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豊穣のドラゴンと薬玉
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『それなら、この領の正式な後継はここにいるアルヴィーナだ。アルヴィーナと契約を結んでくれないか』
『それは出来んな。この娘の魔力ではいささか足りぬのだよ。それに我とこの娘が契約を結ぶと言うことは、我の生贄となるぞ?』
『生贄!?』
『ああ。魔力の質も量も足りとらん。この娘の聖魔力には条件があるし、いつでも使えるものでもないしの。我も種の関係をややこしくするつもりは無い。なんなら二人と契約を結んでも良いが、それだと其方もその娘も別のものと婚姻は結べぬぞ?』
『そうなのか?』
『ああ。二人で一つとして見なされるからの』
アルヴィーナはシンファエルと婚約関係(仮)にある。一旦保留になっているものの、解消はされていない。これで竜と契約を結んだので結婚できませんと言ったら、宰相は怒るだろうな。
ーーたかが権力者の元に生まれたからってだけで!わたくしがその尻拭いを押し付けられているのよ!
でも、アルヴィーナも怒ってるんだよな。政治の駒にされて、大人のいいように翻弄されて。
俺はアルヴィーナの兄として守るべき義務がある。王子についても結局はアルヴィーナ次第だ。王族のわがままでアルヴィーナを縛り付けているのは理解しているつもりでもある。
王族との魔力契約には、アルヴィーナが納得する男にシンファエルを鍛えることが一つ。
他言無用が二つ。それ以前にシンファエルが根を上げれば(王族の放棄)、契約は無効。
期間は最大2年で、その間にシンファエル個人が問題を起こせば契約反故と見做し、俺の過失であれば俺の魔力は封じられる。王族が契約を放棄、反故にすれば彼らには罪人の焼印が押される、というものだ。かなりきつい契約だが、王族から言われれば仕方がないし、俺から契約を反故することは考えていなかった。
可能性として一番大きかったのはシンファエルの王権放棄だったから、宰相も王妃も深く考えなかったのかもしれないが。
もともとアルヴィーナが王子を好きだと思っていたからこそ、この仕事もなんとかなると思っていたんだがな。本人がこんなにやる気が無いんじゃ、成功させるのも難しい。というか今更ながら、アルヴィーナをこんな王子《サル》に渡す気はない。
つまりどの道、俺は宰相を怒らせることになるということだ。
「はぁ」
俺はため息を吐いた。
『条件はわかった。だけど、だけど領地に関しては、俺の一存では決められない。この森はもともと魔獣が良く出るせいで人は滅多に来ないはずだ。緑竜が住む分には問題はないと思う。その代わりと言ってはなんだが人間が侵入してきた場合、できる限り追い出すようにして殺すことはしないでほしい。あと人の村や街を襲わないことを約束してくれるなら、できる限りの交渉をしてみる』
『良いだろう。お主がこの条件を飲めるのならば、人間に手出しはしない。飲めないならば、その決断を下した人間はどうなるか知らんがな』
『……おい。それは脅しじゃないか?』
『そうともいうな。まあ、頑張れ』
くそ。ドラゴンと交渉はするなと良く言われるが、こういうことか。命に直結だもんな。
ただ、契約自体は俺だけでもなんとかなる。問題は親父様にどう伝えるかだ。何せ伯爵領は親父様のものだからな。あの人は、でもあまり興味がないかも知れんけど。
いや、下手したらドラゴンと交渉するとか言い出すかもしれん。森はくれてやるが金を出せとか言い出しかねないからな。そんで、その交渉は俺にさせるんだよな。あの人はそういう人だ。
『なあ。もしこの森の持ち主がタダではやれんとか言ったらどうする?』
『我もタダでくれとは言わん。そうだな…。其方との契約次第では豊穣を約束しても良いぞ』
『豊穣?』
