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最終話 その同僚、9,000万km遠方より来たる(中篇)
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***
――それから、1年半の月日が経過した。
「行ってきます」
雪花は毎朝、そう言って家を出る。
自分以外誰も住んでいないことがわかっていても、つい癖で言ってしまうのだ。
妹の花菜の結婚が決まってから、雪花は一人暮らしをしている。
住み慣れた家ではあったけれど、一人で暮らすには少し広すぎた。色々と考えた結果、半年程前から同じ最寄り駅のマンションに移り住むことにしたのだった。
通勤電車に揺られていると、ポケットに入れたスマホが震える。
取り出してみると、花菜からだった。先週末の結婚式の写真が何枚か送られてきている。
『ねぇ、この写真よくない?』
そうメッセージが添えられていたのは、満面の笑みを浮かべたウエディングドレス姿の花菜と、ブーケを持って恥ずかしげに微笑む雪花のツーショット写真だった。
花菜の結婚式には、新郎新婦の友人を中心に多くのゲストが訪れた。
以前は独身女性をターゲットに行われていたブーケトスだが、最近はゲスト全員参加型で行うことも珍しくないらしい。
とはいえ、親族が参加するのもどうかと遠慮する雪花だったが、「お姉ちゃんも参加して!」と半ば花菜に押し切られる形で参加することになった。
――結果、花菜が投げたブーケは、雪花の手の中に綺麗に収まった。
驚く雪花を祝福するように、会場中から拍手が沸き起こる。
司会者に促され、雪花は花菜と並んで写真を撮り、そのままお色直しをする花菜と共に二人で披露宴会場から退場したのだった。
「私、コントロールには自信あるんだよね」
会場を出たところで、花菜がぼそりと呟く。思わず雪花は目を丸くした。
「まさか、狙ってたの?」
「うん。お姉ちゃんに受け取って欲しかったから」
大したことでもないと言うように、花菜が笑う。
「これまでお世話になった私からのプレゼント――お姉ちゃんは絶対幸せになるひとだもん。何かあったらいつでも言ってね。応援してるから」
あの時のやり取りを思い出しながら、雪花は小さく笑って、『いいね』のスタンプを返した。
そうだ、花菜はいつも私のことを応援してくれた。
2年前、私があのひとと週末に出掛ける時も、色々とコーディネートのアドバイスをしてくれた。
――ふと、脳裏に当時の思い出がよみがえる。
初めて東京スカイツリーに行った時、赤いパンプスを履いていったっけ。出掛ける直前に花菜に言われて、履き替えたんだった。あの時初めて古内さんに逢ったけれど、すごく美人でどうしようかと思った。
2回目の時は二人で上野動物園に行った。あの時の黒いワンピースは花菜のアドバイスで買ったけど、あれ以来もしかしたら着ていないかも知れない。浦河課長とあおいちゃんにばったり逢って、あのひとが倒れてしまったり、色々あった。
最後に二人で出掛けたのは、サンシャインのプラネタリウム。あの時に観た星空、すごく綺麗だった。つくりものかも知れないけれど、そんなこと気にならないくらい。芝生の上に二人で寝転んで星を見つめた時間は、今でも忘れられないひと時だ。
――そして、気付けばいつも、私は夜空に火星を探している。
今年また、火星と地球は最接近を迎えるらしい。
それならばきっと、9,000万kmよりもっと、私達は近付けているのだろう。
――あのひとは、元気にしているだろうか。
雪花はいつものように、7時30分過ぎに会社に到着した。
席に着いてPCを起動し、朝ごはん代わりの飲むヨーグルトをビニール袋から取り出す。今日は気合いを入れるために、ブルーベリー味をチョイスした。
