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第3章 動き出す陰謀
第39話 陰謀
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「これは………伝書鳩か。ふむふむ………なるほど、遂に来たか。では手筈通りに」
「他の地に潜伏する仲間達も動き出していると………ではこちらもそのように」
「了解でゲス。やるでゲスよ」
「オラ達、痛いのは嫌だぞ」
「全てはアスターロ様の名の下に」
――――――――――――――――――――
「おい、ズボラ!伝書鳩はちゃんと飛ばしておいたんだろうな?」
「へい!言われたその日の内に」
「でかした!では今頃、各地に潜伏している教徒が動き出しているのか………ちなみに魂の供給率はどんな感じだ?」
「へい!34%ほどです!」
「う~む………少ないな。ならば、他の地へも本格的に教徒を送り込むか。となると一体、誰をどこに送り込むかだが………おい、ズボラ!"七腐苦人"を今すぐ招集しろ!」
「へい!」
――――――――――――――――――――
「おいおい、俺達を呼び寄せるたぁ、よっぽどじゃね?」
「あの男は一体、何を考えているのかしら?」
「そんなのオデに分かる訳ねぇど」
「あんたには聞いてないっつーの」
「み、みんな仲良くするですぅ~」
「とにかく、待つしかないんじゃない?」
「これもあの御方が与え賜うた試練だというのか」
「み、皆様!ランギル様が今、ご到着されたとのことです!しばし、お待ちを!」
「待たせたな。では幹部会議を行う。本日の議題だが、2点ほどある。まず、1つ目はこの度、新たに教徒を未踏の地へと送り込もうと思っているのだが、どこがいいのか。そして、2つ目はそこに一体、誰を送り込むのかである」
「未踏の地ねぇ………」
「誰か心当たり、あるかしら?」
「ん~………」
「私に聞かないでよ」
「あわわわっ……ど、どこでしょう」
「……………あ、思い出した」
「どうした?」
「いや、未踏の地ではないんだけど………フリーダムっていう街に潜伏している部下からの報告の中に気になるものがあったんだ」
「それは一体、何だ?」
「フリーダムっていうその街にはとんでもない冒険者がいるんだってさ」
――――――――――――――――――――
「いや~昨日の対抗戦、凄かったな」
「だよな…………ちなみにお前は誰が良かった?」
「そうだな………"緑偵"ドルツかな。あの短剣捌きは痺れたね」
「俺は断然、"桃幻鏡"スィーエルだわ。あんなに華奢で可憐そうなのに口は悪いわ、大剣使いだわで、もうギャップがたまらん!」
「俺は"紫円"レオナだな………あの無邪気さは守ってあげたくなるからな」
「でも、ギルマスに対しての最後の圧は正直、めちゃくちゃ怖くなかったか?映像越しでも伝わるものがあったぞ」
「確かにあれはビビったわ」
フリーダムの住民の間では昨日、行われたクラン対抗戦の話題で持ちきりだった。本人達の預かり知らぬ所で大盛り上がりする住民達。しかし、それも致し方ないのかもしれない。なぜなら、本人達に迷惑をかけてはならないと必要以上の接触をしないよう配慮していたし、何より彼らは娯楽に飢えていた。何年もずっと代わり映えのしない日常。別に不満はないが、かといって、充実しているという訳でもない。そんなところに彗星の如く現れた新人冒険者。それがただの冒険者などではなく、聞けば登録初日にAランクに上がり、これまで数々のいざこざを吹き飛ばし、遂に先日は街まで救ってくれた。そればかりか、その未知数の実力に懐疑的だった街の住民達を納得させる為、自ら対抗戦の映像を提供してくれたというのだ。それらを全て含めた上でフリーダムの住民達にとって、シンヤ達の存在は今や、とても大きなものとなり、感謝してもしきれないのである。この街で人気投票かなにかをすれば、間違いなく彼らの名前が上がり、1位から11位までをクランで独占することになるだろう。ちなみにそれほどの存在にまでなっているとは露程も思っていない彼らはというと、現在フリーダムにあるクランハウスの会議室にいた。
――――――――――――――――――――
「お前らに集まってもらったのは他でもない。今後の予定を言っておこうと思ってな」
「今後の予定ですか…………一体、何でしょう?」
「実はここを出て、別の場所へと行こうと思っている」
「別の場所?」
