俺は善人にはなれない

気衒い

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第7章 vsアスターロ教

第93話 アスターロ教"教主"ランギル

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――――――――――――――――――――

アスカ・オリモト
性別:女 種族:半神 年齢:18歳

Lv 55
HP 27500/27500
MP 27500/27500
ATK 27500
DEF 27500
AGI 27500
INT 27500
LUK 27500

固有スキル
幻惑・記憶操作・限界突破・魔の境地・守護神・叡智・サイボーグ・炎熱操作・戦士の誓い・透過・明鏡止水・???

武技スキル
刀剣術:Lv.MAX
体術 :Lv.MAX

魔法
全属性魔法

装備
黒衣一式(神級)
漆黒の薙刀イワトオシ(覇王級)

称号
異世界からの来訪者・運の女神の加護・ご都合主義・迷い込みし者・大和撫子・傅く者・恋する乙女・従者の心得・武神・魔神・魔物キラー・盗賊キラー・後輩の姿勢

――――――――――――――――――――

ランギル
性別:男 種族:改造人間 年齢:55歳

Lv 70
HP 20000/20000
MP 20000/20000
ATK 20000
DEF 20000
AGI 20000
INT 20000
LUK 20000

固有スキル
サイボーグ・魔の領域・明鏡止水

武技スキル
剣術 :Lv.7
体術 :Lv.7

魔法
火魔法 :Lv.8
水魔法 :Lv.3
土魔法 :Lv.3
風魔法 :Lv.4
氷魔法 :Lv.4
雷魔法 :Lv.4
光魔法 :Lv.3
闇魔法 :Lv.7
無魔法 :Lv.7
空間魔法:Lv.5

称号
邪神の加護・教主・利用する者・画策する者

――――――――――――――――――――





「着いたな。ここがアスターロ教の本部か」

そこは人族領と獣人領の間に位置する場所だった。この世界ではそれぞれの種族が支配している土地を~領という言い方で表している。別に人族領だからといって他の種族が住んでいない訳ではないし、それによって不当な差別や偏見を被ることがあってはならない。現にフリーダムやシリスティラビンは人族領だが、多種多様な種族が入り乱れ、共存を掲げて暮らす者も多い。話が少し逸れたが、アスターロ教の本部は領と領のちょうど境目とも言うべき場所に存在していた。目測での高さはおよそ10m。禍々しい魔力を放つその建物は一体魔法で作られたものなのか、それとも人の手が加わってできたものなのかは定かではないが、その威容は不気味で悪趣味なことに変わりはない。周りには結界が張られており、侵入者や敵意のある者を弾く仕組みとなっているが今、目の前に立っている者達にとっては当然そんなオモチャが通用するはずもなかった。

「私がやります…………"断界薙"!」

音を立てて壊れていく結界。もし、この現場に教徒がいたならば、ひどく驚き狼狽するところだが、幸いというべきか周りに人は誰もいなかった………………完全に結界が壊れるまでは。