――何故なら、今日は大切な一日だからだ。
総務課の扉が音を立てて開く。顔を上げると、そこには部長の鳥飼が立っていた。
随分と早い出社に「おはようございます」と雪花が驚きながら挨拶をすると、鳥飼は「おはよう」と頷く。
「あいかわらず鈴木さんは朝早いな。いつもこの時間に来ているのか?」
「はい、通勤ラッシュを避けようと思いまして……部長も早いですね」
「あぁ、今日は特別な一日だからな」
そして、鳥飼はにやりと微笑んだ。
「まさか、また我が社で火星人の実習生を受け入れられるとは――願ってもないことだ……!」
――そう、今日から雪花の会社に、また火星人の実習生がやってくる。
発端はJAXAの古内から浦河へのメールだった。
火星人の実習先は各国の宇宙機関が自国の企業を推薦して決定しているそうだが、どうやら古内が雪花達の会社を再度推薦し、それが通ったらしい。
当然事前に打診はあったようだが、雪花はそれを知らされていなかった。
「鈴木さんにはまた指導員をお願いすることになるが、今回も期待しているよ」
「はい。総務課としても来て頂けるのはありがたいことですし、実習生の方に色々な経験をして頂けるよう、全力を尽くします」
雪花の言葉に嘘はない。
あの頃育児休職を取っていた先輩は第2子の出産休職に入っているため、今も総務課は浦河と雪花の二人体制だ。奇しくも、2年前と同じ状況で実習生を迎え入れることになっていた。実習生が来てくれたら、雪花の業務量も減るだろう。
「実習生の方が来られたら、鳥飼部長の所にもご挨拶に伺いますね。また歓迎会も企画します」
そう伝えると、鳥飼の表情がぱぁっと明るくなる。
久々に見た鳥飼の嬉しそうな様子に、思わず雪花は吹き出してしまった。
「そうか……! よろしく頼むよ」
「はい、また部長おすすめのおいしいお店、教えてください」
――その時、総務課の扉が再度開く。
瞬時に鳥飼が無表情に戻った。
雪花が入ってきた人物に声をかける。
「おはようございます、浦河課長」
「おう、おはよう。あれ? 部長、こんな早くからどうしたんですか」
浦河が怪訝そうな顔で鳥飼を見ると、鳥飼は「鈴木さんに確認事項があっただけだ」と淡々と言って、部屋を出て行った。
雪花は何食わぬ顔で飲むヨーグルトを啜り、ふと口を開く。
「そういえば、先週末のあおいちゃんの運動会、どうでした?」
「あぁ、あいつむちゃくちゃ足速くて、リレーでごぼう抜きしてたわ……俺もかみさんもそんなに運動神経良いわけじゃないからびっくりした」
「へぇ、あおいちゃんすごい!」
浦河がスマホをすいすいと操作して、画面をこちらに向けた。
そこには、満面の笑顔でポーズを決めるあおいと、その隣で穏やかに微笑みを浮かべる綺麗な女性が写っている。
「奥様、お元気そうですね」
「お蔭さまでなー、本当に良かったよ。まぁ浦河家は女性社会で、俺は肩身が狭いんだが……」
軽口を叩く浦河の表情は、その台詞とは裏腹に嬉しそうだ。
雪花も「良いじゃないですか、楽しそうで」と笑顔を返した。
――そして、始業時刻の9時が近付いてくる。
2年前のことを思い出しながら、雪花はメールの処理をしていた。あの時に比べると、想像以上に冷静な自分が居る。浦河も普段と特に変わらない様子で缶コーヒーを飲んでいた。
今回もJAXAの引率はなく、実習生は一人で朝礼に間に合う時間に来るとのことだ。
雪花はちらりとPC画面の右下を見る。8時55分、そろそろだろうか。
――その時、コンコンとノックの音が室内に響いた。
浦河の方を見ると、彼は雪花に頷いてみせる。そして、「どうぞ」と扉に向かって声をかけた。
視線の先で、扉がゆっくりと開かれていく。
その刹那の間に、雪花の中で2年前の記憶が生まれては消えていった。
――あぁ、あの時
あなたはこうして、私達の前に現れたんだ。
