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第12章 vs聖義の剣
第253話 "暴食"・"色欲"・"怠惰"・"嫉妬"
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「はぁ、はぁ、はぁ…………助かった
よ、ありがとう」
「礼には及ばん。にしてもそいつが例
の………」
「ああ。七罪"暴食"のジャイガント
だ。いや~巨人族はパワーも耐久力も凄
いね、参ったよ」
「だが、勝ったのはお前だ。流石はSS
ランク冒険者というところか」
「君に褒められるとは嬉しい限りだね"
牛狩り"ケープ」
「片がついたのなら、今度は私の番だ
な。あっちで棒立ちしている奴を殺れば
いいんだな?」
「ああ、頼むよ。僕はもうクタクタで動
けそうにない」
「では行ってくる………………お疲れ様
だ、"笛吹き"」
「助けてくれてありがとう、魚人さん。
あ、それともこう呼んだ方がいいのかし
ら……………"銛使い"フェンドさん」
「いや、大丈夫だぞ。というか、オイラ
の名前、知っていたのか」
「それはそうよ。Sランク冒険者なら、
知れ渡っていて当然。まして貴方達なら
余計にね」
「なんか嬉しいぞ!これでもっとシンヤ
様のお役に立てる!!」
「あら、素敵な横顔…………」
「あ、ところで」
「ん?」
「お前はなんて名前なんだ?」
「ガクッ…………し、知らないで助けて
くれたのかしら?」
「ああ。白い修道服の奴に絡まれてるの
かと思って。オイラ達は今、そいつらを
倒して回っているんだ」
「そ、そうなの。まぁ、逆に下心なしで
助けてくれたという点では好印象なのか
もしれないわね……………ちなみにだけ
ど、その修道服の集団の名前とかって分
かるかしら?」
「ん?"聖義の剣"だろ?」
「ま、負けた!?私の知名度がそんなぽ
っと出の集団なんかに………………SSラ
ンク冒険者だからって自惚れてたのかし
ら」
「えっ!?お前、SSランク冒険者なの
か?」
「それすら知られていなかった!?一体
何だと思っていたのかしら!?」
「いや、か弱い一般人が標的になってい
るのかとばかり」
「冒険者とすら思われてなかった!?
も、もう何なのよ、これ!せっかく七罪
"色欲"のペンネとかいうのを倒して、
さらにはこんな素敵な人にも出逢えたっ
ていうのに………………ボソッ」
「でも、勘違いしても仕方がねぇと思う
よ」
「え?」
「なんかお前、神聖な雰囲気がするし可
愛いさと綺麗さの両方を兼ね備えた美貌
もある。さらにオイラみたいなのが下手
に触れてしまえば、壊れちゃいそうなぐ
らい儚げでとっても素敵だと思うぞ」
「え、え、え~~っ!?ち、ち、ちょっ
と待って!?わ、私が?ほ、本当に?」
「ああ」
「そ、そ、そんな急に言われても心の準
備が………………あ、そうだわ!よ、よろ
しければ、もう一度さっきの台詞を仰っ
て下さらない?」
「え?何でだ?」
「だ、だ、だってそんなこと言われるな
んて思ってもみなかったから、魔道具の
準備もしていなかったし、それ
に……………きゅ~~~~」
「お、おい!しっかりしろ!いきなり倒
れてどうしたんだ!?それに顔が真っ赤
だぞ!」
「これも全てあなたのせいよ…………」
「は?何でだよ!?」
「と、とにかく後日、きっちりとお礼に
向かわせてもらうわ」
「お、おう。まぁ、その前にあそこで突
っ立ってる奴に負けてしまえば、それも
ないんだけどな」
「あなたなら、大丈夫よ。ほら、さっさ
と行ってきなさい」
「おう!じゃあな!」
「ちょっと待ちなさいよ!」
「いや、何でだよ!今、送り出してくれ
ただろ!」
「私がまだ名乗ってないじゃない!それ
なのによく行けるわね」
「うわ~なんか面倒臭いぞ、こい
つ…………ボソッ」
「聞こえているわよ」
「っ!?で?お前の名前はなんていうん
だ?」
「よく覚えていなさい。将来、あなたの
最も身近な存在になる名前なんだから。
私の名はケリュネイア。周りからは"麗
鹿"って呼ばれることもあるわ」
「ふんっ!礼は言わんぞ!本当は俺様1
人でも倒せたんだ」
「いや、別に求めてないんでやすけど」
「何だ、その態度は!自分の方が大人だ
と言いたいのか!どうせ俺様は子供だ!
