9 / 29
失われた記憶
しおりを挟む
教皇の悪事を暴く鍵。
そう聞いてメリアンは慎重に頷いた。
7歳までの記憶は失われたが、神殿に監禁された5年の記憶はある。監禁されていた間の侯爵令嬢に対する仕打ちはあり得ないものだった。鞭打ちや食事制限、冬の滝行など拷問はあげればキリがない。おまけに埋め込まれた魔石も証拠になるだろう。悪魔との関わりを断ち切るといいう名目で体に傷をつけられたのだ。もちろんそれをいえば、自分が傷物令嬢というレッテルを貼られることにはなるが、どうせ悪魔付きと呼ばれているのだから大した違いはない。
そのことだけでも神殿を陥れることはできるかもしれないが、メリアンは自分の受けた所業について誰にも告げていなかった。両親は教皇を敬愛し神殿に洗脳されている状態だし、「悪魔付き」で「貧民街を壊滅させた犯人」である哀れな「罪人である子供を救済した」教皇を庇う声は多いだろう。
メリアンが批難の声を上げれば、また悪魔が蘇ったと言われかねない。そうなったらきっと今度は神殿ではなく牢に入れられるかもしれないし、処刑だってありうる。それに、何よりもあの地獄へ逆戻りはしたくないのだ。いかに反抗しようとも神殿の力は強く、メリアンは教皇の一言でどうとでもなるおもちゃなのだ。
「手はあるの?」
「ああ、大丈夫だ。さっきは油断したが、何が起こってるかわかっているだけに、打つ手はある。メリーは先ほどと同じように妊婦を助けて、風魔法で書類を飛ばしてくれ。後は俺がやる」
「……わかったわ」
「なんだ?不満か?」
「いいえ。ただ…その、メリーって…」
「あ…す、すまない。馴れ馴れしかったな……」
「う、いえ、その。別にいいのだけれど。わたくし、やっぱりあなたにあったことがあるのね?ジャック」
「……子供の頃の話だ。覚えていなくても別に構わない」
「あのね、わたくし……7歳までの記憶がないの。だからもしあなたに出会っていたのだとしたら、きっとその頃なのかと思って」
「記憶が、ない?」
まじまじとジャックに顔を覗き込まれたメリアンは、視線を泳がすとコホンと咳払いをした。なぜ、と聞かれたら過去を話さなければならなくなる。もし自分が貧民街を壊滅させた罪人だと知られたら。あるいは、傷物令嬢だと知られたら。
せっかくお近づきになれると思ったのに。またあの刺すような視線で睨まれたら。
「ええ…また今度詳しく話すわね。今はまず、この状況を打破しないと!」
「あ、ああ……」
話を誤魔化し、メリアンは風魔法を纏い、再度妊婦を助けることに集中した。盗人を捕縛し書類を風魔法で吹き飛ばして妊婦を助け、ギーの壺を割らないように店頭へ、と既に目を瞑っていてもできるとばかりに慣れた手つきでこなしていった。
ジャックも今回は素早く書類を集め直し、男に声をかける前に結界で捕縛、自爆の原因を探索魔法で素早く探した。その男は何重にも用意周到に自爆魔法を纏っていた。自爆というよりは、強制的にそうされていたのかもしれない。
ジャックは男の奥歯に仕込まれた爆破スイッチと体に書き込まれた自爆の魔法陣を無効にし、義眼に埋め込まれた情報伝達魔法陣を義眼をくり抜くことで解除した。この義眼の魔法陣を辿れば、黒幕がわかるに違いない。
視覚を奪われ、服を剥かれて無防備に晒された男は下履きと靴下に革靴という恥ずかしい格好で盗人ともども衛兵に手渡されたのだった。
一連の出来ことはおそらく5分とかかっておらず、何が起こったのかわからない人々は動きを止め、キョトンとしてその様子を見ていた。ジャックはそそくさとメリアンの背を押しその場を後にする。
「……なんて言うか、容赦ないわね…」
「すまないな。レディの目前で見苦しかったが、ああしないと魔法陣の解除に時間がかかりそうだったのでな。また同じことで死に戻りたくはなかったし」
「まあ、そうだけど。今回は死なずに済んだから、作戦は成功ということね」
「そうだな。では、王宮へ急ごうか。時間のロスはそれほどでもないはずだが、ルイ殿下があの落下物に出会うのだけは何としても阻止しなければ」
「そうね。行きましょう」
「今回は捕縛魔法は使わないから、メリ…メリアン嬢も身体強化を使ってほしい」
「ふふ。メリーでもいいわ。そう呼ばれていたのでしょう、わたくし?」