雪花の視線の先で、扉は完全に開かれる。
そこに立っていたのは――
――それから、1年半の月日が経過した。
「行ってきます」
雪花は毎朝、そう言って家を出る。
自分以外誰も住んでいないことがわかっていても、つい癖で言ってしまうのだ。
妹の花菜の結婚が決まってから、雪花は一人暮らしをしている。
住み慣れた家ではあったけれど、一人で暮らすには少し広すぎた。色々と考えた結果、半年程前から同じ最寄り駅のマンションに移り住むことにしたのだった。
通勤電車に揺られていると、ポケットに入れたスマホが震える。
取り出してみると、花菜からだった。先週末の結婚式の写真が何枚か送られてきている。
『ねぇ、この写真よくない?』
そうメッセージが添えられていたのは、満面の笑みを浮かべたウエディングドレス姿の花菜と、ブーケを持って恥ずかしげに微笑む雪花のツーショット写真だった。
花菜の結婚式には、新郎新婦の友人を中心に多くのゲストが訪れた。
以前は独身女性をターゲットに行われていたブーケトスだが、最近はゲスト全員参加型で行うことも珍しくないらしい。
とはいえ、親族が参加するのもどうかと遠慮する雪花だったが、「お姉ちゃんも参加して!」と半ば花菜に押し切られる形で参加することになった。
――結果、花菜が投げたブーケは、雪花の手の中に綺麗に収まった。
驚く雪花を祝福するように、会場中から拍手が沸き起こる。
司会者に促され、雪花は花菜と並んで写真を撮り、そのままお色直しをする花菜と共に二人で披露宴会場から退場したのだった。
「私、コントロールには自信あるんだよね」
会場を出たところで、花菜がぼそりと呟く。思わず雪花は目を丸くした。
「まさか、狙ってたの?」
「うん。お姉ちゃんに受け取って欲しかったから」
大したことでもないと言うように、花菜が笑う。
「これまでお世話になった私からのプレゼント――お姉ちゃんは絶対幸せになるひとだもん。何かあったらいつでも言ってね。応援してるから」
あの時のやり取りを思い出しながら、雪花は小さく笑って、『いいね』のスタンプを返した。
そうだ、花菜はいつも私のことを応援してくれた。
2年前、私があのひとと週末に出掛ける時も、色々とコーディネートのアドバイスをしてくれた。
――ふと、脳裏に当時の思い出がよみがえる。
初めて東京スカイツリーに行った時、赤いパンプスを履いていったっけ。出掛ける直前に花菜に言われて、履き替えたんだった。あの時初めて古内さんに逢ったけれど、すごく美人でどうしようかと思った。
2回目の時は二人で上野動物園に行った。あの時の黒いワンピースは花菜のアドバイスで買ったけど、あれ以来もしかしたら着ていないかも知れない。浦河課長とあおいちゃんにばったり逢って、あのひとが倒れてしまったり、色々あった。
最後に二人で出掛けたのは、サンシャインのプラネタリウム。あの時に観た星空、すごく綺麗だった。つくりものかも知れないけれど、そんなこと気にならないくらい。芝生の上に二人で寝転んで星を見つめた時間は、今でも忘れられないひと時だ。
――そして、気付けばいつも、私は夜空に火星を探している。
今年また、火星と地球は最接近を迎えるらしい。
それならばきっと、9,000万kmよりもっと、私達は近付けているのだろう。
――あのひとは、元気にしているだろうか。
雪花はいつものように、7時30分過ぎに会社に到着した。
席に着いてPCを起動し、朝ごはん代わりの飲むヨーグルトをビニール袋から取り出す。今日は気合いを入れるために、ブルーベリー味をチョイスした。
――何故なら、今日は大切な一日だからだ。
総務課の扉が音を立てて開く。顔を上げると、そこには部長の鳥飼が立っていた。
随分と早い出社に「おはようございます」と雪花が驚きながら挨拶をすると、鳥飼は「おはよう」と頷く。