「ああ。俺が次に行きたいのは…………迷宮都市だ」
「他の地に潜伏する仲間達も動き出していると………ではこちらもそのように」
「了解でゲス。やるでゲスよ」
「オラ達、痛いのは嫌だぞ」
「全てはアスターロ様の名の下に」
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「おい、ズボラ!伝書鳩はちゃんと飛ばしておいたんだろうな?」
「へい!言われたその日の内に」
「でかした!では今頃、各地に潜伏している教徒が動き出しているのか………ちなみに魂の供給率はどんな感じだ?」
「へい!34%ほどです!」
「う~む………少ないな。ならば、他の地へも本格的に教徒を送り込むか。となると一体、誰をどこに送り込むかだが………おい、ズボラ!"七腐苦人"を今すぐ招集しろ!」
「へい!」
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「おいおい、俺達を呼び寄せるたぁ、よっぽどじゃね?」
「あの男は一体、何を考えているのかしら?」
「そんなのオデに分かる訳ねぇど」
「あんたには聞いてないっつーの」
「み、みんな仲良くするですぅ~」
「とにかく、待つしかないんじゃない?」
「これもあの御方が与え賜うた試練だというのか」
「み、皆様!ランギル様が今、ご到着されたとのことです!しばし、お待ちを!」
「待たせたな。では幹部会議を行う。本日の議題だが、2点ほどある。まず、1つ目はこの度、新たに教徒を未踏の地へと送り込もうと思っているのだが、どこがいいのか。そして、2つ目はそこに一体、誰を送り込むのかである」
「未踏の地ねぇ………」
「誰か心当たり、あるかしら?」
「ん~………」
「私に聞かないでよ」
「あわわわっ……ど、どこでしょう」
「……………あ、思い出した」
「どうした?」
「いや、未踏の地ではないんだけど………フリーダムっていう街に潜伏している部下からの報告の中に気になるものがあったんだ」
「それは一体、何だ?」
「フリーダムっていうその街にはとんでもない冒険者がいるんだってさ」
――――――――――――――――――――
「いや~昨日の対抗戦、凄かったな」
「だよな…………ちなみにお前は誰が良かった?」
「そうだな………"緑偵"ドルツかな。あの短剣捌きは痺れたね」
「俺は断然、"桃幻鏡"スィーエルだわ。あんなに華奢で可憐そうなのに口は悪いわ、大剣使いだわで、もうギャップがたまらん!」
「俺は"紫円"レオナだな………あの無邪気さは守ってあげたくなるからな」
「でも、ギルマスに対しての最後の圧は正直、めちゃくちゃ怖くなかったか?映像越しでも伝わるものがあったぞ」
「確かにあれはビビったわ」
フリーダムの住民の間では昨日、行われたクラン対抗戦の話題で持ちきりだった。本人達の預かり知らぬ所で大盛り上がりする住民達。しかし、それも致し方ないのかもしれない。なぜなら、本人達に迷惑をかけてはならないと必要以上の接触をしないよう配慮していたし、何より彼らは娯楽に飢えていた。何年もずっと代わり映えのしない日常。別に不満はないが、かといって、充実しているという訳でもない。そんなところに彗星の如く現れた新人冒険者。それがただの冒険者などではなく、聞けば登録初日にAランクに上がり、これまで数々のいざこざを吹き飛ばし、遂に先日は街まで救ってくれた。そればかりか、その未知数の実力に懐疑的だった街の住民達を納得させる為、自ら対抗戦の映像を提供してくれたというのだ。それらを全て含めた上でフリーダムの住民達にとって、シンヤ達の存在は今や、とても大きなものとなり、感謝してもしきれないのである。この街で人気投票かなにかをすれば、間違いなく彼らの名前が上がり、1位から11位までをクランで独占することになるだろう。ちなみにそれほどの存在にまでなっているとは露程も思っていない彼らはというと、現在フリーダムにあるクランハウスの会議室にいた。
――――――――――――――――――――
「お前らに集まってもらったのは他でもない。今後の予定を言っておこうと思ってな」
「今後の予定ですか…………一体、何でしょう?」
「実はここを出て、別の場所へと行こうと思っている」
「別の場所?」
「ああ。俺が次に行きたいのは…………迷宮都市だ」
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