196 / 416
第10章 セントラル魔法学院
第196話 軍団会議
しおりを挟む
「遅れました~」
「遅い!今まで一体、どこをほっつき歩いていたんだ!」
「さーせん」
「それが謝罪する者の態度か!」
「まぁ、落ち着けよ」
「し、しかし!」
「お前の気持ちも分からんでもないが、その自由さがギヴンの良いところでもある。だから許してやれ」
「ぐっ……………は、はい。おい、ギヴン!これ以上、失礼なことをしたら許さないからな!お前も今日が大事な日だということは分かっているはずだ」
「分かってますって~ブレス様の温情に感謝~」
「くっ…………頼むから、これ以上余計なことを言って俺の顔に泥を塗らんでくれ」
「了解っす!マスター!」
「コホンッ。では全員揃ったようなので今から"軍団会議"を始めたいと思います。本日、進行を務めさせて頂くスフラです。よろしくお願い致します」
「は~い!よろしくっす!」
「ギヴン!」
「落ち着けって。いいじゃねぇか。威勢があって」
「で、ですが!」
「俺がいいって言ってんだから、いいんだよ。それに何かあったら、ちゃんとクランマスターであるお前が責任取ってくれるんだろ?」
「それはそうですが…………」
「それにこんな一返事にいちいち突っ掛かってたら、身が持たねぇぞ。あいつ、この後もずっとこんな調子だろうしな」
「……………分かりました。ブレス様のお言葉に甘えさせてもらいます」
「おぅよ!っとスフラ、悪かったな。続けてくれ」
「はい。では続けさせて頂きます。今回の会議ですが議題の重要度を鑑みて、傘下の全クランのマスターと幹部の方々にお集まり頂きました。本日はお忙しい中、ご足労ありがとうございます」
「別にいいっすよ!ちょうど暇してたんで!」
「ぐっ…………」
「今回の議題内容ですが、とある軍団に関するものです」
「とある………」
「軍団…………?」
「皆さんは"黒の系譜"という軍団をご存知ですか?」
「いや、知っているも何も今、着実に知名度と実力を伸ばしている軍団ですよね?」
「同業者ならば一度は耳に入っていてもおかしくはない。それがたとえ遠くにいたとしてもな」
「なんせ、あの英雄がトップにいる軍団ですからね」
「そうです。皆さんが仰った通り、現在最も注目を集めているといっても過言ではない軍団です」
「で、それがどうかしたんですか?」
「……………彼らは日々進化しています。それは何も"黒締"や"銀狼"・"金耳"だけではありません。幹部はもちろんのこと、それより下のクランメンバーですら、個々の戦闘力は凄まじいものがあります。そして、傘下もまたそこに触発されたのか、実力をつけ、各地で大活躍を果しているようです」
「な、なるほど」
「我々はこの状況に対して、もう少し真剣に考えた方がいいのではないか……………ブレス様はそのように仰いました。その結果、出てきた答えが」
「あいつらをぶっ潰すってことだ」
「えっ!?」
「なっ!?」
「楽しくなってきたっすね~」
「正気ですか!?」
「ああ。冗談でもなんでもねぇ。この考えに賛同できない、もしくは恐怖から尻尾を巻いて逃げ出したいって奴は名乗りでろ」
「えっ」
「じ、じゃあ…………」
「そういう奴は今すぐ傘下を降りてもらう」
「う、嘘だろ!?」
「何っ!?」
「そんな生温い関係じゃねぇだろ、俺達は。甘い汁だけ吸えるなんて思ったら、大間違いだ」
「「「「「………………」」」」」
「じゃあ、覚悟のできた奴からこの書類にサインしろ。より詳しいこともその時に話す。準備も色々と大変だろうからなぁ」
男はそこで部屋中をぐるりと見回してから、少し間をおいて、こう言った。
「本当に楽しみだ……………調子に乗ったあいつらを完膚なきまでに潰す、その時が」
「遅い!今まで一体、どこをほっつき歩いていたんだ!」
「さーせん」
「それが謝罪する者の態度か!」
「まぁ、落ち着けよ」
「し、しかし!」
「お前の気持ちも分からんでもないが、その自由さがギヴンの良いところでもある。だから許してやれ」
「ぐっ……………は、はい。おい、ギヴン!これ以上、失礼なことをしたら許さないからな!お前も今日が大事な日だということは分かっているはずだ」