なんせ、助けてもらっておいて礼の1つ
もできんのだからな!」
「いや、オレはそんなこと言ってないん
でやすけど……………あと、後半部分は威
張って言うことじゃないと思う」
「……………あ~くそっ!助かったよ、あ
りがとう!次はお前の番だな"巨腕"」
「情緒が凄いでやすね。まぁ、"大風"
さんもよく頑張りましたね。"怠惰"の
フロウでしたっけ?七罪の力はやっぱり
堪えやしたか?」
「………………まぁな。随分と珍しいもの
に出くわした。今後、ああいうのは勘弁
願いたいな」
「そうですかい……………じゃあ、オレは
あそこで余裕ぶっこいてる奴を倒しに行
ってきやす」
「………………おい、"巨腕"!」
「はい?」
「が、頑張れよ…………」
「ははっ。可愛いところもあるんでやす
ね」
「う、うるさい!とっとと行ってやられ
てこい!!」
「ふぅ~………………悪い、助かったわ。
ありがとな」
「いえいえ」
「にしても相手の剣撃を止めた腕前、流
石は噂通りの剣士だな」
「いえいえ。ワタクシなどまだまだです
わ。組長を務めるので精一杯ですし」
「謙遜はよせよ。あの化け物だらけのク
ランの中で幹部候補生ってだけでも凄い
じゃんか」
「恐れ多いことですわ」
「それに着々と名前が浸透していってる
しよ。"剣姫"リーゼと言えば、見目麗
しい高貴な女剣士ってことで有名だぞ」
「狭いコミュニティ内での話ですわ」
「全く…………謙遜も度が過ぎると嫌味
にしか聞こえんぞ。ってか、そんなこと
より………………惜しい!実に惜しい!」
「はい?」
「もしもお前が人族じゃなくて獣人族な
ら、アタイんとこも喜んで受け入れられ
たのに!!」
「ああ、そうでしたわね。確か、貴方の
ところは…………」
「そうなんだよ!獣人族のみで構成され
てるからな……………くぅ~~悔しいぜ」
「"赤虎"さん、そんなに落ち込まなく
ても大丈夫ですわよ?」
「へ?」
「だって、仮にワタクシが獣人族だった
としても貴方のところには入りませんか
ら。ワタクシにとっての一番は常にシン
ヤ様だけですわ」
「…………こりゃ、完敗だな。ってか、
そんだけ想われてるシンヤは幸せ者だ」
「他人事ではなくてよ。貴方も同じよう
な想いをお持ちだと思うのですけど」
「っ!?ど、どういう意味かな~?」
「まぁ、どうでもいいですけど」
「いいんかい!…………こほんっ。とに
かく、さっきはありがとう。次はお前の
番だな。頑張れよ」
「はい。行ってきますわ。あそこでやけ
に焦っているのが相手でいいんですわよ
ね?」
「ああ」
「では一瞬で片をつけてきますわね」
颯爽と歩き出すリーゼの後ろ姿は見る者
を惚れ惚れさせる程、頼もしくそれでい
て美しかった。
よ、ありがとう」
「礼には及ばん。にしてもそいつが例
の………」
「ああ。七罪"暴食"のジャイガント
だ。いや~巨人族はパワーも耐久力も凄
いね、参ったよ」
「だが、勝ったのはお前だ。流石はSS
ランク冒険者というところか」
「君に褒められるとは嬉しい限りだね"
牛狩り"ケープ」
「片がついたのなら、今度は私の番だ
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いいんだな?」
「ああ、頼むよ。僕はもうクタクタで動
けそうにない」
「では行ってくる………………お疲れ様
だ、"笛吹き"」
「助けてくれてありがとう、魚人さん。
あ、それともこう呼んだ方がいいのかし
ら……………"銛使い"フェンドさん」
「いや、大丈夫だぞ。というか、オイラ
の名前、知っていたのか」
「それはそうよ。Sランク冒険者なら、
知れ渡っていて当然。まして貴方達なら
余計にね」
「なんか嬉しいぞ!これでもっとシンヤ
様のお役に立てる!!」
「あら、素敵な横顔…………」
「あ、ところで」
「ん?」
「お前はなんて名前なんだ?」
「ガクッ…………し、知らないで助けて
くれたのかしら?」
「ああ。白い修道服の奴に絡まれてるの
かと思って。オイラ達は今、そいつらを
倒して回っているんだ」
「そ、そうなの。まぁ、逆に下心なしで
助けてくれたという点では好印象なのか
もしれないわね……………ちなみにだけ
ど、その修道服の集団の名前とかって分
かるかしら?」
「ん?"聖義の剣"だろ?」
「ま、負けた!?私の知名度がそんなぽ
っと出の集団なんかに………………SSラ
ンク冒険者だからって自惚れてたのかし
ら」
「えっ!?お前、SSランク冒険者なの
か?」
「それすら知られていなかった!?一体
何だと思っていたのかしら!?」
「いや、か弱い一般人が標的になってい
るのかとばかり」
「冒険者とすら思われてなかった!?