『ああ。土地を豊かにし、食物を育ちやすくしてやる。ただし、手入れを怠れば何も育たんがの』
それは、物凄く魅力的だ。今の所豊穣なのはハイベック領だけで、他領はもっと灌漑を進めなければならない。それも親父様は商売と捉えていて、高価な魔道具として売りに出しているから遅々として進まないが。何せ俺とアルヴィーナの魔法がなければ、一気に進めるのは難しいからだ。つまり、そう。俺たちが魔道具ってわけだ。ちくしょうめ。
『俺との契約次第というのはどういうことだ?』
『ふ。学んだな。賢い人間は嫌いではない』
緑竜はニヤリと笑った。油断ならねえ。
『先の条件に合わせて、我に名を授けよ。それから国土の瘴気を消してくれ』
『いやいやいや、ちょっと待て。無茶苦茶言うなよ。名前をつけるのは構わないけど、国土全土の瘴気は無理だ』
『なぜだ?』
『なぜって。一人の人間にそんなことができたんなら今頃やってる。できないから瘴気は無くならないんだろ?緑竜だって、何年生きてんのか知らんけど、瘴気のなかった時代なんかあったのか?』
『……ないな。そうか、そういうことなんだな』
『だろ?』
『其方の言いたい事はわかった。では我も手を貸すから、一緒に瘴気を殲滅させよう』
『えっ!?』
『我が其方を背に乗せて瘴気の強いところへ飛ぶ。そこで其方が力を発揮すれば良いのだ。その地を清浄なものにすれば、我が力も届きやすい』
『いや、待って…』
根本からしてわかってない。
俺の魔力だけじゃ足りないっての。魔力欠乏症になったらどうしてくれるのさ。
『でなければ、この商談は無しだ。我は豊穣を約束はしないし、お主らは穢れて死ぬが良い』
『いやいやいやいや!ちょっと待って、マジ待って!』
『では、やるか?』
俺、なんでこんな威圧の高いやつらとばかり、やりあわないといけないの?泣きたい。
『……まずは、親父様にこの森の権利について話をつける。契約はそれからだ。とりあえず、この森にいるのは構わない、と思う。それと、俺にはこの王子の教育係という仕事もある。あまり身軽に歩ける立場ではないんだ。一週間時間をくれ。それまでに条件を整えてまた来る』
『ふん。だからこの小蝿はここで始末しておけばよかったものを』
『責任放棄、ダメ。絶対』
『わかった、わかった。ではそれまでここで惰眠を貪るとしよう。来た時に起こしてくれ。ああ、土産は新鮮な水を頼むぞ』
『土産までねだるのかよ…』
ふふんと鼻で笑い、緑竜は背を丸め、猫のように丸くなって小山に擬態した。俺の目にはまだ竜に見えるが、風景と同化して今度来た時はわからないかも知れない。
はあ、とまたしてもため息を吐き、未だ白目を剥いている王子を見てはたと思い出した。
「あっ!ちょっと待った!ボンクラの内臓修復まだしてないじゃないか!おい、緑竜!」
小山になった緑竜からコロンと何かが転がり出てきた。
『それでも食わせとけば大丈夫だろう。この森の瘴気を消してくれた礼だ』
転がった緑色の塊は、先ほど王子に与えた飴玉と似たようなサイズの薬玉だった。
「……これ、食わすのか…」
野菜の嫌いな王子が食べたいと思わせるような色ではない事は確かだった。
『それは出来んな。この娘の魔力ではいささか足りぬのだよ。それに我とこの娘が契約を結ぶと言うことは、我の生贄となるぞ?』
『生贄!?』
『ああ。魔力の質も量も足りとらん。この娘の聖魔力には条件があるし、いつでも使えるものでもないしの。我も種の関係をややこしくするつもりは無い。なんなら二人と契約を結んでも良いが、それだと其方もその娘も別のものと婚姻は結べぬぞ?』
『そうなのか?』
『ああ。二人で一つとして見なされるからの』
アルヴィーナはシンファエルと婚約関係(仮)にある。一旦保留になっているものの、解消はされていない。これで竜と契約を結んだので結婚できませんと言ったら、宰相は怒るだろうな。
ーーたかが権力者の元に生まれたからってだけで!わたくしがその尻拭いを押し付けられているのよ!
でも、アルヴィーナも怒ってるんだよな。政治の駒にされて、大人のいいように翻弄されて。
俺はアルヴィーナの兄として守るべき義務がある。王子についても結局はアルヴィーナ次第だ。王族のわがままでアルヴィーナを縛り付けているのは理解しているつもりでもある。
王族との魔力契約には、アルヴィーナが納得する男にシンファエルを鍛えることが一つ。
他言無用が二つ。それ以前にシンファエルが根を上げれば(王族の放棄)、契約は無効。
期間は最大2年で、その間にシンファエル個人が問題を起こせば契約反故と見做し、俺の過失であれば俺の魔力は封じられる。王族が契約を放棄、反故にすれば彼らには罪人の焼印が押される、というものだ。かなりきつい契約だが、王族から言われれば仕方がないし、俺から契約を反故することは考えていなかった。
可能性として一番大きかったのはシンファエルの王権放棄だったから、宰相も王妃も深く考えなかったのかもしれないが。
もともとアルヴィーナが王子を好きだと思っていたからこそ、この仕事もなんとかなると思っていたんだがな。本人がこんなにやる気が無いんじゃ、成功させるのも難しい。というか今更ながら、アルヴィーナをこんな王子《サル》に渡す気はない。
つまりどの道、俺は宰相を怒らせることになるということだ。
「はぁ」
俺はため息を吐いた。
『条件はわかった。だけど、だけど領地に関しては、俺の一存では決められない。この森はもともと魔獣が良く出るせいで人は滅多に来ないはずだ。緑竜が住む分には問題はないと思う。その代わりと言ってはなんだが人間が侵入してきた場合、できる限り追い出すようにして殺すことはしないでほしい。あと人の村や街を襲わないことを約束してくれるなら、できる限りの交渉をしてみる』
『良いだろう。お主がこの条件を飲めるのならば、人間に手出しはしない。飲めないならば、その決断を下した人間はどうなるか知らんがな』
『……おい。それは脅しじゃないか?』
『そうともいうな。まあ、頑張れ』
くそ。ドラゴンと交渉はするなと良く言われるが、こういうことか。命に直結だもんな。
ただ、契約自体は俺だけでもなんとかなる。問題は親父様にどう伝えるかだ。何せ伯爵領は親父様のものだからな。あの人は、でもあまり興味がないかも知れんけど。
いや、下手したらドラゴンと交渉するとか言い出すかもしれん。森はくれてやるが金を出せとか言い出しかねないからな。そんで、その交渉は俺にさせるんだよな。あの人はそういう人だ。
『なあ。もしこの森の持ち主がタダではやれんとか言ったらどうする?』
『我もタダでくれとは言わん。そうだな…。其方との契約次第では豊穣を約束しても良いぞ』
『豊穣?』
『ああ。土地を豊かにし、食物を育ちやすくしてやる。ただし、手入れを怠れば何も育たんがの』
それは、物凄く魅力的だ。今の所豊穣なのはハイベック領だけで、他領はもっと灌漑を進めなければならない。それも親父様は商売と捉えていて、高価な魔道具として売りに出しているから遅々として進まないが。何せ俺とアルヴィーナの魔法がなければ、一気に進めるのは難しいからだ。つまり、そう。俺たちが魔道具ってわけだ。ちくしょうめ。
『俺との契約次第というのはどういうことだ?』
『ふ。学んだな。賢い人間は嫌いではない』
緑竜はニヤリと笑った。油断ならねえ。
『先の条件に合わせて、我に名を授けよ。それから国土の瘴気を消してくれ』
『いやいやいや、ちょっと待て。無茶苦茶言うなよ。名前をつけるのは構わないけど、国土全土の瘴気は無理だ』
『なぜだ?』
『なぜって。一人の人間にそんなことができたんなら今頃やってる。できないから瘴気は無くならないんだろ?緑竜だって、何年生きてんのか知らんけど、瘴気のなかった時代なんかあったのか?』
『……ないな。そうか、そういうことなんだな』
『だろ?』
『其方の言いたい事はわかった。では我も手を貸すから、一緒に瘴気を殲滅させよう』
『えっ!?』
『我が其方を背に乗せて瘴気の強いところへ飛ぶ。そこで其方が力を発揮すれば良いのだ。その地を清浄なものにすれば、我が力も届きやすい』
『いや、待って…』
根本からしてわかってない。
俺の魔力だけじゃ足りないっての。魔力欠乏症になったらどうしてくれるのさ。
『でなければ、この商談は無しだ。我は豊穣を約束はしないし、お主らは穢れて死ぬが良い』
『いやいやいやいや!ちょっと待って、マジ待って!』
『では、やるか?』
俺、なんでこんな威圧の高いやつらとばかり、やりあわないといけないの?泣きたい。
『……まずは、親父様にこの森の権利について話をつける。契約はそれからだ。とりあえず、この森にいるのは構わない、と思う。それと、俺にはこの王子の教育係という仕事もある。あまり身軽に歩ける立場ではないんだ。一週間時間をくれ。それまでに条件を整えてまた来る』
『ふん。だからこの小蝿はここで始末しておけばよかったものを』
『責任放棄、ダメ。絶対』
『わかった、わかった。ではそれまでここで惰眠を貪るとしよう。来た時に起こしてくれ。ああ、土産は新鮮な水を頼むぞ』
『土産までねだるのかよ…』
ふふんと鼻で笑い、緑竜は背を丸め、猫のように丸くなって小山に擬態した。俺の目にはまだ竜に見えるが、風景と同化して今度来た時はわからないかも知れない。
はあ、とまたしてもため息を吐き、未だ白目を剥いている王子を見てはたと思い出した。
「あっ!ちょっと待った!ボンクラの内臓修復まだしてないじゃないか!おい、緑竜!」
小山になった緑竜からコロンと何かが転がり出てきた。
『それでも食わせとけば大丈夫だろう。この森の瘴気を消してくれた礼だ』
転がった緑色の塊は、先ほど王子に与えた飴玉と似たようなサイズの薬玉だった。
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