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第7章 vsアスターロ教
第91話 "研究所統括責任者"ズボラ
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フリーダムにて、ブロンを解放し、アスターロ教への宣戦布告を行ったシンヤ達。まだ混乱している人々が多数いる中、まずは自身や街の人々を救ってくれたシンヤ達にお礼を言おうとブロンは口を開いた。
「お主ら、助けてくれてありがとう。そして、済まんかった………………ワシが不甲斐ないばかりに」
「何かあったら、連絡しろと言ったのは俺の方だ。気にするな」
「連絡……………?はて?ワシは通信の魔道具を取り上げられていたはずじゃが…………」
「それを預かり持っていたのが運良く俺の友人でな……………俺の方に連絡を寄越してくれたんだ。自分の危険も顧みずな」
「ま、まさか!?」
「そう。お前の想像通りの人物だ…………出てこい」
シンヤがそう言うとブロンのすぐ側にある人物が姿を現した。何もないところから急に現れたように感じたブロンはかなり驚いたがこれはシンヤの固有スキルである"透過"を使い、今まで姿を隠していたのだ。
「ブロン様、よくぞご無事で」
「お主の方こそ……………無事じゃったか!心配しておったぞ、ミームよ!」
「ええ、この通りピンピンしております!これも全てはシンヤ様のおかげでございます」
「そうか……………それにしても随分と無茶をしよる。バレてしまえば、最悪死は免れないぞ」
「どの道、邪神が復活してしまえば一緒でしょう。ならば、少しでも可能性のある方に賭けたくもなります」
「ということは…………シンヤ、お主」
「ああ…………今から、アスターロ教の本部に乗り込み、邪神の復活を阻止する。その為に場所も聞いたんだしな」
「くれぐれも気を付けるんじゃぞ!それと…………世界を頼む」
「ちょっと待て。俺を勇者か何かと勘違いしてないか?俺は世界の為とかで動く訳じゃない。単純にアイツらがむかつくから、邪魔してやりたいと思ってるだけだ」
「ブロン様、こう言ってますが?」
「全く、素直じゃないのぅ」
「同感です」
「ツンデレなんですわ」
「可愛いですね~」
「お前らまで…………この一件が片付いた後は覚悟しろよ?」
「「「「「怖っ!!!!!」」」」」
――――――――――――――――――――
「よし、これで自動供給モードに入った……………あとは必要な物を持って出るだけか」
アスターロ教本部の研究所。研究員の中で一番偉い立場にある男、ズボラは小さく呟くと頭を次の予定へとシフトさせていた。この研究所は邪神を復活させるのに必要な"魂"と呼ばれる負のエネルギーを集め、留めておく場所である。中央には巨大な魔法陣が設置されており、それを覆うように結界が施されている。また周囲には何か非常事態が起きた時に使用する制御や観察用の装置があり、そこからは様々な魔道具に繋がるケーブルのようなものが伸び、それらが複雑に絡み合っていて足の踏み場もない状態だ。各地で教徒が集めている魂は全てここに集約され、その供給率が100%に達した瞬間、邪神が復活するという仕組みである。
「あれ?ズボラさん、どうしたんですか?身支度なんかして…………」
「少し出かける用事があってね……………あ、そうだ。今、自動供給モードに切り替えたから、緊急時以外は装置を触らなくて大丈夫なようになってるから。それでも何か困ったことがあったら、僕に連絡して」
「分かりました。ちなみにいつ頃、お戻りになられますか?」
「ん~用事の内容にもよるけど……………早くて3時間くらいかな」
「そうですか。では私は引き続き作業に戻りますね」
「頼むよ。じゃあ、僕は行ってくるね」
「行ってらっしゃいませ」
これが研究員とズボラの交わした最後の会話となった。
「お主ら、助けてくれてありがとう。そして、済まんかった………………ワシが不甲斐ないばかりに」
「何かあったら、連絡しろと言ったのは俺の方だ。気にするな」
「連絡……………?はて?ワシは通信の魔道具を取り上げられていたはずじゃが…………」
「それを預かり持っていたのが運良く俺の友人でな……………俺の方に連絡を寄越してくれたんだ。自分の危険も顧みずな」
「ま、まさか!?」
「そう。お前の想像通りの人物だ…………出てこい」
シンヤがそう言うとブロンのすぐ側にある人物が姿を現した。何もないところから急に現れたように感じたブロンはかなり驚いたがこれはシンヤの固有スキルである"透過"を使い、今まで姿を隠していたのだ。
「ブロン様、よくぞご無事で」
「お主の方こそ……………無事じゃったか!心配しておったぞ、ミームよ!」
「ええ、この通りピンピンしております!これも全てはシンヤ様のおかげでございます」
「そうか……………それにしても随分と無茶をしよる。バレてしまえば、最悪死は免れないぞ」
「どの道、邪神が復活してしまえば一緒でしょう。ならば、少しでも可能性のある方に賭けたくもなります」
「ということは…………シンヤ、お主」
「ああ…………今から、アスターロ教の本部に乗り込み、邪神の復活を阻止する。その為に場所も聞いたんだしな」
「くれぐれも気を付けるんじゃぞ!それと…………世界を頼む」
「ちょっと待て。俺を勇者か何かと勘違いしてないか?俺は世界の為とかで動く訳じゃない。単純にアイツらがむかつくから、邪魔してやりたいと思ってるだけだ」
「ブロン様、こう言ってますが?」
「全く、素直じゃないのぅ」
「同感です」
「ツンデレなんですわ」
「可愛いですね~」
「お前らまで…………この一件が片付いた後は覚悟しろよ?」
「「「「「怖っ!!!!!」」」」」
――――――――――――――――――――
「よし、これで自動供給モードに入った……………あとは必要な物を持って出るだけか」
アスターロ教本部の研究所。研究員の中で一番偉い立場にある男、ズボラは小さく呟くと頭を次の予定へとシフトさせていた。この研究所は邪神を復活させるのに必要な"魂"と呼ばれる負のエネルギーを集め、留めておく場所である。中央には巨大な魔法陣が設置されており、それを覆うように結界が施されている。また周囲には何か非常事態が起きた時に使用する制御や観察用の装置があり、そこからは様々な魔道具に繋がるケーブルのようなものが伸び、それらが複雑に絡み合っていて足の踏み場もない状態だ。各地で教徒が集めている魂は全てここに集約され、その供給率が100%に達した瞬間、邪神が復活するという仕組みである。
「あれ?ズボラさん、どうしたんですか?身支度なんかして…………」
「少し出かける用事があってね……………あ、そうだ。今、自動供給モードに切り替えたから、緊急時以外は装置を触らなくて大丈夫なようになってるから。それでも何か困ったことがあったら、僕に連絡して」
「分かりました。ちなみにいつ頃、お戻りになられますか?」
「ん~用事の内容にもよるけど……………早くて3時間くらいかな」
「そうですか。では私は引き続き作業に戻りますね」
「頼むよ。じゃあ、僕は行ってくるね」
「行ってらっしゃいませ」
これが研究員とズボラの交わした最後の会話となった。
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