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第1章:東の魔の森編
第16話:初恋は酔いと共に
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「はぁ?なんだよそれ」
ああ、めんどくさいことを口走ってしまったな、とミヤコは黙ってウーロンハイを飲み込んだ。
「だーかーらー。私東京に行ったのは、結婚相手があっちに居たからだったのよ」
「それは聞いた。留学先で知り合ったちゃらけた男だって真木村さん、ってお前のおじさんか、が俺に絡んできたよ」
俊則が故郷に帰ってきたのと、ミヤコが東京に行ったのはちょうどすれ違いになっていた。東京から出戻って、たまたま酒屋の番をしていた俊則に、ミヤコの叔父の哲也が酒とタバコを買いに来て愚痴っていたらしい。
「東京はそんなに魅力的か。大体、お前がちゃんと都を捕まえておかないからこんなことに」と俊則を睨んでいたとか。
「それは、とんだトバッチリだったねえ。ごめんよ」
ミヤコは、はははと乾いた笑いを飛ばし、きゅうりとワカメの酢の物がウーロンハイに合うと黙々と食べ始めたが、全員がミヤコの話の続きを待っているのを見て、はあ、と諦めたように話し始めた。
「まあ、気がつかなかった私が馬鹿だったんだけど、最初から二股かけられててね。相手の女の子の方が私より良かったらしくて。貴重な3年間を無駄にしたわけですわ」
そこで唐揚げと、ささみチーズフライが運ばれてきたので、話は中断して次々運ばれる一品料理をミヤコたちは堪能した。ミヤコはかいつまんで、聡との馴れ初めから別れまでを淡々と話し、結局そこまで好きでもなかったのよね、と締めくくった。
「真木村ちゃん、昔からキャリアウーマンタイプだったでしょ。キリッと将来見据えてさ、結婚とか考えないかと思ってた」
有香がポツリとこぼす。
「えっそう?」
「うん、だってほら、結構人気あった男子にいろいろ言い寄られてたのも、興味ありませんって顔してたじゃん」
そう言って、ちらっと俊則の顔を見る。
「ええ、まさか」
「気づいてなかったのか…」
口を尖らせるミヤコに、豊もマジ顔になる。
「ええ?そんな明らさまに告白してきた人いなかったよ?いたら気付いてるし」
「気づいてなかったんだな…」
はああ、と康介もため息をついて額を押さえる。
「俺は振られたんだと思ってたよ」
「えっ?」
横目でじっとりと睨む俊則に驚きを隠せないミヤコ。
「え、まさか、鈴木君?」
「ああ、そのまさかだ」
「私たちでさえ、気づいていたというのに当の本人がこれだったとは…」
有香が呆れた顔で牛たたきを甘ダレにつけて口に頬張った。
知らなかった。というか、全然気がつかなかった。自分が鈍感だとは思っていなかったミヤコは、愕然として俊則を見つめる。
「なんだよ、初恋だったんだぞ」
「ええぇ…で、でも10年以上も前でしょ…」
「まあな。今はもうなんでもないから心配すんなよ」
「そ、そう…なんか、ごめん?」
なんとなく気まずい雰囲気になってしまい、豊が機転を効かせて、オススメのイタリアンワインとカプリチョーザピザを注文した。飲め飲めとワインを勧められ、意外と大きかったピザを堪能し、ミヤコの失恋と俊則の初恋を慰めつつ宴会はお開きになった。
帰り際、実は康介と有香は現在進行中の恋人同士、豊は会社の後輩と婚約中でこれからデートということで道を分かれた。
そして。
ミヤコの肩には、酔っ払った俊則が寄りかかっている。
「酒屋の息子がなんで下戸かな」
「おう。ビールは…いいんだけどな。ワインは飲み慣れなくてダメだ。…吐きそう」
「ちょっと待って、ほら。飲めないなら飲まなきゃよかったのに、もう」
ミヤコは、カバンの中からミンツを取り出して俊則の口に放り込む。
「タクシー拾う?それとも歩ける?」
「歩く、歩く」
へらへらと俊則が笑う。車の中で吐かれるよりは、歩いた方が酔いも醒めるだろうと俊則を支えながらミヤコも歩き始めた。
「…真木村、そんで、大丈夫なのか?」
「何が?」
「その、結婚…」
「あぁ、大丈夫だよ。思ってた以上に平気で、自分でもびっくりなくらい」
