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え?マウロ、知らなかったのでしょうか。
「そもそも妹は14歳、学園に通うとしても来年からだが、我が家の方針で、妹は貴族学園には通わないことになっている。そんな妹がなぜ君の通う学園で、そんな無駄なことをしなければならないのか聞きたい」
「「……14歳?」」
マウロと二人でハモってますが、ちょっと。短期間とはいえ婚約者だったのに、私の歳すら覚えていなかったと?
「私も学園には通ったが、学生以外の人間はそうそう学舎に入ることはできないだろう?もしそれが可能ならば王国に報告しなければならないな。貴族学園の警備はどうなっているのかと」
「い、いえっ!あの、その…っ。わ。わたし、しらなくてっ!」
「知らなかった?つまり妹が学園に忍び込んだという事実はなく?」
「は、はいっ!でもあの、カフェテリアで見た事がっ!」
「納品や請求書の受け渡しの使いに出ることは何度かあったからな」
「でも、食事や甘味は出されても食べていません、兄様!」
「……わかってる」
よかった。これだけはしっかり言わなければ、怒られてしまいますからね。
「君はカフェテリアでたまたま見かけた我が妹が、通ってもいない学舎に忍び込み、君を池に落とし、君のロッカーから靴を盗み、教室に入り君の机を探し出し、教科書を破いたと?」
「い、いえ、あの、それは、その」
「つまり冤罪をかけたというわけだな?そして未成年の妹を脅し、我が商会から金を引き出そうとし、それどころか水道使用料を踏み倒そうとした上、その権利までもぎ取ろうとしたのだな」
さすがハロルド兄様、一を知って十を知ると言うか、理解が早くてありがたいです。
「ち、ちが…っ」
「この件については、未成年恐喝罪に加えて、詐欺未遂、商業法違反と強奪罪を適用させてもらう」
メロドラマ様は息も絶え絶え、真っ白になって口をパクパクしています。その横でマウロは少しずつ距離をとっているようですが、逃げられませんよ?この国、奴隷制度が廃止になって以来、未成年保護法はかなり厳しいのです。恐喝や強奪、強制労働などは少なくとも十五年の刑罰を与えられますから、父様も家族とはいえ、その辺は注意しています。
「マウロ君、君には心底がっかりだ。君と妹の婚約破棄については了承した、が。こちらから遠慮させてもらう事にする。伯爵には私の方から話をしよう」
「ま、待ってください!違う!ちがうんだっ!俺はこいつに騙されてっ!」
真っ青になったマウロが私を凄い目で見て、なんとかしろ、助けろと訴えてきますが、無視ですね。私より100倍マシなメロドラマ様をコイツとか呼んでますし。
「ハロルド兄様、マウロ・オーランド伯爵令息は『俺の方から婚約を破棄する』と言いましたから、そのようにしましょう?」
「…お前はそれでいいのか?」
「もちろんです。契約書にしっかりその旨の条件も載っていますから」
「ああ、うん。そうか」
ええ。体裁や面目より、慰謝料のほうが大事です。それに。
「私は家族から疎まれているそうです」
「は?」
「『捨て猫のように痩せギスで目ばかりでかくて可愛げがなく、家族からも疎まれるような女』だそうです。とても傷つきました」
「俺の可愛い妹にそんなことを言ったのか…」
「それからメロドラマ様の方が、100倍もマシだと。あと、5歳のミラノにも食指が動いたみたいですよ」
「何!?」
「『五歳児なので色々足りないが、お前よりはマシだろう』と言われました」
「そもそも妹は14歳、学園に通うとしても来年からだが、我が家の方針で、妹は貴族学園には通わないことになっている。そんな妹がなぜ君の通う学園で、そんな無駄なことをしなければならないのか聞きたい」
「「……14歳?」」
マウロと二人でハモってますが、ちょっと。短期間とはいえ婚約者だったのに、私の歳すら覚えていなかったと?
「私も学園には通ったが、学生以外の人間はそうそう学舎に入ることはできないだろう?もしそれが可能ならば王国に報告しなければならないな。貴族学園の警備はどうなっているのかと」
「い、いえっ!あの、その…っ。わ。わたし、しらなくてっ!」
「知らなかった?つまり妹が学園に忍び込んだという事実はなく?」
「は、はいっ!でもあの、カフェテリアで見た事がっ!」
「納品や請求書の受け渡しの使いに出ることは何度かあったからな」
「でも、食事や甘味は出されても食べていません、兄様!」
「……わかってる」
よかった。これだけはしっかり言わなければ、怒られてしまいますからね。
「君はカフェテリアでたまたま見かけた我が妹が、通ってもいない学舎に忍び込み、君を池に落とし、君のロッカーから靴を盗み、教室に入り君の机を探し出し、教科書を破いたと?」
「い、いえ、あの、それは、その」
「つまり冤罪をかけたというわけだな?そして未成年の妹を脅し、我が商会から金を引き出そうとし、それどころか水道使用料を踏み倒そうとした上、その権利までもぎ取ろうとしたのだな」
さすがハロルド兄様、一を知って十を知ると言うか、理解が早くてありがたいです。
「ち、ちが…っ」
「この件については、未成年恐喝罪に加えて、詐欺未遂、商業法違反と強奪罪を適用させてもらう」
メロドラマ様は息も絶え絶え、真っ白になって口をパクパクしています。その横でマウロは少しずつ距離をとっているようですが、逃げられませんよ?この国、奴隷制度が廃止になって以来、未成年保護法はかなり厳しいのです。恐喝や強奪、強制労働などは少なくとも十五年の刑罰を与えられますから、父様も家族とはいえ、その辺は注意しています。
「マウロ君、君には心底がっかりだ。君と妹の婚約破棄については了承した、が。こちらから遠慮させてもらう事にする。伯爵には私の方から話をしよう」
「ま、待ってください!違う!ちがうんだっ!俺はこいつに騙されてっ!」
真っ青になったマウロが私を凄い目で見て、なんとかしろ、助けろと訴えてきますが、無視ですね。私より100倍マシなメロドラマ様をコイツとか呼んでますし。
「ハロルド兄様、マウロ・オーランド伯爵令息は『俺の方から婚約を破棄する』と言いましたから、そのようにしましょう?」
「…お前はそれでいいのか?」
「もちろんです。契約書にしっかりその旨の条件も載っていますから」
「ああ、うん。そうか」
ええ。体裁や面目より、慰謝料のほうが大事です。それに。
「私は家族から疎まれているそうです」
「は?」
「『捨て猫のように痩せギスで目ばかりでかくて可愛げがなく、家族からも疎まれるような女』だそうです。とても傷つきました」
「俺の可愛い妹にそんなことを言ったのか…」
「それからメロドラマ様の方が、100倍もマシだと。あと、5歳のミラノにも食指が動いたみたいですよ」
「何!?」
「『五歳児なので色々足りないが、お前よりはマシだろう』と言われました」
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