「分かってますって~ブレス様の温情に感謝~」
「くっ…………頼むから、これ以上余計なことを言って俺の顔に泥を塗らんでくれ」
「了解っす!マスター!」
「コホンッ。では全員揃ったようなので今から"軍団会議"を始めたいと思います。本日、進行を務めさせて頂くスフラです。よろしくお願い致します」
「は~い!よろしくっす!」
「ギヴン!」
「落ち着けって。いいじゃねぇか。威勢があって」
「で、ですが!」
「俺がいいって言ってんだから、いいんだよ。それに何かあったら、ちゃんとクランマスターであるお前が責任取ってくれるんだろ?」
「それはそうですが…………」
「それにこんな一返事にいちいち突っ掛かってたら、身が持たねぇぞ。あいつ、この後もずっとこんな調子だろうしな」
「……………分かりました。ブレス様のお言葉に甘えさせてもらいます」
「おぅよ!っとスフラ、悪かったな。続けてくれ」
「はい。では続けさせて頂きます。今回の会議ですが議題の重要度を鑑みて、傘下の全クランのマスターと幹部の方々にお集まり頂きました。本日はお忙しい中、ご足労ありがとうございます」
「別にいいっすよ!ちょうど暇してたんで!」
「ぐっ…………」
「今回の議題内容ですが、とある軍団に関するものです」
「とある………」
「軍団…………?」
「皆さんは"黒の系譜"という軍団をご存知ですか?」
「いや、知っているも何も今、着実に知名度と実力を伸ばしている軍団ですよね?」
「同業者ならば一度は耳に入っていてもおかしくはない。それがたとえ遠くにいたとしてもな」
「なんせ、あの英雄がトップにいる軍団ですからね」
「そうです。皆さんが仰った通り、現在最も注目を集めているといっても過言ではない軍団です」
「で、それがどうかしたんですか?」
「……………彼らは日々進化しています。それは何も"黒締"や"銀狼"・"金耳"だけではありません。幹部はもちろんのこと、それより下のクランメンバーですら、個々の戦闘力は凄まじいものがあります。そして、傘下もまたそこに触発されたのか、実力をつけ、各地で大活躍を果しているようです」
「な、なるほど」
「我々はこの状況に対して、もう少し真剣に考えた方がいいのではないか……………ブレス様はそのように仰いました。その結果、出てきた答えが」
「あいつらをぶっ潰すってことだ」
「えっ!?」
「なっ!?」
「楽しくなってきたっすね~」
「正気ですか!?」
「ああ。冗談でもなんでもねぇ。この考えに賛同できない、もしくは恐怖から尻尾を巻いて逃げ出したいって奴は名乗りでろ」
「えっ」
「じ、じゃあ…………」
「そういう奴は今すぐ傘下を降りてもらう」
「う、嘘だろ!?」
「何っ!?」
「そんな生温い関係じゃねぇだろ、俺達は。甘い汁だけ吸えるなんて思ったら、大間違いだ」
「「「「「………………」」」」」
「じゃあ、覚悟のできた奴からこの書類にサインしろ。より詳しいこともその時に話す。準備も色々と大変だろうからなぁ」
男はそこで部屋中をぐるりと見回してから、少し間をおいて、こう言った。
「本当に楽しみだ……………調子に乗ったあいつらを完膚なきまでに潰す、その時が」
0
お気に入りに追加
581
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
ギルドから追放された実は究極の治癒魔法使い。それに気付いたギルドが崩壊仕掛かってるが、もう知らん。僕は美少女エルフと旅することにしたから。
yonechanish
ファンタジー
僕は治癒魔法使い。
子供の頃、僕は奴隷として売られていた。
そんな僕をギルドマスターが拾ってくれた。
だから、僕は自分に誓ったんだ。
ギルドのメンバーのために、生きるんだって。
でも、僕は皆の役に立てなかったみたい。
「クビ」
その言葉で、僕はギルドから追放された。
一人。
その日からギルドの崩壊が始まった。
僕の治癒魔法は地味だから、皆、僕がどれだけ役に立ったか知らなかったみたい。
だけど、もう遅いよ。
僕は僕なりの旅を始めたから。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる