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第16章 神々の黄昏
第355話 リースの幸せ
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「そ……………んな」
「リース様っ!?き、貴様!!よくもリ
ース様をっ!!」
腹を貫かれ、徐々に力が抜けていくリー
スを抱き止め地面に寝かせたセバスは思
わず、激昂して敵に掴みかかった。あま
り感情の起伏が激しくないセバスにとっ
て、それはかなり珍しいことだった。裏
を返せば、セバスにとってはそれほどの
事態だったともいえた。
「っ!?ぐはっ!?」
勢いよく突っ込んだセバスはしかし、ま
たもや敵の貫手により、リースと同じ結
末を辿ってしまった。そんなセバスがふ
と敵の正体を掴もうと倒れ伏す間際に上
へ視線を向けるとそこには驚くべき顔が
あった。
「安心しろ。仲良く同じ場所へ送ってや
る」
「っ!?お、お前はっ!?一体、何故こ
こに!?」
敵は至って無表情、なおかつ何か強い想
いによって突き動かされてでもいるかの
ように次のターゲットへと目を向けた。
すると、そこには従魔部隊のメンバーで
あるグリフ達がいた。
「っ!?いかんっ!?グリフ!!皆を連
れて逃げてくれ!!そいつは……………」
ところが、セバスの声が届く前に敵は一
瞬でグリフ達の近くまで移動すると同じ
要領でそれぞれを貫いていった。
「「「「「がはっ!?」」」」」
そこにいたのはどれもが伝説の魔物とし
て恐れられている存在なのだが、敵にと
ってはそんなことはもはや関係ないとば
かりに次々と手にかけていった。結果、
リース率いる従魔部隊のメンバーは全員
が地に伏す形となってしまった。
「く、くそっ。何故、こんなこと
に……………」
「がはっ…………ううっ」
「リース様っ!?」
そんな中、セバスが倒れたまま険しい表
情で全員に回復を施しているとリースが
急に口から血を吐き、痛みに苦しみ始め
た。
「い、一体何故傷が塞がらない!?攻撃
を受けた直後もこうしている今でさえ、
魔法を使っているというのに」
セバスは焦り、自然と溢れてくる涙を止
めることも忘れ、一心不乱に魔法を使い
続けた。と、そこへ頭上から彼らを絶望
へと叩き落とす恐ろしい言葉が齎らされた。
「一生懸命なとこ悪いが、それ無駄だぞ」
「は?一体何を言っている!!」
「俺の攻撃は少し特殊でな、食らった者
は治癒や回復など効かず、欠損も治るこ
とはない」
「っ!?……………なんてことだ」
「じゃあな。俺はもう行く」
「ぐっ、待て」
「それはできない相談だ」
背を向け歩き出す敵を見送ることしかで
きない自分に対して、様々な感情が沸い
たが今はそんなことどうでもいいとセバ
スはありったけの想いを込めて叫んだ。
「シンヤ様っ!!お助け願います!!」
「セバス……………これは一体どういうこ
とだ?」
「申し訳ございません。私がついていな
がら」
セバスの叫びを聞いたシンヤはすぐさま
地上へと降り立ち、その惨状を目にして
言った。その表情は到底理解ができない
と言いたげだった。
「とにかくすぐに魔法で回復する。あま
り大きな声で喋るなよ?」
「い、いえ。私なんかよりもリース様達
を優先して下さい」
「馬鹿野郎!お前を含めた全員、まとめ
て回復するに決まってんだろ!!」
シンヤは叫びつつ、魔法を使う。しか
し、いつもならすぐに効くはずの魔法が
どういう訳か、上手く作用しているとは
到底思えなかった。そのことに焦ったシ
ンヤは注ぎ込む魔力を徐々に多くしてい
った。
「くそっ!?どういうことだ!!」
ところが、リース達の状態が良くなるこ