「……そう、だな。じゃあ、メリー。手を」
「ええ」
出された手にメリアンはそっと自身の手を乗せた。
エスコートではなく、子供のように手を握る。ジャックの手は思ったよりも大きく、メリアンの手をすっぽりと包み込んだ。少し気恥ずかしくて目を伏せたメリアンは、ジャックの耳が真っ赤に染まっていることに気が付かなかった。
再びフォンと耳鳴りがして、二人は王城の前にいた。ティアレアはまだ降りきっていないが、衛兵や騎士は降下地点で待機をするため、上へ下への騒ぎになっている。
メリアンはその集団をざっと見渡してみたが、その中にジョセフの姿はない。今回もあの路地裏の情婦の元にいるのだろう。今頃慌てて空を見上げているのに違いない。
――わたくしを殺す機会は失ったけど。
あんな破廉恥暴力男、誰がなんと言おうと絶対婚約破棄だわ、とメリアンは再度心に誓った。
魔導士達も聖女降臨のハプニングでバタバタしているところで、ジャックが声を張り上げた。
「団長!」
「おう、ジャックか!あれを見たか?」
「ええ、それについて話があります!緊急です!降りて来るのは建国かつて無いレベルの厄災の危険性があります!」
バタバタと走り回っていた騎士達も、魔導士達もギョッとして動きを止めた。
「あの異世界からの落下物は魅了の魔法、あるいは、未知の細菌を持っている可能性があり、魅了防御の魔法、精神異常回避の術を持たないものは近づくべきではありません!魔性の者である可能性もあり、聖騎士でも女神の加護のない騎士は避けるべきです!それと騎士と魔導士は出来るだけ女性を送ってください!異性に過剰反応を起こす可能性があります」
よく通るジャックの声は、その場にいた全員を硬直させた。僅かに拘束魔法を感じさせる。なるほど、とメリアンはチラリとジャックを見るが、ジャックはしれっとした顔で団長を見つめていた。
「王家と神殿は接近禁止令を今すぐ出してください!」
「ジャック、何を……っ」
魔導士団長は、顔を歪めて僅かに口を動かした。やはり拘束魔法を使っているのか。総勢100人はいるであろう騎士や魔導士を前に、メリアンは背筋が凍る思いだった。どれだけ魔力を保持しているのか。メリアンも魔力は多いし魔術にも理解もあるが、流石に魔導士を含めた100人に拘束魔法をかけることはできないだろう。ジャックが言った通り、拘束魔法は自身の魔力も使うのだが、団長ですら拘束されているのだ。いかにジャックの魔力が多いかわかるというもの。
「信じ難い話かもしれませんが、ここにいるメリアン・ドリュモア・ガーラント侯爵令嬢が今後起こる厄災の可能性を説明します。俺は陛下と王太子殿下に謁見を求めますので、彼女から詳しい話を聞いてください」
「その令嬢が落ちて来る人物を知っていると?」
「そうです。メリー、できるか?」
そこまではっきり答えたジャックは、メリアンに振り返り後を任せると言った。メリアンはこくりと頷き、魔導士団長と向き合った。
「初めまして。騎士、魔導士の皆様、魔導士団長様。わたくしは、メリアン・ドリュモア・ガーラントと申します。ガーランド侯爵家の長女でございます。これからお話しすることは、信じ難いかも知れませんが事実です。是非お時間をわたくしめにくださいませ」
メリアンは侯爵令嬢らしく優雅なカーテシーをした。
そう聞いてメリアンは慎重に頷いた。
7歳までの記憶は失われたが、神殿に監禁された5年の記憶はある。監禁されていた間の侯爵令嬢に対する仕打ちはあり得ないものだった。鞭打ちや食事制限、冬の滝行など拷問はあげればキリがない。おまけに埋め込まれた魔石も証拠になるだろう。悪魔との関わりを断ち切るといいう名目で体に傷をつけられたのだ。もちろんそれをいえば、自分が傷物令嬢というレッテルを貼られることにはなるが、どうせ悪魔付きと呼ばれているのだから大した違いはない。
そのことだけでも神殿を陥れることはできるかもしれないが、メリアンは自分の受けた所業について誰にも告げていなかった。両親は教皇を敬愛し神殿に洗脳されている状態だし、「悪魔付き」で「貧民街を壊滅させた犯人」である哀れな「罪人である子供を救済した」教皇を庇う声は多いだろう。
