ…」
家族と、話を聞いていたであろう使用人も全力で首を横に振っていました。そして、あの言い分だとお姉様は痛い目をみている、と。
ふむ。どうしたもんかな。
「…分かりました、お父様お母様、お兄様お姉様。でしたら、私、図書館で本を読んできます」
明らかにへこんでがっかりした雰囲気を醸し出しつつ、綺麗なお辞儀をして無理に微笑みつつ、我が家自慢の図書館に行く旨を伝えました。その時の家族と使用人達の哀しそうな痛ましそうな憐れんだ顔を見て、だったら反対すな!と思ったのは内緒です。
さてさて、私が図書館に来たのはある理由があります。そう、魔法のお勉強です。危険がいっぱいな森に行くためには、まず強くなればいいのではと考えました。強くなる、そう、手っ取り早い方法が魔法です。せっかくファンタジーな世界に生まれたんですから、使わないなんてもったいない!
魔法の本格的な勉強は7歳からとなっているそうなので、私は今、一つの魔法さえ知らないし、使えないのです。くっそぉぉ。
でもそんな決まりみたいなものは無視して、さーて、魔導書、魔導書っと。我が家の図書館は小さめにコンサートホールくらいはあるので探すのが大変です…。ふむ。
きょろきょろしつつ本を探します。
ん?白い光…?
私について来た侍女に飲み物をお願いし、端から攻めていこう作戦をしていると、ふと目の前を漂っている白くて丸い発光物を見つけました。
野球ボールくらいの大きさのそれは、まるで私を誘っているように左右に揺らめきます。
「…ついておいで、と?」
そうに聞くと、うなずく様に上下に動くではありませんか。これは…もちろんついて行くでしょうとも。
「それでは、案内をよろしくね?」
ふわふわ、ゆらゆら、輝く白いモノについて歩みを始めると、それは庭へ続く扉の方へ行くではありませんか。
「…本を探すのでは、ないのね」
まぁ、面白そうな雰囲気なのでついて行きましょう。…はっ、これはもしや、大冒険の始まりでは!高まりますね!!!
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