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第15章 親子喧嘩
第335話 王導
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「「"炎星着陸!!"」」
巨大な炎の塊同士がぶつかり合い、大き
な爆発と煙を発生させてから消滅する。
辺りには破壊の跡がいくつも残り、常
時、煙で前も見えない状態だった。
「「"極氷世界"!!」」
それだけではない。次の瞬間にはその場
が突然、氷の吹き荒れる凍てつく世界へ
と変貌を遂げていた。この急な気温と戦
況の変化に観客席もついていくのが精一
杯であったが、ティア達幹部はという
と…………………ある程度の余裕を持ちな
がらも鋭い眼光を戦場へと向けていた。
「サラ、何かあったら、いつでも出れる
準備をしておいて下さい」
「分かっていますわ………………本当は今
すぐにでも出ていきたいところですけ
ど」
「それをしたら、シンヤが……………っ
て、んなことはここにいる全員が分かっ
てるもんな」
「あいつ、只者じゃない」
「ノエ先輩がそう言うってことは本当に
やばいんですね………………確かに殺気や
威圧感は並々ならぬものを感じますが」
「そもそも固有スキルがとんでもないの
じゃ。あれじゃ、普段のステータスの低
さなどデメリットにならんわ」
「間違いなく、シンヤ殿にとって今まで
で一番の強敵だな」
「そんでもって、あいつを倒せるのもこ
の世でシンヤただ1人だけってことか」
「もし、マスターを酷い目に遭わせた
ら、ただじゃおかないデス!!だから、
もうちょっと自重しやがれデス」
「落ち着くの。ボクも気持ちは分かるけ
ど」
「だね。本気になったあいつを倒さなき
ゃ意味がない。きっと、この戦いはシン
ヤにとって、とても大事なものなんだ」
「そして、ワタシ達もそれを最後まで見
守らなければならないわ」
そんなティア達の想いを背にシンヤは再
び、魔法を放つ。
「"雷降地鳴"」
すると、今度は同じ魔法をキョウが使っ
てくることはなく、一方的に発動するこ
とができた。だが、それもそのはずだっ
た。これは雷魔法と土魔法を同時に使う
という高等テクニックであり、地面を泥
にして身動きを取りにくくしつつ、空か
ら雷を命中させるというものだった。と
はいっても戦場は地下の訓練場であり、
外ではない。ということはもちろん、床
は地面ではない上に空も存在しない。
「うお~~っ!!こ、これはまずい
な!!」
しかし、シンヤにそんな常識が当てはま
るはずもない。現在、特殊な素材で作ら
れた床は泥へと変化しており、それによ
ってキョウは足を取られて上手く動けな
いでいた。さらにその状態で上からいく
つもの雷が降り注ぎ、どうにかしてそれ
を躱すので精一杯だった。
「"崩煌刀"」
「っ!?」
そんな中、素早く静かに忍び寄り、キョ
ウの後ろへと回り込んだシンヤは背中目
掛けて刀を思い切り振り下ろした。
「ふんっ!!……………ぐはっ!!」
ところが、寸前で気付かれてしまい正面
から両腕で防がれてしまった……………の
だが、流石に完全に防ぎ切ることはでき
ず、軽く袈裟懸けに斬られてしまった。
「くっ………………軽くでこのダメージ
か」
「お前、どんだけ化け物なんだよ。こっ
ちはちょくちょく"未来視"を使ってん
だぞ」
「場数と年季が違うからな。こっちはこの世界に来てから40年以上、戦い続けてきてんだ」
「は?どういうことだ?それだと計算
が……………」
「「「「「キョウヤ
様!!!!!」」」」」
シンヤがそう言葉を続けようとした直
後、突然訓練場の扉を開いてやってきた
乱入者達によって、それも叶わなくなっ
てしまった。
「気配で分かってはいたが、まさかこん
な形でやってくるとはな………………ブロ
ン、今は戦いの最中だぞ」
「すまんのぅ、シンヤ。じゃが、キョウ
ヤ様が戦っているとなってはいてもたっ
てもいられなくなってな」
「キョウヤ様?何を言っているんだ?あ
いつは"キョウ"って名前だろ……………
ってか、ブロンにネバダ、ウィア、ハー
メルン、ケリュネイア、その他
諸々………………この面子って」
シンヤが色々と考え込む中、代表して話
しているブロンは続けてこう言った。
「いいや。シンヤと戦っている、あのお
方の名は"キョウヤ"様で間違いな
い………………彼はワシらのリーダーを務