も、もう何なのよ、これ!せっかく七罪
"色欲"のペンネとかいうのを倒して、
さらにはこんな素敵な人にも出逢えたっ
ていうのに………………ボソッ」
「でも、勘違いしても仕方がねぇと思う
よ」
「え?」
「なんかお前、神聖な雰囲気がするし可
愛いさと綺麗さの両方を兼ね備えた美貌
もある。さらにオイラみたいなのが下手
に触れてしまえば、壊れちゃいそうなぐ
らい儚げでとっても素敵だと思うぞ」
「え、え、え~~っ!?ち、ち、ちょっ
と待って!?わ、私が?ほ、本当に?」
「ああ」
「そ、そ、そんな急に言われても心の準
備が………………あ、そうだわ!よ、よろ
しければ、もう一度さっきの台詞を仰っ
て下さらない?」
「え?何でだ?」
「だ、だ、だってそんなこと言われるな
んて思ってもみなかったから、魔道具の
準備もしていなかったし、それ
に……………きゅ~~~~」
「お、おい!しっかりしろ!いきなり倒
れてどうしたんだ!?それに顔が真っ赤
だぞ!」
「これも全てあなたのせいよ…………」
「は?何でだよ!?」
「と、とにかく後日、きっちりとお礼に
向かわせてもらうわ」
「お、おう。まぁ、その前にあそこで突
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「あなたなら、大丈夫よ。ほら、さっさ
と行ってきなさい」
「おう!じゃあな!」
「ちょっと待ちなさいよ!」
「いや、何でだよ!今、送り出してくれ
ただろ!」
「私がまだ名乗ってないじゃない!それ
なのによく行けるわね」
「うわ~なんか面倒臭いぞ、こい
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「聞こえているわよ」
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最も身近な存在になる名前なんだから。
私の名はケリュネイア。周りからは"麗
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「いや、オレはそんなこと言ってないん
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「情緒が凄いでやすね。まぁ、"大風"
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「………………まぁな。随分と珍しいもの
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ってきやす」
「………………おい、"巨腕"!」
「はい?」
「が、頑張れよ…………」
「ははっ。可愛いところもあるんでやす
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「う、うるさい!とっとと行ってやられ
てこい!!」
「ふぅ~………………悪い、助かったわ。
ありがとな」
「いえいえ」
「にしても相手の剣撃を止めた腕前、流
石は噂通りの剣士だな」
「いえいえ。ワタクシなどまだまだです
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「謙遜はよせよ。あの化け物だらけのク
ランの中で幹部候補生ってだけでも凄い
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「恐れ多いことですわ」
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「はい?」
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「そうなんだよ!獣人族のみで構成され
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としても貴方のところには入りませんか
ら。ワタクシにとっての一番は常にシン
ヤ様だけですわ」
「…………こりゃ、完敗だな。ってか、
そんだけ想われてるシンヤは幸せ者だ」
「他人事ではなくてよ。貴方も同じよう
な想いをお持ちだと思うのですけど」
「っ!?ど、どういう意味かな~?」
「まぁ、どうでもいいですけど」
「いいんかい!…………こほんっ。とに
かく、さっきはありがとう。次はお前の
番だな。頑張れよ」
「はい。行ってきますわ。あそこでやけ
に焦っているのが相手でいいんですわよ
ね?」
「ああ」
「では一瞬で片をつけてきますわね」
颯爽と歩き出すリーゼの後ろ姿は見る者
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