とはなく、依然として苦しい状態は続い
ていた。すると、ここでセバスが驚きの
言葉を口にした。
「シンヤ様でも駄目でしたか」
「ん?一体どういう意味だ?」
セバスはシンヤからの質問に先程起きた
一部始終を全て話した。すると、シンヤ
は話を聞いているうちに表情がどんどん
変わっていき、終いには怒りを通り越し
て無表情となっていた。
「ううっ……………シンヤ」
「っ!?」
そんな時、リースがか細い声で呼んでい
るのか聞こえたシンヤはそばまで近付
き、リースの身体を抱き起こした。
「リース、すまない。遅くなった」
「ううん。来てくれただけで嬉しいから」
リースは儚い笑みを浮かべながら答え
た。しかし、その表情は愛する者に会う
ことかできた喜びと嬉しさで一杯だっ
た。
「ごめんね…………僕、ドジ踏んじゃった
みたい。敵をみすみす取り逃しちゃっ
た」
「何言ってんだ。お前のおかげで不確定要素の存在を知り、俺はここに来ることができた」
「でも、結局何も出来なかった
よ……………情けないや」
「お前程の奴が一瞬で出し抜かれるよう
な敵だ。間違いなく、俺が上で戦
っていた奴らよりも強いだろう。これは
俺の想定ミスだ。本当にすまない。俺の
せいでこんなことに……………」
「謝らないで…………シンヤは何も悪くな
いよ………………僕ね、世界中に届けられ
たシンヤの声を聞いて、とても嬉しかっ
たんだ」
「リース?」
「僕が初めて会った時と変わったなっ
て………………もちろん、以前のシンヤが
悪いってことじゃないけど……………で
も、僕は今のシンヤの方が断然好きだ
な」
「リース……………」
「それに比べて、僕は駄目だね。あの時
とまるで変わってない。まだまだ世間知
らずで弱いまま………………ううっ、ぐず
っ……………シンヤぁ………………僕、も
っともっと強くなりたかったよ…………
そしたら、こんな」
「もういい。もういいから、喋るな。傷
に障るだろ」
「ううん。喋らせて……………これが最期だから」
「リース!!何を言ってる!!最期なん
て」
「お願い」
「っ!?……………分かった」
「ありがとう」
シンヤは初めて向けられたリースの有無
を言わせぬ態度に驚くと同時に彼女の好
きなようにさせようと静観することに決
めた。
「僕ね、今とっても幸せなんだ。なんせ
昔からの夢が叶っちゃったんだから」
「夢?」
「うん。僕の夢、それは2つあって1つ
は家柄的なものでもう1つは個人的なも
のなんだけど……………」
「聞かせてくれ」
「うん。僕の夢、それはね……………フォ
レスト国の豊かな繁栄とお嫁さんになる
ことだったんだ」
「…………そうか」
「1つ目の夢はシンヤ達がフォレスト国
を変えてくれたこと、あとは結婚式での
お父さんの様子を見ていたら、この先も
きっと大丈夫だと思ったんだ」
「そうか」
「2つ目はついこの間、叶っちゃった。
それにお義父さんとお義母さんにも会えたしね」
「お袋には会ってないだろ」
「ううん。ついこの間、夢に出てきた
よ……………"私は運の女神フォルトゥー
ナ。シンヤの母です。あの子のことをよ
ろしくお願い致します"って」
「あいつ……………」
「だから、僕は今、とっても幸せなんだ
よ」
そこで急に俯き、再び肩を震わせるリー
ス。シンヤはそこから視線をあえて逸ら
さず、リースの顔を見続けていた。
「ぐずっ……………本当だったら、シンヤ
と新婚旅行で色々なところに行きたかっ
たし、美味しいものをもっと食べたかっ
た……………ティア達とのお風呂も楽しか
ったし、みんなも良くしてくれ
た………………僕にはこんなにも沢山の仲
間が、家族ができた。昔だったら考えら
れなかった。そして、何より」
そこで今までで一番の笑顔を見せたリー