め、かつて"王導"と呼ばれたクラン"
箱舟"のクランマスターじゃ」
巨大な炎の塊同士がぶつかり合い、大き
な爆発と煙を発生させてから消滅する。
辺りには破壊の跡がいくつも残り、常
時、煙で前も見えない状態だった。
「「"極氷世界"!!」」
それだけではない。次の瞬間にはその場
が突然、氷の吹き荒れる凍てつく世界へ
と変貌を遂げていた。この急な気温と戦
況の変化に観客席もついていくのが精一
杯であったが、ティア達幹部はという
と…………………ある程度の余裕を持ちな
がらも鋭い眼光を戦場へと向けていた。
「サラ、何かあったら、いつでも出れる
準備をしておいて下さい」
「分かっていますわ………………本当は今
すぐにでも出ていきたいところですけ
ど」
「それをしたら、シンヤが……………っ
て、んなことはここにいる全員が分かっ
てるもんな」
「あいつ、只者じゃない」
「ノエ先輩がそう言うってことは本当に
やばいんですね………………確かに殺気や
威圧感は並々ならぬものを感じますが」
「そもそも固有スキルがとんでもないの
じゃ。あれじゃ、普段のステータスの低
さなどデメリットにならんわ」
「間違いなく、シンヤ殿にとって今まで
で一番の強敵だな」
「そんでもって、あいつを倒せるのもこ
の世でシンヤただ1人だけってことか」
「もし、マスターを酷い目に遭わせた
ら、ただじゃおかないデス!!だから、
もうちょっと自重しやがれデス」
「落ち着くの。ボクも気持ちは分かるけ
ど」
「だね。本気になったあいつを倒さなき
ゃ意味がない。きっと、この戦いはシン
ヤにとって、とても大事なものなんだ」
「そして、ワタシ達もそれを最後まで見
守らなければならないわ」
そんなティア達の想いを背にシンヤは再
び、魔法を放つ。
「"雷降地鳴"」
すると、今度は同じ魔法をキョウが使っ
てくることはなく、一方的に発動するこ
とができた。だが、それもそのはずだっ
た。これは雷魔法と土魔法を同時に使う
という高等テクニックであり、地面を泥
にして身動きを取りにくくしつつ、空か
ら雷を命中させるというものだった。と
はいっても戦場は地下の訓練場であり、
外ではない。ということはもちろん、床
は地面ではない上に空も存在しない。
「うお~~っ!!こ、これはまずい
な!!」
しかし、シンヤにそんな常識が当てはま
るはずもない。現在、特殊な素材で作ら
れた床は泥へと変化しており、それによ
ってキョウは足を取られて上手く動けな
いでいた。さらにその状態で上からいく
つもの雷が降り注ぎ、どうにかしてそれ
を躱すので精一杯だった。
「"崩煌刀"」
「っ!?」
そんな中、素早く静かに忍び寄り、キョ
ウの後ろへと回り込んだシンヤは背中目
掛けて刀を思い切り振り下ろした。
「ふんっ!!……………ぐはっ!!」
ところが、寸前で気付かれてしまい正面
から両腕で防がれてしまった……………の
だが、流石に完全に防ぎ切ることはでき
ず、軽く袈裟懸けに斬られてしまった。
「くっ………………軽くでこのダメージ
か」
「お前、どんだけ化け物なんだよ。こっ
ちはちょくちょく"未来視"を使ってん
だぞ」
「場数と年季が違うからな。こっちはこの世界に来てから40年以上、戦い続けてきてんだ」
「は?どういうことだ?それだと計算
が……………」
「「「「「キョウヤ
様!!!!!」」」」」
シンヤがそう言葉を続けようとした直
後、突然訓練場の扉を開いてやってきた
乱入者達によって、それも叶わなくなっ
てしまった。
「気配で分かってはいたが、まさかこん
な形でやってくるとはな………………ブロ
ン、今は戦いの最中だぞ」
「すまんのぅ、シンヤ。じゃが、キョウ
ヤ様が戦っているとなってはいてもたっ
てもいられなくなってな」
「キョウヤ様?何を言っているんだ?あ
いつは"キョウ"って名前だろ……………
ってか、ブロンにネバダ、ウィア、ハー
メルン、ケリュネイア、その他
諸々………………この面子って」
シンヤが色々と考え込む中、代表して話
しているブロンは続けてこう言った。
「いいや。シンヤと戦っている、あのお
方の名は"キョウヤ"様で間違いな
い………………彼はワシらのリーダーを務
め、かつて"王導"と呼ばれたクラン"
箱舟"のクランマスターじゃ」
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