「何か巨大な気配を感じて来てみれば……………まだフリーダムにいるはずのお前らが何故、ここに……………」

「よぉ、お前が例のランギルとかいう泥主か。どうだったよ?フリーダムでの余興は」

「貴様…………!!」

「にしてもよくこんな場所に今まで本部を隠していたもんだ。おかげでフリーダムからここまで1時間も掛かかっちまったよ」

「一体何をしに来たという質問は愚問か」

「だな」

「ではいざ尋常に死合おうぞ!覚悟しろ、"黒締"!!」

「は?何勘違いしてんだ?」

「ん?」

「いつ俺がお前と戦うなんて言った?こっちにも選ぶ権利があるんですけどぉ~」

「な、何!?」

「ぷぷっ、恥ずかしいな。何か得意気に決め台詞みたいなのほざいてたな?あれは何て言ってたんだ?」

「う、うるさい!!」

「ランギルちゃ~ん、教えてくれよ~。よく聞こえなかったんだよ~」

「貴様!どこまで俺を馬鹿にすれば気が済む!」

「ってことで予定通り……………アスカ、ここは任せた」

「はい」

「貴様!逃げる気か!許さ…………っ!!」

「一体、どこを見ているんでしょうか?あなたの相手はこの私ですよ?」

「この殺気…………貴様は確か幹部の…………」

「あなたのお相手を任された理由がもうお分かりでしょう?シンヤさんはあなたと違ってお忙しいんです。あまりお手を煩わせないで下さい」

「つまり、奴の考えとしてはわざわざ自分が相手をするまでもないと」

「ショックですか?それとも悔しいですか?どちらにしてもそんな感情を抱く必要はありません。あなたと私達のリーダーでは強さも器も思考も行動も顔もスタイルも何もかも違いすぎますから。蟻と象を比べること程、無駄なことはないでしょう?」

「貴様らはどこまで俺を侮辱すれば気が済むんだ」

「あなた方はどこまで無関係な人々を巻き込めば気が済むんですか?」

「ああ言えばこう言いおって………………口の減らん娘だ」

「ああ言われなければ、こう言いません」

「ぐぬっ…………もう限界だ」

「ああ、トイレですか?それなら、ご自由に。その間に私は失礼させて頂いて…………」

「"サイボーグ"、"魔の領域"、"明鏡止水"同時発動!!ふんっ、隙を見せたな!くらえ!"飛雷斬"!!」

シンヤとアスカの煽りによって怒りのボルテージが最高潮にまで達していたランギル。しかし、その怒りに呑まれる寸前、アスカの隙を見出すことでどうにか持ち直し自身の最高火力の攻撃を放つことに成功した。轟音が辺りに鳴り響き、砂煙が立ち込める中、ランギルはほくそ笑んだ。確かに先程の殺気や隙のない構えは中々のものであり、自身よりも格上の相手だと思わせるのに十分だった。しかし、どんな強者であろうと自身の実力に驕り、警戒を怠れば、いくら格下の相手だとしても足元を掬われかねないのは自明の理。ましてや戦場において、敵の目の前で油断や慢心をするなど以ての外である。

「馬鹿が!調子に乗っているから、こうなる!あの世で自らの行いを悔いるんだな…………さて、余計な時間を食ったな。急いで奴らを……………ぐはっ!な、何だ!?こ、この焼けるような痛みは……………って…………な、な、無い!お、俺の左腕が…………!!い、いつの間に…………っ!!」

その時だった。先程の殺気がお遊びだと思えるような程、より濃密で練度の高い殺気がランギルの身体を駆け抜けたのは……………ここで生まれて初めてランギルは"死"というものの恐怖を実感することとなった。身体の震えが止まらないのは何も腕からの出血多量だけが原因ではない。圧倒的強者に対する恐怖とこの先、自分が辿るだろう結末を想像してのものだった。

「わざと隙を見せたら、まんまと引っかかりましたね。油断などする訳がないでしょう?警戒を怠ったことなんて、今まで一度もありません。驕り?食事でしたら、大歓迎ですよ」

「う、う、嘘だろ…………こんな化け物、俺にどうしろっていうんだ」

「腕一本で済んだことを感謝して下さいね?あなたの攻撃があまりにもトロくて、わざと手加減しているのかと思いました……………ちなみにあの一瞬で本来なら10回は亡くなってますよ?」

「………………」

「遂に言葉すら発さなくなりましたか…………まぁ、いいです。どの道、あなたの辿る結末は決まっていますから……………これまで随分と胸糞が悪くなることをしてきたみたいですからね……………無関係な人々だけでなく、味方にも。特に幹部の方々にしてきたことは擁護のしようがないです」

「な、何故、それを……………」

「あなたの記憶を覗かせてもらいました。私のスキルで」

「…………ははっ、こりゃ参った。俺達はとんでもない者達を相手にしようとしていたようだ」

「あの世で自らの行いを悔いるのはあなたの方です……………最期に言い残す言葉はありますか?」

「……………確かにこの戦いは我らアスターロ教の負けであろう。だが、邪神が復活してしまえば、そうも言っていられなくなる!覚悟しろ!きっと後悔することになるぞ!貴様らなど、あの御方の手にかかれば……………っ!?」

 

その時だった。一際強い魔力の波動が辺りに広がり、眩むような強烈な閃光が目を焼いたのは……………
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