スはこう言った。
「少しの間でもシンヤのお嫁さんでいら
れた…………シンヤ、本当にありがと
う。僕と出会ってくれて……………僕を拾
い上げてくれて……………僕を仲間に入れ
てくれて………………僕を好きでいてくれ
て」
リースの言葉に自然と涙が溢れ始めたシ
ンヤはそれを拭おうともせずにリースを
抱き締めて叫んだ。
「礼を言うのは俺の方だ。本当にありが
とう。俺と出会ってくれて…………俺に
ついてきてくれて…………………俺の家族
になってくれて……………そして、俺を好
きになってくれて」
「ふふふ。幸せだ……………僕達……………
両想いで……………気が合うね」
「っ!?リースっ!!」
リースはその言葉を最期に一瞬力が緩ん
だシンヤの腕をすり抜けて地面へと倒れ
伏した。その時、シンヤはリースの言葉
に聞き覚えがあり、咄嗟にあの時のこと
を思い出していた。それはリースが仲間
になって程なくして、一緒に風呂に入っ
ていた時のリースとの会話の部分だっ
た。
「えっ!?じゃあ、シンヤもあの魔物の
お肉が大好きなんだ」
「ああ。だが、それだけじゃないぞ。お
前が好きだと言っていた"フォレストフ
ィッシュ"も今じゃ、俺の大好物だ」
「えっ!?じ、じゃあ、ふかふかベッド
は?あれ、凄く気持ちいいよね~」
「ああ。あれも大好きだぞ。他の連中は
寝るぐらいだったら、もっと動いていた
いって共感してくれなくてな」
「へ~そうなんだ…………あ、じゃあじゃ
あ、ここのお風呂は?」
「少し落ち着けよ」
「え~でも」
「安心しろよ。お前が好きだといったも
ののほとんどは俺も好きだから……………
もちろん、風呂もな」
「うわ~そうなんだ~」
その直後、嬉しそうな笑顔を浮かべたリ
ースはこう言った。
「ふふふ。何だか、僕達って気が合うね」
気が付けば閉じていた瞳。それを開けた
シンヤがリースの顔を見ると……………彼
女はあの時と全く同じ幸せそうな笑顔を
浮かべていたのだった。
「リース様っ!?き、貴様!!よくもリ
ース様をっ!!」
腹を貫かれ、徐々に力が抜けていくリー
スを抱き止め地面に寝かせたセバスは思
わず、激昂して敵に掴みかかった。あま
り感情の起伏が激しくないセバスにとっ
て、それはかなり珍しいことだった。裏
を返せば、セバスにとってはそれほどの
事態だったともいえた。
「っ!?ぐはっ!?」
勢いよく突っ込んだセバスはしかし、ま
たもや敵の貫手により、リースと同じ結
末を辿ってしまった。そんなセバスがふ
と敵の正体を掴もうと倒れ伏す間際に上
へ視線を向けるとそこには驚くべき顔が
あった。
「安心しろ。仲良く同じ場所へ送ってや
る」
「っ!?お、お前はっ!?一体、何故こ
こに!?」
敵は至って無表情、なおかつ何か強い想
いによって突き動かされてでもいるかの
ように次のターゲットへと目を向けた。
すると、そこには従魔部隊のメンバーで
あるグリフ達がいた。
「っ!?いかんっ!?グリフ!!皆を連
れて逃げてくれ!!そいつは……………」
ところが、セバスの声が届く前に敵は一
瞬でグリフ達の近くまで移動すると同じ
要領でそれぞれを貫いていった。
「「「「「がはっ!?」」」」」
そこにいたのはどれもが伝説の魔物とし
て恐れられている存在なのだが、敵にと
ってはそんなことはもはや関係ないとば
かりに次々と手にかけていった。結果、
リース率いる従魔部隊のメンバーは全員
が地に伏す形となってしまった。
「く、くそっ。何故、こんなこと
に……………」
「がはっ…………ううっ」
「リース様っ!?」
そんな中、セバスが倒れたまま険しい表
情で全員に回復を施しているとリースが
急に口から血を吐き、痛みに苦しみ始め
た。
「い、一体何故傷が塞がらない!?攻撃
を受けた直後もこうしている今でさえ、
魔法を使っているというのに」
セバスは焦り、自然と溢れてくる涙を止
めることも忘れ、一心不乱に魔法を使い
続けた。と、そこへ頭上から彼らを絶望
へと叩き落とす恐ろしい言葉が齎らされた。
「一生懸命なとこ悪いが、それ無駄だぞ」
「は?一体何を言っている!!」
「俺の攻撃は少し特殊でな、食らった者
は治癒や回復など効かず、欠損も治るこ
とはない」
「っ!?……………なんてことだ」
「じゃあな。俺はもう行く」
「ぐっ、待て」
「それはできない相談だ」
背を向け歩き出す敵を見送ることしかで
きない自分に対して、様々な感情が沸い
たが今はそんなことどうでもいいとセバ
スはありったけの想いを込めて叫んだ。
「シンヤ様っ!!お助け願います!!」
「セバス……………これは一体どういうこ
とだ?」
「申し訳ございません。私がついていな
がら」
セバスの叫びを聞いたシンヤはすぐさま
地上へと降り立ち、その惨状を目にして
言った。その表情は到底理解ができない
と言いたげだった。
「とにかくすぐに魔法で回復する。あま
り大きな声で喋るなよ?」
「い、いえ。私なんかよりもリース様達
を優先して下さい」
「馬鹿野郎!お前を含めた全員、まとめ
て回復するに決まってんだろ!!」
シンヤは叫びつつ、魔法を使う。しか
し、いつもならすぐに効くはずの魔法が
どういう訳か、上手く作用しているとは
到底思えなかった。そのことに焦ったシ
ンヤは注ぎ込む魔力を徐々に多くしてい
った。
「くそっ!?どういうことだ!!」
ところが、リース達の状態が良くなるこ
とはなく、依然として苦しい状態は続い
ていた。すると、ここでセバスが驚きの
言葉を口にした。
「シンヤ様でも駄目でしたか」
「ん?一体どういう意味だ?」
セバスはシンヤからの質問に先程起きた
一部始終を全て話した。すると、シンヤ
は話を聞いているうちに表情がどんどん
変わっていき、終いには怒りを通り越し
て無表情となっていた。
「ううっ……………シンヤ」
「っ!?」
そんな時、リースがか細い声で呼んでい
るのか聞こえたシンヤはそばまで近付
き、リースの身体を抱き起こした。
「リース、すまない。遅くなった」
「ううん。来てくれただけで嬉しいから」
リースは儚い笑みを浮かべながら答え
た。しかし、その表情は愛する者に会う
ことかできた喜びと嬉しさで一杯だっ
た。
「ごめんね…………僕、ドジ踏んじゃった
みたい。敵をみすみす取り逃しちゃっ
た」
「何言ってんだ。お前のおかげで不確定要素の存在を知り、俺はここに来ることができた」
「でも、結局何も出来なかった
よ……………情けないや」
「お前程の奴が一瞬で出し抜かれるよう
な敵だ。間違いなく、俺が上で戦
っていた奴らよりも強いだろう。これは
俺の想定ミスだ。本当にすまない。俺の
せいでこんなことに……………」
「謝らないで…………シンヤは何も悪くな
いよ………………僕ね、世界中に届けられ
たシンヤの声を聞いて、とても嬉しかっ
たんだ」
「リース?」
「僕が初めて会った時と変わったなっ
て………………もちろん、以前のシンヤが
悪いってことじゃないけど……………で
も、僕は今のシンヤの方が断然好きだ
な」
「リース……………」
「それに比べて、僕は駄目だね。あの時
とまるで変わってない。まだまだ世間知
らずで弱いまま………………ううっ、ぐず
っ……………シンヤぁ………………僕、も
っともっと強くなりたかったよ…………
そしたら、こんな」
「もういい。もういいから、喋るな。傷
に障るだろ」
「ううん。喋らせて……………これが最期だから」
「リース!!何を言ってる!!最期なん
て」
「お願い」
「っ!?……………分かった」
