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エピローグ

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 その後、世界中から革命軍だの、改革派だのが出張ってきて、各国との仲が緊張する場面も見られたけど、概ねうまく収まった。と言うのも、俺とアルヴィーナが宰相を探し出し、責任を問い詰めたせいもある。なんとあの人、自分がカレンティエ様と結婚するのが嫌だからと弟に王座を渡し、自分はちゃっかり恋愛結婚をして、隣国でこっそり子供を二人も作っていたのだから。

 それをネタにして帝国へ出戻ったカレンティエ様に告げ口するぞと言ったら、うまいこと収めてくれた。カレンティエ様は、帝国に戻って兄上(現帝国王)に泣きつき、夫に騙されていたと嘘をついた。まあ、自分から離縁して戻ってきたとあっては、帝国にとっても負い目を持つことになるからね。でも嘘をつくなら、ちゃんと外堀も埋めておくべきだったでしょ。

 帝国軍がよくもうちの妹を馬鹿にしたな!と攻め込んできたが、バルタ息子シンファエルを熨斗をつけてお返ししますと言ったら、回れ右をして帰っていったが、その途中で災害に遭って皆行方不明になったらしい。スカイとセレナ嬢、何もしていないよね?

 今のところ、シンファエルとセレナ嬢とスカイは仲良く暮らしているようだ。たまにが村を作ったと噂も聞くが、悪さはしていないようなので放置している。

 そして数年のうちにザール王国は、シャムロック民主共和国に変わった。色々な周辺国が攻め込んできたが、豊穣の加護を亡くし数ヶ月で大人しくなった。共和国の国々も順調に増えて来ている。いつか世界で一つの国家ということもあり得るのだろうか。

 あ、そうそう、ザール国が消えたことで貴族制度ももちろん廃止になり、それぞれの領土から責任者が任出された。ほとんどが元々の貴族領主だったが、威張り散らしていた貴族は暴動が起きた際に消えていき、新たな責任者が人選された。

 ハイベック領では、親父様と奥様が騒いでいたが、例の俺に押し付けようとしていた婚約者の大富豪に拉致されて行方不明になった。そこのお嬢さんは未だかつてお会いしていない。

 ヴァンこと元サリヴァン・ハイベック、廃嫡されたアルヴィーナの兄が人選され、ハイベック領の代表者になった。

 領民曰く、貴族からど貧民に落ちてたにも関わらず、平民として真面目に働いてきた男だと認められたからである。苦も楽も知っていて打たれ強いと、政治にも生かされやすい。まずまずの人選というところだ。

 俺の生みの親たちは相変わらず、鍛冶屋を営んでいるが、最近は鍋やお玉だけでなく、冒険者用の武器や防具も扱っているという。たまに大きな酒樽を持って我が家にやってきては、シャムロックと大騒ぎをしている。

 孤独で退屈で死にそうだったシャムロックはもっと早く逃げ界に降りて来ればよかったと愚痴っているが概ね楽しそうに飛び回っている。

 民主化されて以来、商業の場は以前よりもずっと広がった。様々な情報が飛び交い、まとまった金が動き始めると、当然悪人も出て来るというのが人の性。あまりに悪どいことをすると、土地神シャムロックの祟りがあると恐れられているが、小競り合いや護衛のために騎士ではなく冒険者業が盛んになったのだ。以前の騎士や魔導士はそれぞれの道を選び、冒険者や教師、魔道具師など事業を広げているらしい。

 王宮勤めの騎士と魔導士はアルヴィーナに誓いをするほど傾倒していたため、ハイベック領で雇う事にした。そのせいもあってかハイベック領はどこよりも繁栄し、首都に認定されている。

 俺とアルヴィーナは相も変わらず飛び回り、瘴気を見つけては浄化して、シャムロックの気に入った場所は聖地にしてを繰り返しているが、ハイベック領の森でサリー、メリー、ローリィと共に静かに暮らしてーー。

「エヴァーーーン!オリビアがまた逃げ出したわ!捕まえてー!」
「とーしゃま!オリィも一緒に行くー!シャムに乗る~!」

 あー。そうそう。子供も3人生まれました。なんと三つ子だぜ。驚いた。

 静かに暮らせるのはまだまだ先かな。




 END



最後までお付き合いいただきありがとうございました。完結に当たって、回収していなかった伏線に気が付き、ちょこちょこと付け足し、修正をしています。ストーリーは変わりませんが、ちょっと読みやすくなったかと思います。ブクマ、感想もありがとうございました。楽しんでいただけると幸いです。
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