メリアンが批難の声を上げれば、また悪魔が蘇ったと言われかねない。そうなったらきっと今度は神殿ではなく牢に入れられるかもしれないし、処刑だってありうる。それに、何よりもあの地獄へ逆戻りはしたくないのだ。いかに反抗しようとも神殿の力は強く、メリアンは教皇の一言でどうとでもなるおもちゃなのだ。
「手はあるの?」
「ああ、大丈夫だ。さっきは油断したが、何が起こってるかわかっているだけに、打つ手はある。メリーは先ほどと同じように妊婦を助けて、風魔法で書類を飛ばしてくれ。後は俺がやる」
「……わかったわ」
「なんだ?不満か?」
「いいえ。ただ…その、メリーって…」
「あ…す、すまない。馴れ馴れしかったな……」
「う、いえ、その。別にいいのだけれど。わたくし、やっぱりあなたにあったことがあるのね?ジャック」
「……子供の頃の話だ。覚えていなくても別に構わない」
「あのね、わたくし……7歳までの記憶がないの。だからもしあなたに出会っていたのだとしたら、きっとその頃なのかと思って」
「記憶が、ない?」
まじまじとジャックに顔を覗き込まれたメリアンは、視線を泳がすとコホンと咳払いをした。なぜ、と聞かれたら過去を話さなければならなくなる。もし自分が貧民街を壊滅させた罪人だと知られたら。あるいは、傷物令嬢だと知られたら。
せっかくお近づきになれると思ったのに。またあの刺すような視線で睨まれたら。
「ええ…また今度詳しく話すわね。今はまず、この状況を打破しないと!」
「あ、ああ……」
話を誤魔化し、メリアンは風魔法を纏い、再度妊婦を助けることに集中した。盗人を捕縛し書類を風魔法で吹き飛ばして妊婦を助け、ギーの壺を割らないように店頭へ、と既に目を瞑っていてもできるとばかりに慣れた手つきでこなしていった。
ジャックも今回は素早く書類を集め直し、男に声をかける前に結界で捕縛、自爆の原因を探索魔法で素早く探した。その男は何重にも用意周到に自爆魔法を纏っていた。自爆というよりは、強制的にそうされていたのかもしれない。
ジャックは男の奥歯に仕込まれた爆破スイッチと体に書き込まれた自爆の魔法陣を無効にし、義眼に埋め込まれた情報伝達魔法陣を義眼をくり抜くことで解除した。この義眼の魔法陣を辿れば、黒幕がわかるに違いない。
視覚を奪われ、服を剥かれて無防備に晒された男は下履きと靴下に革靴という恥ずかしい格好で盗人ともども衛兵に手渡されたのだった。
一連の出来ことはおそらく5分とかかっておらず、何が起こったのかわからない人々は動きを止め、キョトンとしてその様子を見ていた。ジャックはそそくさとメリアンの背を押しその場を後にする。
「……なんて言うか、容赦ないわね…」
「すまないな。レディの目前で見苦しかったが、ああしないと魔法陣の解除に時間がかかりそうだったのでな。また同じことで死に戻りたくはなかったし」
「まあ、そうだけど。今回は死なずに済んだから、作戦は成功ということね」
「そうだな。では、王宮へ急ごうか。時間のロスはそれほどでもないはずだが、ルイ殿下があの落下物に出会うのだけは何としても阻止しなければ」
「そうね。行きましょう」
「今回は捕縛魔法は使わないから、メリ…メリアン嬢も身体強化を使ってほしい」
「ふふ。メリーでもいいわ。そう呼ばれていたのでしょう、わたくし?」
「……そう、だな。じゃあ、メリー。手を」
「ええ」
出された手にメリアンはそっと自身の手を乗せた。
エスコートではなく、子供のように手を握る。ジャックの手は思ったよりも大きく、メリアンの手をすっぽりと包み込んだ。少し気恥ずかしくて目を伏せたメリアンは、ジャックの耳が真っ赤に染まっていることに気が付かなかった。
再びフォンと耳鳴りがして、二人は王城の前にいた。ティアレアはまだ降りきっていないが、衛兵や騎士は降下地点で待機をするため、上へ下への騒ぎになっている。
メリアンはその集団をざっと見渡してみたが、その中にジョセフの姿はない。今回もあの路地裏の情婦の元にいるのだろう。今頃慌てて空を見上げているのに違いない。
――わたくしを殺す機会は失ったけど。
あんな破廉恥暴力男、誰がなんと言おうと絶対婚約破棄だわ、とメリアンは再度心に誓った。
魔導士達も聖女降臨のハプニングでバタバタしているところで、ジャックが声を張り上げた。
「団長!」
「おう、ジャックか!あれを見たか?」