「ありがとう」
シンヤは初めて向けられたリースの有無
を言わせぬ態度に驚くと同時に彼女の好
きなようにさせようと静観することに決
めた。
「僕ね、今とっても幸せなんだ。なんせ
昔からの夢が叶っちゃったんだから」
「夢?」
「うん。僕の夢、それは2つあって1つ
は家柄的なものでもう1つは個人的なも
のなんだけど……………」
「聞かせてくれ」
「うん。僕の夢、それはね……………フォ
レスト国の豊かな繁栄とお嫁さんになる
ことだったんだ」
「…………そうか」
「1つ目の夢はシンヤ達がフォレスト国
を変えてくれたこと、あとは結婚式での
お父さんの様子を見ていたら、この先も
きっと大丈夫だと思ったんだ」
「そうか」
「2つ目はついこの間、叶っちゃった。
それにお義父さんとお義母さんにも会えたしね」
「お袋には会ってないだろ」
「ううん。ついこの間、夢に出てきた
よ……………"私は運の女神フォルトゥー
ナ。シンヤの母です。あの子のことをよ
ろしくお願い致します"って」
「あいつ……………」
「だから、僕は今、とっても幸せなんだ
よ」
そこで急に俯き、再び肩を震わせるリー
ス。シンヤはそこから視線をあえて逸ら
さず、リースの顔を見続けていた。
「ぐずっ……………本当だったら、シンヤ
と新婚旅行で色々なところに行きたかっ
たし、美味しいものをもっと食べたかっ
た……………ティア達とのお風呂も楽しか
ったし、みんなも良くしてくれ
た………………僕にはこんなにも沢山の仲
間が、家族ができた。昔だったら考えら
れなかった。そして、何より」
そこで今までで一番の笑顔を見せたリー
スはこう言った。
「少しの間でもシンヤのお嫁さんでいら
れた…………シンヤ、本当にありがと
う。僕と出会ってくれて……………僕を拾
い上げてくれて……………僕を仲間に入れ
てくれて………………僕を好きでいてくれ
て」
リースの言葉に自然と涙が溢れ始めたシ
ンヤはそれを拭おうともせずにリースを
抱き締めて叫んだ。
「礼を言うのは俺の方だ。本当にありが
とう。俺と出会ってくれて…………俺に
ついてきてくれて…………………俺の家族
になってくれて……………そして、俺を好
きになってくれて」
「ふふふ。幸せだ……………僕達……………
両想いで……………気が合うね」
「っ!?リースっ!!」
リースはその言葉を最期に一瞬力が緩ん
だシンヤの腕をすり抜けて地面へと倒れ
伏した。その時、シンヤはリースの言葉
に聞き覚えがあり、咄嗟にあの時のこと
を思い出していた。それはリースが仲間
になって程なくして、一緒に風呂に入っ
ていた時のリースとの会話の部分だっ
た。
「えっ!?じゃあ、シンヤもあの魔物の
お肉が大好きなんだ」
「ああ。だが、それだけじゃないぞ。お
前が好きだと言っていた"フォレストフ
ィッシュ"も今じゃ、俺の大好物だ」
「えっ!?じ、じゃあ、ふかふかベッド
は?あれ、凄く気持ちいいよね~」
「ああ。あれも大好きだぞ。他の連中は
寝るぐらいだったら、もっと動いていた
いって共感してくれなくてな」
「へ~そうなんだ…………あ、じゃあじゃ
あ、ここのお風呂は?」
「少し落ち着けよ」
「え~でも」
「安心しろよ。お前が好きだといったも
ののほとんどは俺も好きだから……………
もちろん、風呂もな」
「うわ~そうなんだ~」
その直後、嬉しそうな笑顔を浮かべたリ
ースはこう言った。
「ふふふ。何だか、僕達って気が合うね」
気が付けば閉じていた瞳。それを開けた
シンヤがリースの顔を見ると……………彼
女はあの時と全く同じ幸せそうな笑顔を
浮かべていたのだった。
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