俺は善人にはなれない

気衒い

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〜After story〜

第45話:ミツクニ

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「…………お前も神に呪いを?」

「ああ。すまないな。どうやら、奴はワシすらも信用できなかったらしい。知らん間に掛けられていたようだ」

「こっちこそ、色々とすまないな。それとありがとう。有益なものをいくつもくれて……………だが」

俺はこちらを静かに見据えるアカシックを前にゆっくりと刀を抜いていく。

「お前がこちらに牙を向けてくるというのなら、話は別。それはそれ、これはこれだ。俺は自分を……………そして、仲間達を守らなければならない」

「すまん。ワシはもうじき呪いのせいでお前さんらを排除することしか考えられなくなってしまう。だから、どうかワシを…………うぐわああああっ!!」

「ああ」

そうして言葉を言い終える間もなく、襲い掛かってきたアカシックへ俺は刀を一閃した。

「ぐああああっ!?」

その一閃は高速で向かってきたアカシックの身体を上下真っ二つにした。

「……………今までお疲れ様。安らかに眠ってくれ」

その後、俺は刀を静かに鞘へ収めると無言で状況を見守っていた仲間達と共にこの場所を後にした。ちなみにアカシックの実力は下級神程もあり、俺達を除けばこの世界で最も強いといっても過言はなかった。そして、そこからは神の警戒心の高さも同時に窺えたのだった。





―――――――――――――――――――――





「くそっ!!何なんだ、あの人間は!!」

一体、何故だ!?少なくともあの駒は下級神程度の実力はあったはず!!それが一体、何故………………

「ふんっ。まぁ、いい。パンドラの時と同じだ。どうせ、奴が何を知ったところでどうもできん。こちらの勝利は約束されているんだ」

今に見ていろよ……………この私があの世界を我が物とし、そして………………




―――――――――――――――――――――





「ここが"ミツクニ"か」

全ての金鎧を集め終えた俺達は予定通り、"ミツクニ"へと辿り着いた。そこはフォレスト国と同じ規模ではあるものの、雰囲気は全く異なり和風テイストの家が並ぶ国だった。それはまるでリョウマが向こうの世界で生きていた時代を彷彿とさせ、歩いている人々の格好もそれに近いものがあった。しかし、すれ違う冒険者達に至っては刀を持ってはいるものの、その格好は様々だった。そこには流石に自由を愛する冒険者の型に嵌まらないプライドのようなものが見え隠れしていた。

「さて……………ここからはお前に案内してもらうとするか」

俺はそう言うと徐に後ろを振り返った。まだ入ったばかりの国だったが、先程からずっと俺達の後をつけてきた者がいるのだ。だから、俺はついでとばかりにその者に案内を頼むことにした。

「かぁ~~~っ!!やっぱり、バレちまってたか。本当に只者じゃねぇな、あんたら」

そう言って、物陰から姿を現したのは俺達をこの国へ行くようアドバイスした張本人だった。


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