「あいかわらず鈴木さんは朝早いな。いつもこの時間に来ているのか?」
「はい、通勤ラッシュを避けようと思いまして……部長も早いですね」
「あぁ、今日は特別な一日だからな」
そして、鳥飼はにやりと微笑んだ。
「まさか、また我が社で火星人の実習生を受け入れられるとは――願ってもないことだ……!」
――そう、今日から雪花の会社に、また火星人の実習生がやってくる。
発端はJAXAの古内から浦河へのメールだった。
火星人の実習先は各国の宇宙機関が自国の企業を推薦して決定しているそうだが、どうやら古内が雪花達の会社を再度推薦し、それが通ったらしい。
当然事前に打診はあったようだが、雪花はそれを知らされていなかった。
「鈴木さんにはまた指導員をお願いすることになるが、今回も期待しているよ」
「はい。総務課としても来て頂けるのはありがたいことですし、実習生の方に色々な経験をして頂けるよう、全力を尽くします」
雪花の言葉に嘘はない。
あの頃育児休職を取っていた先輩は第2子の出産休職に入っているため、今も総務課は浦河と雪花の二人体制だ。奇しくも、2年前と同じ状況で実習生を迎え入れることになっていた。実習生が来てくれたら、雪花の業務量も減るだろう。
「実習生の方が来られたら、鳥飼部長の所にもご挨拶に伺いますね。また歓迎会も企画します」
そう伝えると、鳥飼の表情がぱぁっと明るくなる。
久々に見た鳥飼の嬉しそうな様子に、思わず雪花は吹き出してしまった。
「そうか……! よろしく頼むよ」
「はい、また部長おすすめのおいしいお店、教えてください」
――その時、総務課の扉が再度開く。
瞬時に鳥飼が無表情に戻った。
雪花が入ってきた人物に声をかける。
「おはようございます、浦河課長」
「おう、おはよう。あれ? 部長、こんな早くからどうしたんですか」
浦河が怪訝そうな顔で鳥飼を見ると、鳥飼は「鈴木さんに確認事項があっただけだ」と淡々と言って、部屋を出て行った。
雪花は何食わぬ顔で飲むヨーグルトを啜り、ふと口を開く。
「そういえば、先週末のあおいちゃんの運動会、どうでした?」
「あぁ、あいつむちゃくちゃ足速くて、リレーでごぼう抜きしてたわ……俺もかみさんもそんなに運動神経良いわけじゃないからびっくりした」
「へぇ、あおいちゃんすごい!」
浦河がスマホをすいすいと操作して、画面をこちらに向けた。
そこには、満面の笑顔でポーズを決めるあおいと、その隣で穏やかに微笑みを浮かべる綺麗な女性が写っている。
「奥様、お元気そうですね」
「お蔭さまでなー、本当に良かったよ。まぁ浦河家は女性社会で、俺は肩身が狭いんだが……」
軽口を叩く浦河の表情は、その台詞とは裏腹に嬉しそうだ。
雪花も「良いじゃないですか、楽しそうで」と笑顔を返した。
――そして、始業時刻の9時が近付いてくる。
2年前のことを思い出しながら、雪花はメールの処理をしていた。あの時に比べると、想像以上に冷静な自分が居る。浦河も普段と特に変わらない様子で缶コーヒーを飲んでいた。
今回もJAXAの引率はなく、実習生は一人で朝礼に間に合う時間に来るとのことだ。
雪花はちらりとPC画面の右下を見る。8時55分、そろそろだろうか。
――その時、コンコンとノックの音が室内に響いた。
浦河の方を見ると、彼は雪花に頷いてみせる。そして、「どうぞ」と扉に向かって声をかけた。
視線の先で、扉がゆっくりと開かれていく。
その刹那の間に、雪花の中で2年前の記憶が生まれては消えていった。
――あぁ、あの時
あなたはこうして、私達の前に現れたんだ。
雪花の視線の先で、扉は完全に開かれる。
そこに立っていたのは――
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