「…そっか」
よたよたと歩きながら空を見上げる俊則につられて、夜空を見上げる。
「寒いだろ、ごめん」
「大丈夫だよ。お酒で火照ってるし、気持ちいい」
ふ、と笑って俊則を見ると、彼はミヤコを見つめていたらしい。ふいっと目線をそらす。
「えっと…気がつかなくて、ごめん」
「謝るなよ、今更」
「…うん。」
「実はさぁ。俺……まだ諦めてなかったんだ…」
ミヤコは黙って立ち止まり、俊則を見る。
「真木村が、帰ってきたって聞いた時、さ。ヘヘッ。悪い、先に謝っておくけど。…別れたかなって期待した。結婚失敗して、帰ってきたんならまだ俺にもチャンスあるかなって」
俊則は鼻をすすってミヤコに振り返る。
「この前、店に来た時さ。偶然装ってたんだけど、俺配達が終わって帰る時、お前が店の方に歩いてくんのが見えて。偶然装って、飲みに誘ったんだ。自然だっただろ」
「うん」
「それでダメだったら諦める、オッケーだったらもう一回トライするって決めてた」
ミヤコは、俊則と絡ませていた視線を足元に落とした。そんなこと言われても、考えられないんだけど。
「…鈴木君たちは、わたしの数少ない友達だし…失いたくないとは思うんだけど」
「わかってる。すぐにどうこうって訳じゃない。でも、もう一回仕切り直しっていうか…頭の隅っこにでも置いてもらえると、助かる」
こういうところ、変わってないなあ。力強くて真っ直ぐで、頼りになって男っぽい。
「…わかった。頭の隅っこでもいいんなら」
「サンキュ」
俊則はガッツポーズを見せて小さく「おっしゃ!」と気合を入れた。
「じゃ、また飲みに行こうな!」
「…今度はワイン抜きでね」
「おう!」
*****
家に帰ると、ミヤコは酒臭くなったジャケットを脱いで、キッチンの椅子に引っ掛けた。誰もいない家は寒々としていて、先ほどまでの喧騒が少し恋しい。先日買ったプリンを食べてなかったのを思い出して、冷蔵庫を開ける。一本だけ残った桃の酎ハイがあったのでそれも取り出して、プリンを持って祖母の仏前で座った。チューハイを供えてからミヤコはプリンの封を開け、プラスチックのスプーンですくい上げた。プルプルとプリンが揺れ、シロップがとろりとこぼれ落ちる。
「恋、かあ」
今更なあ、とも思うが悪い気もしていない自分に気がつく。中学3年間一緒の学校だったけど、高校は別々になってミヤコはそれから短大に入って、俊則は俳優になると言って都会に出て行った。
それからミヤコは2年間留学をして、帰ってきて1年後には東京に行って、1年とちょっとでまた帰ってきてしまった。子供の頃から一つのところに落ち着かない生活に慣れてしまったのか、浮き草のようにフラフラしてしまう性格になってしまったのか。
10年ぶりに再会した奴は相変わらず爽やかで、さっぱりした短い髪が大人の男の色気を醸し出していた。親の店を継いで、きっとどっしりとあそこで人生を歩んでいくのだろう。
「相方がワインが飲めないのは、きついな…」
はあ。ミヤコはまたため息をついた。幸せがだだ漏れに逃げている気がした。
風呂に入る前に、昼間に買ったピースリリーをクルトの店に一晩おいて、結果を見てもらおうと思い立って、クローゼットの扉を開けた。時間はまだ10時を回ったところだ。
もしかしたらまだ店にいるかな。
そう思って、低いドア枠で頭を打たないように乗り越えて階段を降りると、店からの光がドア枠から漏れていた。まさかまだ店を開けているのかなと思って近づいたところで、話し声が聞こえてきたので、ドアの前で立ち止まり、息を殺した。
クルトさん以外の異世界人に興味はあるけれど、ここは遭わない方がいいだろう。そうっと踵を返して戻ろうとしたところで、荒々しくテーブルを叩く音と共に椅子が倒れる音がした。
「ふざけるな!」
クルトの声だ。珍しく怒っている。
「俺は討伐隊に戻る気持ちはない!他の誰にもこの砦を任せるつもりもなければ、とり壊すつもりもない!聖女が結界を張れないのであれば他の手を考えるまでだ」
「…お気持ちはわかりますが…結界のないトライアングルは危険以外何物でもありません。その異世界人が真の聖女であるならば、さっさとこちらに連れてこればいいのです。何をためらっているのですか」
「……ミヤは聖女ではない」
どくり、とミヤの鼓動が響いた。
==========
読んでいただきありがとうございました。
ああ、めんどくさいことを口走ってしまったな、とミヤコは黙ってウーロンハイを飲み込んだ。
「だーかーらー。私東京に行ったのは、結婚相手があっちに居たからだったのよ」
「それは聞いた。留学先で知り合ったちゃらけた男だって真木村さん、ってお前のおじさんか、が俺に絡んできたよ」
俊則が故郷に帰ってきたのと、ミヤコが東京に行ったのはちょうどすれ違いになっていた。東京から出戻って、たまたま酒屋の番をしていた俊則に、ミヤコの叔父の哲也が酒とタバコを買いに来て愚痴っていたらしい。
「東京はそんなに魅力的か。大体、お前がちゃんと都を捕まえておかないからこんなことに」と俊則を睨んでいたとか。
「それは、とんだトバッチリだったねえ。ごめんよ」
ミヤコは、はははと乾いた笑いを飛ばし、きゅうりとワカメの酢の物がウーロンハイに合うと黙々と食べ始めたが、全員がミヤコの話の続きを待っているのを見て、はあ、と諦めたように話し始めた。
「まあ、気がつかなかった私が馬鹿だったんだけど、最初から二股かけられててね。相手の女の子の方が私より良かったらしくて。貴重な3年間を無駄にしたわけですわ」
そこで唐揚げと、ささみチーズフライが運ばれてきたので、話は中断して次々運ばれる一品料理をミヤコたちは堪能した。ミヤコはかいつまんで、聡との馴れ初めから別れまでを淡々と話し、結局そこまで好きでもなかったのよね、と締めくくった。
「真木村ちゃん、昔からキャリアウーマンタイプだったでしょ。キリッと将来見据えてさ、結婚とか考えないかと思ってた」
有香がポツリとこぼす。
「えっそう?」
「うん、だってほら、結構人気あった男子にいろいろ言い寄られてたのも、興味ありませんって顔してたじゃん」
そう言って、ちらっと俊則の顔を見る。
「ええ、まさか」
「気づいてなかったのか…」
口を尖らせるミヤコに、豊もマジ顔になる。
「ええ?そんな明らさまに告白してきた人いなかったよ?いたら気付いてるし」
「気づいてなかったんだな…」
はああ、と康介もため息をついて額を押さえる。
「俺は振られたんだと思ってたよ」
「えっ?」
横目でじっとりと睨む俊則に驚きを隠せないミヤコ。
「え、まさか、鈴木君?」
「ああ、そのまさかだ」
「私たちでさえ、気づいていたというのに当の本人がこれだったとは…」
有香が呆れた顔で牛たたきを甘ダレにつけて口に頬張った。
知らなかった。というか、全然気がつかなかった。自分が鈍感だとは思っていなかったミヤコは、愕然として俊則を見つめる。
「なんだよ、初恋だったんだぞ」
「ええぇ…で、でも10年以上も前でしょ…」
「まあな。今はもうなんでもないから心配すんなよ」
「そ、そう…なんか、ごめん?」
なんとなく気まずい雰囲気になってしまい、豊が機転を効かせて、オススメのイタリアンワインとカプリチョーザピザを注文した。飲め飲めとワインを勧められ、意外と大きかったピザを堪能し、ミヤコの失恋と俊則の初恋を慰めつつ宴会はお開きになった。
帰り際、実は康介と有香は現在進行中の恋人同士、豊は会社の後輩と婚約中でこれからデートということで道を分かれた。
そして。
ミヤコの肩には、酔っ払った俊則が寄りかかっている。
「酒屋の息子がなんで下戸かな」
「おう。ビールは…いいんだけどな。ワインは飲み慣れなくてダメだ。…吐きそう」
「ちょっと待って、ほら。飲めないなら飲まなきゃよかったのに、もう」
ミヤコは、カバンの中からミンツを取り出して俊則の口に放り込む。
「タクシー拾う?それとも歩ける?」
「歩く、歩く」
へらへらと俊則が笑う。車の中で吐かれるよりは、歩いた方が酔いも醒めるだろうと俊則を支えながらミヤコも歩き始めた。
「…真木村、そんで、大丈夫なのか?」
「何が?」
「その、結婚…」
「あぁ、大丈夫だよ。思ってた以上に平気で、自分でもびっくりなくらい」
「…そっか」
よたよたと歩きながら空を見上げる俊則につられて、夜空を見上げる。
「寒いだろ、ごめん」
「大丈夫だよ。お酒で火照ってるし、気持ちいい」