「ええ、それについて話があります!緊急です!降りて来るのは建国かつて無いレベルの厄災の危険性があります!」
バタバタと走り回っていた騎士達も、魔導士達もギョッとして動きを止めた。
「あの異世界からの落下物は魅了の魔法、あるいは、未知の細菌を持っている可能性があり、魅了防御の魔法、精神異常回避の術を持たないものは近づくべきではありません!魔性の者である可能性もあり、聖騎士でも女神の加護のない騎士は避けるべきです!それと騎士と魔導士は出来るだけ女性を送ってください!異性に過剰反応を起こす可能性があります」
よく通るジャックの声は、その場にいた全員を硬直させた。僅かに拘束魔法を感じさせる。なるほど、とメリアンはチラリとジャックを見るが、ジャックはしれっとした顔で団長を見つめていた。
「王家と神殿は接近禁止令を今すぐ出してください!」
「ジャック、何を……っ」
魔導士団長は、顔を歪めて僅かに口を動かした。やはり拘束魔法を使っているのか。総勢100人はいるであろう騎士や魔導士を前に、メリアンは背筋が凍る思いだった。どれだけ魔力を保持しているのか。メリアンも魔力は多いし魔術にも理解もあるが、流石に魔導士を含めた100人に拘束魔法をかけることはできないだろう。ジャックが言った通り、拘束魔法は自身の魔力も使うのだが、団長ですら拘束されているのだ。いかにジャックの魔力が多いかわかるというもの。
「信じ難い話かもしれませんが、ここにいるメリアン・ドリュモア・ガーラント侯爵令嬢が今後起こる厄災の可能性を説明します。俺は陛下と王太子殿下に謁見を求めますので、彼女から詳しい話を聞いてください」
「その令嬢が落ちて来る人物を知っていると?」
「そうです。メリー、できるか?」
そこまではっきり答えたジャックは、メリアンに振り返り後を任せると言った。メリアンはこくりと頷き、魔導士団長と向き合った。
「初めまして。騎士、魔導士の皆様、魔導士団長様。わたくしは、メリアン・ドリュモア・ガーラントと申します。ガーランド侯爵家の長女でございます。これからお話しすることは、信じ難いかも知れませんが事実です。是非お時間をわたくしめにくださいませ」
メリアンは侯爵令嬢らしく優雅なカーテシーをした。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
【完結】「ループ三回目の悪役令嬢は過去世の恨みを込めて王太子をぶん殴る!」
まほりろ
恋愛
※「小説家になろう」異世界転生転移(恋愛)ランキング日間2位!2022年7月1日
公爵令嬢ベルティーナ・ルンゲは過去三回の人生で三回とも冤罪をかけられ、王太子に殺されていた。
四度目の人生……
「どうせ今回も冤罪をかけられて王太子に殺されるんでしょ?
今回の人生では王太子に何もされてないけど、王子様の顔を見てるだけで過去世で殺された事を思い出して腹が立つのよね!
殺される前に王太子の顔を一発ぶん殴ってやらないと気がすまないわ!」
何度もタイムリープを繰り返しやさぐれてしまったベルティーナは、目の前にいる十歳の王太子の横っ面を思いっきりぶん殴った。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろうにも投稿しています。

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

貧乏令嬢はお断りらしいので、豪商の愛人とよろしくやってください
今川幸乃
恋愛
貧乏令嬢のリッタ・アストリーにはバート・オレットという婚約者がいた。
しかしある日突然、バートは「こんな貧乏な家は我慢できない!」と一方的に婚約破棄を宣言する。
その裏には彼の領内の豪商シーモア商会と、そこの娘レベッカの姿があった。
どうやら彼はすでにレベッカと出来ていたと悟ったリッタは婚約破棄を受け入れる。
そしてバートはレベッカの言うがままに、彼女が「絶対儲かる」という先物投資に家財をつぎ込むが……
一方のリッタはひょんなことから幼いころの知り合いであったクリフトンと再会する。
当時はただの子供だと思っていたクリフトンは実は大貴族の跡取りだった。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる