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緑のドラゴン
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「うおっ?なんだ今の揺れは……?」
その頃、王子は王子で森を彷徨いながら、食べてはいけない果実を口に入れ、触れてはいけない花を手折りながら、鼻歌まじりで歩いていた。全く危機感がなく、エヴァンの魔法がかかっていなければ速攻で死んでいただろう。
しかしながら、瘴気の沼を身体中に纏い、泥を貼り付けた傷口から魔虫が湧いて出てきていることにも気が付かず、穢れを森中に振りまくこの男に襲いかかるような気骨のある獣はおらず、また魔獣たちは仲間とみなしているのか、全くその存在に近寄ろうとはしない。ある意味、最強の存在でもあった。
そこでエヴァンとアルヴィーナの混合魔法を体で感じ、自分に纏わり付いていた穢れが祓えたことで、ちょっと体が軽くなったと首を傾げるシンファエル。
「森というからどれほど危険かと思えば、そうでもないではないか。これでステーキが生えていれば我が宮殿のピクニックとそう変わりはないな。……とはいえこの格好はいただけないな。帰ったら特別に乾布摩擦で汚れを落とそう」
エヴァンがいたら、ステーキは植物ではないので生えてきません、と言ったところだが、今は誰も否定の言葉も肯定の言葉も発しない。
異常なまでに乾布摩擦が気に入っているシンファエルだが、本来の乾布摩擦の目的は血液の循環を良くすることであって汚れを落とすためのものではない。
シンファエルの中に汚いことは悪いことだ、と方式が成り立ったのだから誰からも深くは追求されなかったため、勘違いしたまま朝昼晩とあまり意味のない乾布摩擦を続けている。
そんな調子で森を歩き回り、川を探す目的もすっかり忘れていたシンファエルだったが、ふと、小山のようにこんもりと盛り上がった緑色の塊を少し先の開けた場所に見つけた。
「アレはなんだ?」
◇◇◇
「エヴァン!ドラゴンに王子?が近づいてる!」
ほとんど悲鳴のように、アルヴィーナが鋭く息を吸い込んだ。千里眼を使って周囲の様子を伺ったのだ。
「走るぞ!」
「了解!」
ボンクラは本当にボンクラだ。魔獣百科も見せて魔獣がいかに危険かもこんこんと言い聞かせたのに、無邪気なまでに警戒心もなく近寄っていく。いかに俺の魔法が優れていたって限度がある。ただでさえ凶暴だと言われるドラゴンだが、傷を負ったドラゴンの能力は未知だ。無事でいられない可能性もある。
「っていうか、あいつ、なんか変だわ」
「変なのは常時じゃないか!」
「そうだけど、そうじゃなくて。なんか魔物化してる…感じが?」
「ま、魔物化?」
「嫌な予感がする。アレはほっといて帰らない?」
「いやいやいやいや。そんなわけにはいかないから!」
一応たった一人の王子だし。俺、とりあえず側近だし?王子が魔物化したので放置しましたなんて言ったら、宰相に殺されるだろ?忌々しい魔法契約なんかしなければよかった!
「チッ!仕方ない!王子まで時間にするとどれくらいだ?」
「《瞬歩》使って3分!」
その程度の距離なら遠隔操作で防御強化をかけることができる。
《瞬歩》は風魔法の一つ。これも子供の頃に覚えた魔法の一つだ。転移ははっきりした位置がわからないことには移動できないため、急ぎの場合《瞬歩》を使うと通常のスピードの5倍程度で移動することが可能だ。
遠隔操作は苦手なんだが、間に合わず死なれても困る。俺は王子にかけている自分の魔力を辿り、物理攻撃無効化を付け足し、その上で結界を作った。大雑把だが、俺たちがいくまでは持つことを願いたい。しかもスカイはどこ行った。何処フラついてんだ?フェチの途中で見失ったのか?まさかすでにドラゴンの餌食に…。
「アル、スカイの姿はドラゴンの近くにいるか?」
「居ないと思う」
「わからないのか?」
「ドラゴンの周りがよく見えないのよ」
緑竜が結界を張っている可能性もありか。あるいは隠蔽か。
俺たちは《瞬歩》を使ってとにかく現場に急いだ。
◇◇◇
シンファエルが緑の小山だと思ったドラゴンに近づく途中で急に体が重くなった。
「うっ?な、なんだ、体が重い…?」
つい先ほど体が軽くなった、と思って居たのが突然、突風に逆って歩いている様な圧力を感じ、シンファエルは素直に立ち止まった。
「なんかこっち来るな、みたいな圧力を感じるんだが。あの山か?」
そこで、突然見えない壁に阻まれた。これこそがエヴァンの結界だったのだが、その場に貼り付けられてしまったかの様に動けなくなってしまった。この地点でシンファエルは実はドラゴンからの威嚇も受けていた。だからこそこの周囲に魔獣などは近寄れず、シンファエルは大きな魔獣に襲われることもなかった。何処までも悪運だけは強い。そしてどこまでも鈍かった。
その頃、王子は王子で森を彷徨いながら、食べてはいけない果実を口に入れ、触れてはいけない花を手折りながら、鼻歌まじりで歩いていた。全く危機感がなく、エヴァンの魔法がかかっていなければ速攻で死んでいただろう。
しかしながら、瘴気の沼を身体中に纏い、泥を貼り付けた傷口から魔虫が湧いて出てきていることにも気が付かず、穢れを森中に振りまくこの男に襲いかかるような気骨のある獣はおらず、また魔獣たちは仲間とみなしているのか、全くその存在に近寄ろうとはしない。ある意味、最強の存在でもあった。
そこでエヴァンとアルヴィーナの混合魔法を体で感じ、自分に纏わり付いていた穢れが祓えたことで、ちょっと体が軽くなったと首を傾げるシンファエル。
「森というからどれほど危険かと思えば、そうでもないではないか。これでステーキが生えていれば我が宮殿のピクニックとそう変わりはないな。……とはいえこの格好はいただけないな。帰ったら特別に乾布摩擦で汚れを落とそう」
エヴァンがいたら、ステーキは植物ではないので生えてきません、と言ったところだが、今は誰も否定の言葉も肯定の言葉も発しない。
異常なまでに乾布摩擦が気に入っているシンファエルだが、本来の乾布摩擦の目的は血液の循環を良くすることであって汚れを落とすためのものではない。
シンファエルの中に汚いことは悪いことだ、と方式が成り立ったのだから誰からも深くは追求されなかったため、勘違いしたまま朝昼晩とあまり意味のない乾布摩擦を続けている。
そんな調子で森を歩き回り、川を探す目的もすっかり忘れていたシンファエルだったが、ふと、小山のようにこんもりと盛り上がった緑色の塊を少し先の開けた場所に見つけた。
「アレはなんだ?」
◇◇◇
「エヴァン!ドラゴンに王子?が近づいてる!」
ほとんど悲鳴のように、アルヴィーナが鋭く息を吸い込んだ。千里眼を使って周囲の様子を伺ったのだ。
「走るぞ!」
「了解!」
ボンクラは本当にボンクラだ。魔獣百科も見せて魔獣がいかに危険かもこんこんと言い聞かせたのに、無邪気なまでに警戒心もなく近寄っていく。いかに俺の魔法が優れていたって限度がある。ただでさえ凶暴だと言われるドラゴンだが、傷を負ったドラゴンの能力は未知だ。無事でいられない可能性もある。
「っていうか、あいつ、なんか変だわ」
「変なのは常時じゃないか!」
「そうだけど、そうじゃなくて。なんか魔物化してる…感じが?」
「ま、魔物化?」
「嫌な予感がする。アレはほっといて帰らない?」
「いやいやいやいや。そんなわけにはいかないから!」
一応たった一人の王子だし。俺、とりあえず側近だし?王子が魔物化したので放置しましたなんて言ったら、宰相に殺されるだろ?忌々しい魔法契約なんかしなければよかった!
「チッ!仕方ない!王子まで時間にするとどれくらいだ?」
「《瞬歩》使って3分!」
その程度の距離なら遠隔操作で防御強化をかけることができる。
《瞬歩》は風魔法の一つ。これも子供の頃に覚えた魔法の一つだ。転移ははっきりした位置がわからないことには移動できないため、急ぎの場合《瞬歩》を使うと通常のスピードの5倍程度で移動することが可能だ。
遠隔操作は苦手なんだが、間に合わず死なれても困る。俺は王子にかけている自分の魔力を辿り、物理攻撃無効化を付け足し、その上で結界を作った。大雑把だが、俺たちがいくまでは持つことを願いたい。しかもスカイはどこ行った。何処フラついてんだ?フェチの途中で見失ったのか?まさかすでにドラゴンの餌食に…。
「アル、スカイの姿はドラゴンの近くにいるか?」
「居ないと思う」
「わからないのか?」
「ドラゴンの周りがよく見えないのよ」
緑竜が結界を張っている可能性もありか。あるいは隠蔽か。
俺たちは《瞬歩》を使ってとにかく現場に急いだ。
◇◇◇
シンファエルが緑の小山だと思ったドラゴンに近づく途中で急に体が重くなった。
「うっ?な、なんだ、体が重い…?」
つい先ほど体が軽くなった、と思って居たのが突然、突風に逆って歩いている様な圧力を感じ、シンファエルは素直に立ち止まった。
「なんかこっち来るな、みたいな圧力を感じるんだが。あの山か?」
そこで、突然見えない壁に阻まれた。これこそがエヴァンの結界だったのだが、その場に貼り付けられてしまったかの様に動けなくなってしまった。この地点でシンファエルは実はドラゴンからの威嚇も受けていた。だからこそこの周囲に魔獣などは近寄れず、シンファエルは大きな魔獣に襲われることもなかった。何処までも悪運だけは強い。そしてどこまでも鈍かった。
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