ふ、と笑って俊則を見ると、彼はミヤコを見つめていたらしい。ふいっと目線をそらす。
「えっと…気がつかなくて、ごめん」
「謝るなよ、今更」
「…うん。」
「実はさぁ。俺……まだ諦めてなかったんだ…」
ミヤコは黙って立ち止まり、俊則を見る。
「真木村が、帰ってきたって聞いた時、さ。ヘヘッ。悪い、先に謝っておくけど。…別れたかなって期待した。結婚失敗して、帰ってきたんならまだ俺にもチャンスあるかなって」
俊則は鼻をすすってミヤコに振り返る。
「この前、店に来た時さ。偶然装ってたんだけど、俺配達が終わって帰る時、お前が店の方に歩いてくんのが見えて。偶然装って、飲みに誘ったんだ。自然だっただろ」
「うん」
「それでダメだったら諦める、オッケーだったらもう一回トライするって決めてた」
ミヤコは、俊則と絡ませていた視線を足元に落とした。そんなこと言われても、考えられないんだけど。
「…鈴木君たちは、わたしの数少ない友達だし…失いたくないとは思うんだけど」
「わかってる。すぐにどうこうって訳じゃない。でも、もう一回仕切り直しっていうか…頭の隅っこにでも置いてもらえると、助かる」
こういうところ、変わってないなあ。力強くて真っ直ぐで、頼りになって男っぽい。
「…わかった。頭の隅っこでもいいんなら」
「サンキュ」
俊則はガッツポーズを見せて小さく「おっしゃ!」と気合を入れた。
「じゃ、また飲みに行こうな!」
「…今度はワイン抜きでね」
「おう!」
*****
家に帰ると、ミヤコは酒臭くなったジャケットを脱いで、キッチンの椅子に引っ掛けた。誰もいない家は寒々としていて、先ほどまでの喧騒が少し恋しい。先日買ったプリンを食べてなかったのを思い出して、冷蔵庫を開ける。一本だけ残った桃の酎ハイがあったのでそれも取り出して、プリンを持って祖母の仏前で座った。チューハイを供えてからミヤコはプリンの封を開け、プラスチックのスプーンですくい上げた。プルプルとプリンが揺れ、シロップがとろりとこぼれ落ちる。
「恋、かあ」
今更なあ、とも思うが悪い気もしていない自分に気がつく。中学3年間一緒の学校だったけど、高校は別々になってミヤコはそれから短大に入って、俊則は俳優になると言って都会に出て行った。
それからミヤコは2年間留学をして、帰ってきて1年後には東京に行って、1年とちょっとでまた帰ってきてしまった。子供の頃から一つのところに落ち着かない生活に慣れてしまったのか、浮き草のようにフラフラしてしまう性格になってしまったのか。
10年ぶりに再会した奴は相変わらず爽やかで、さっぱりした短い髪が大人の男の色気を醸し出していた。親の店を継いで、きっとどっしりとあそこで人生を歩んでいくのだろう。
「相方がワインが飲めないのは、きついな…」
はあ。ミヤコはまたため息をついた。幸せがだだ漏れに逃げている気がした。
風呂に入る前に、昼間に買ったピースリリーをクルトの店に一晩おいて、結果を見てもらおうと思い立って、クローゼットの扉を開けた。時間はまだ10時を回ったところだ。
もしかしたらまだ店にいるかな。
そう思って、低いドア枠で頭を打たないように乗り越えて階段を降りると、店からの光がドア枠から漏れていた。まさかまだ店を開けているのかなと思って近づいたところで、話し声が聞こえてきたので、ドアの前で立ち止まり、息を殺した。
クルトさん以外の異世界人に興味はあるけれど、ここは遭わない方がいいだろう。そうっと踵を返して戻ろうとしたところで、荒々しくテーブルを叩く音と共に椅子が倒れる音がした。
「ふざけるな!」
クルトの声だ。珍しく怒っている。
「俺は討伐隊に戻る気持ちはない!他の誰にもこの砦を任せるつもりもなければ、とり壊すつもりもない!聖女が結界を張れないのであれば他の手を考えるまでだ」
「…お気持ちはわかりますが…結界のないトライアングルは危険以外何物でもありません。その異世界人が真の聖女であるならば、さっさとこちらに連れてこればいいのです。何をためらっているのですか」
「……ミヤは聖女ではない」
どくり、とミヤの鼓動が響いた。
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