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第11章 軍団戦争
第202話 遊撃部隊
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フリーダムの"黒天の星"クランハウス。その地下にある訓練場には現在、2人の少女が緊張した面持ちで立っていた。うっすらと赤くなった頬、流れる冷や汗、そして乱れる呼吸。それは彼女達にとって、今日がいかに大事な日なのかを顕著に表していた。対するは向かい合う6人の少女達。一方の彼女達は特に緊張感もなく、ごく自然体でその場に立っていた……………すると痺れを切らしたのか、6人の中からリーダーである少女が前へと1歩踏み出し、目で2人に対して何事かを訴えかけた。
「っ!!…………カンパル王国出身、セントラル魔法学院元生徒のセーラと申します!どうぞよろしくお願い致します!」
「操政国家ファンドランの元勇者、サクヤ・キリハラと申します!よろしくお願い致します!」
「"黒天の星"遊撃部隊隊長のカーラよ。あなた達のことは事前に聞かせてもらったわ。これから、よろしくね」
「「はいっ!!」」
「まず確認なんだけど、チュートリアルは受講済みってことでいいのよね?」
「はい!戦闘面に関しては学院在籍時に。その他のことはサクヤさんと一緒のタイミングでお聞きしました」
「私はこの間、初めて受講させて頂きました。何から何まで新鮮で非常にびっくりしました」
「ということはシンヤ様達の事情も既に?」
「「はいっ!!存じております」」
「だとしたら、驚いたでしょう?特にシンヤ様はサクヤと同じような境遇だから」
「はい!より尊敬の念が深まりました!」
「あなたも大変だったわね。よく今日まで頑張ったわ」
そう言って徐にサクヤを抱き締めるカーラ。彼女の表情はとても慈愛に満ちたものだった。
「そ、そんなことありませんよ!わ、私なんかよりもシンヤ様の方がずっと…………」
「痛みや辛さの大小なんて比べる必要はないわ。あなたは苦しんで大変な思いをした。それは確かよ。それがたとえ、あなたの中でであったとしても」
「は…………い。すみません……………うっ。ひぐっ」
「こういう時は我慢しなくていいのよ。ほら、私の胸を貸してあげるから」
「ず、ずみまぜん…………うっ…………うわあぁぁぁ~ん」
その日、1人の少女は泣いた。自分がこれから世話になる上司の暖かく優しい心遣いによって、心の奥底に溜まっていたものを少しずつ吐き出すように……………
「落ち着いた?」
「はい。お見苦しいところをお見せして、すみませんでした」
「そんなの別にいいわよ。私がしたことはちょっとしたアフターケアみたいなものなんだから。どうせ、事前にシンヤ様があなたのフォローはしているんだろうし」
「あれ?何で知っているんですか?」
「シンヤ様がそういう方だからよ。現に私達も同じように恩寵を受けたわ」
「むっ……………私よりもシンヤ様について全然詳しいなんて……………それに同じような経験をされた方が他にもいたとは」
「それは考えても仕方のないことね。付き合いの長さによるものだろうし。まぁ、ここに長くいれば次第にあの方のことは分かってくると思うわ」
「はい。1日でも早く成長し、シンヤ様のお役に立ちたいと思います……………あと日々の暮らしも詳しく観察しなければ」
「なんか危険な匂いがするんだけど………………大丈夫?前者と後者の優先順位が入れ替わったりしない?」
「だ、大丈夫です!自制は得意です!」
「いや、胸を張って言われても。あと"自炊は得意"みたいな言い方しないで」
「あの……………私の存在、忘れられてませんか?」
「あぁ、ごめんなさい。もちろん、あなたも歓迎するわ、セーラ」
「よろしくお願い致します!キャラが薄くならないように頑張ります!」
「あなたもあなたで一体どこを目指そうとしてんのよ」
その後、和気藹々とした雰囲気で自己紹介をし合う面々。そこにはたった数十分の間で仲を深めた美しい少女達がいたのだった。
「っ!!…………カンパル王国出身、セントラル魔法学院元生徒のセーラと申します!どうぞよろしくお願い致します!」
「操政国家ファンドランの元勇者、サクヤ・キリハラと申します!よろしくお願い致します!」
「"黒天の星"遊撃部隊隊長のカーラよ。あなた達のことは事前に聞かせてもらったわ。これから、よろしくね」
「「はいっ!!」」
「まず確認なんだけど、チュートリアルは受講済みってことでいいのよね?」
「はい!戦闘面に関しては学院在籍時に。その他のことはサクヤさんと一緒のタイミングでお聞きしました」
「私はこの間、初めて受講させて頂きました。何から何まで新鮮で非常にびっくりしました」
「ということはシンヤ様達の事情も既に?」
「「はいっ!!存じております」」
「だとしたら、驚いたでしょう?特にシンヤ様はサクヤと同じような境遇だから」
「はい!より尊敬の念が深まりました!」
「あなたも大変だったわね。よく今日まで頑張ったわ」
そう言って徐にサクヤを抱き締めるカーラ。彼女の表情はとても慈愛に満ちたものだった。
「そ、そんなことありませんよ!わ、私なんかよりもシンヤ様の方がずっと…………」
「痛みや辛さの大小なんて比べる必要はないわ。あなたは苦しんで大変な思いをした。それは確かよ。それがたとえ、あなたの中でであったとしても」
「は…………い。すみません……………うっ。ひぐっ」
「こういう時は我慢しなくていいのよ。ほら、私の胸を貸してあげるから」
「ず、ずみまぜん…………うっ…………うわあぁぁぁ~ん」
その日、1人の少女は泣いた。自分がこれから世話になる上司の暖かく優しい心遣いによって、心の奥底に溜まっていたものを少しずつ吐き出すように……………
「落ち着いた?」
「はい。お見苦しいところをお見せして、すみませんでした」
「そんなの別にいいわよ。私がしたことはちょっとしたアフターケアみたいなものなんだから。どうせ、事前にシンヤ様があなたのフォローはしているんだろうし」
「あれ?何で知っているんですか?」
「シンヤ様がそういう方だからよ。現に私達も同じように恩寵を受けたわ」
「むっ……………私よりもシンヤ様について全然詳しいなんて……………それに同じような経験をされた方が他にもいたとは」
「それは考えても仕方のないことね。付き合いの長さによるものだろうし。まぁ、ここに長くいれば次第にあの方のことは分かってくると思うわ」
「はい。1日でも早く成長し、シンヤ様のお役に立ちたいと思います……………あと日々の暮らしも詳しく観察しなければ」
「なんか危険な匂いがするんだけど………………大丈夫?前者と後者の優先順位が入れ替わったりしない?」
「だ、大丈夫です!自制は得意です!」
「いや、胸を張って言われても。あと"自炊は得意"みたいな言い方しないで」
「あの……………私の存在、忘れられてませんか?」
「あぁ、ごめんなさい。もちろん、あなたも歓迎するわ、セーラ」
「よろしくお願い致します!キャラが薄くならないように頑張ります!」
「あなたもあなたで一体どこを目指そうとしてんのよ」
その後、和気藹々とした雰囲気で自己紹介をし合う面々。そこにはたった数十分の間で仲を深めた美しい少女達がいたのだった。
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