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会社員Aは秘書課の村上さんに逆らえない
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頭の中で鳴るのは、大仰なアラーム音。
決して近付いてはならないと知っていたはずなのに
「安藤くん、何が好き?」
――その甘い声は、ゆっくりと僕の理性を溶かしていく。
『会社員Aは秘書課の村上さんに逆らえない』
幼い頃から聞き分けの良さが一番の取り柄だった。
必要以上に目立たぬことは自身の安寧にも繋がる――それが両親に教えられた人生のルールだ。
平穏な人生を望んだ僕は、その教えの通り日々歩んでいくことを決めた。
右向け右、左向け左、言われるがままに回れ右。ルールを守って整列乗車。横入りする者がいれば心の中で苦々しく思いながらも、顔は平静を装ったままやり過ごす。
尖ったものは嫌われる。出る杭は完膚なきまでに叩きのめされる。勉強も運動もそこそこで良い。平均的な友人達と、カースト中位のコミュニティを形成する。貼り付けた笑みで愛想を振り撒き、良くも悪くも目立つ者からは距離を取る。
驚く程の奇跡も起きないが、苦悩に這い回る程の絶望にも遭わない――これこそが、僕のめざした人生だ。
――そうやって過ごしてきて、早二十六年。
普通の少年から普通の学生、普通の会社員Aへと着実に進化を積み重ね、そこそこの人生を歩んできた僕は、今人生の岐路に立たされている。
目の前では、平均的な僕とはかけ離れた存在が、前菜のオリーブを口に運んでいた。緩やかに巻かれた艶のある黒髪。長い睫毛に縁取られた大きく丸い目。柔らかな桃色に上気した頬。
何も答えられずにビールを煽る僕を見て、彼女は「なぁに」と悪戯っぽく笑った。
オフィスの中でしか聴いたことのない、女子にしては低めのよく通る声がオーダーを始める。ハモン・セラーノ、エビとマッシュルームのアヒージョ、スパニッシュ・オムレツ、イカスミのパエリア……イタリアンとスペイン料理の違いもわからない僕にとっては呪文のような言葉が、彼女の形の良い口唇から放たれては空気中に溶けていく。
――何故、こんなことになったのか。
秘書課の村上さんは社内でも目立つ存在だ。いつも細身で上品なワンピースを身に纏い、朗らかな笑顔で社員達と接している。プライベートは謎に包まれているが左手に指輪はなく、独身の先輩達はおろか既婚者の上司も彼女と話すのを楽しみにしているくらいだ。
そんな訳で、配属された後に一言挨拶は交わしたものの、彼女に話しかける機会が僕まで回ってくることはほとんどなかった。
しかし、たまたま急な顧客アポイントメントが入り、定時間際に彼女の席まで行った。諸々調整を終えた後、どうせ来ないだろうと思いつつ――少し魔が差して、つい声をかけてしまったのだ。
――まさか、笑顔で応じてくれるとは思わなかった。
「素敵なお店、知ってるんだね」
小洒落た店も何も思い付かず、勢いで裏通りにあった小さなバルに飛び込んだが、当たりだったようだ。二杯目のビールを上機嫌に飲む彼女は、オフィスで見る姿よりも親近感を抱かせる。てっきりスパークリングワインとかを嗜むひとだと思っていた。
オーダーした料理が届き始める。彼女に言われるがままに、プレートに並んだバゲットをオリーブオイルに浸し、頬張った。食欲をそそるガーリックの香りと、じんわりとした熱が口いっぱいに広がる。上質な油を差したお蔭か、僕の口はようやく動き方を思い出した。
「――村上さん、何で今日来てくれたんですか」
フォークで突き刺されたエビが、彼女の口に吸い込まれていく。上機嫌にそれを味わった後に、彼女はまたもや微笑む。
「じゃあ、安藤くんは何で私に声をかけてくれたの?」
――僕にもわからない。
この後も平穏無事な会社人生を送るのであれば、こんな冒険をすべきではなかった。
今日のこのささやかな会合が知られただけでも、僕は上司や先輩達に嘲笑われるか、やっかみを受けるか――まぁロクな目には遭わないであろう。
そこそこの男は、身の丈に合った相手を選ぶものだ。誰ともバッティングせず、それでいて後ろ指も指されないような、そこそこの女性を。
しかし、関係先と電話で会話する彼女の声を聴いている内に、謎の衝動が僕の内を蝕み始めたのだ。綺麗なひとだとは思っていたけれど、じっくりとその声を聴いたのは初めてだった。女子らしい華やかさに彩られた高音ではないのに、その穏やかな響きは凛とした輝きを持って空間を震わせていく。
無言で聴き惚れていた僕を、電話を切った彼女の丸い瞳が射抜いた。
――そう、今のこの状況のように。
進むアルコールに思考力を奪われながら、僕と彼女は色々な話をした。仕事の愚痴話、職場の人の噂話、学生の頃のバカ話、果ては彼女が実家で飼っていた犬の話まで。
ベールに包まれていた彼女の真実が明らかになる度に、僕の感情は小さく弾ける。気付けば彼女の瞳も零れそうにとろけていた。
「私短大卒だから、入社は早いけど安藤くんと同い年。だから、タメ語で良いよ」
そんな風に言われて、思わず「じゃあ村上さん、今度遊びに行こうよ」と軽口を叩けるくらいには、僕も酔っている。彼女はにこーっと嬉しそうに笑って、「どうしよっかなぁ」と小首を傾げた。
「イカスミのパエリアです」
真っ黒なパエリアがテーブルの真ん中に運び込まれる。あまりの黒さに、僕は言葉を失った。どんな味がするのか、見当も付かない。そんな僕を置き去りにして、彼女は慣れた手付きでレモンを絞り、別皿に添えられていた白いソースを少しだけ混ぜて、あっという間に取り分けてくれた。
「さすが秘書」
思わず洩れた言葉に、ピースをしてみせる彼女。会社にいる時の落ち着いた姿からは想像できない振舞いに、僕はふはっと笑ってしまった。「何よう」と彼女も笑いながら頬を膨らませる。
その後は二人で黙々と黒い塊を口に運んだ。磯の香りと出汁の味を楽しんでいると、プリプリとしたイカの身がその存在を主張してくる。見た目に反したその美味さに追い立てられて、僕達はあっという間にパエリアを平らげた。
「はー、食べた食べた」
そう言って顔を上げると、口元をナプキンで拭っていた彼女が、小さく吹き出す。不思議に思っていると、彼女は小さな鞄の中から何かを取り出して、「はい」と僕に手渡した。手鏡だ。
「安藤くん、お歯黒になってるよ」
彼女の言う通り、僕の歯は見事に黒く染まっていた。そう笑う彼女の歯は白いままだ。食べ方にコツでもあるのだろうか。憧れの彼女の前で醜態を晒してしまった訳だが、あまりにも楽しそうに彼女が笑うので、僕も思わず笑ってしまった。
すると、彼女はすっと楽しそうな笑顔をしまって、穏やかな微笑みを浮かべる。
「――それ、その笑顔」
「え?」
彼女は残っていたブラッドオレンジジュースを一息に飲み切って、こちらを見つめた。
「本当はどんな表情で笑うのかなって、ずっと気になってて――だから今日、来たんだ」
落ち着いた声が、僕の鼓膜を震わせる。
じんわりと胸の奥が熱くなった。
――感じたことのない衝動に、頭の中でアラーム音が再度鳴り響く。
落ち着け安藤。落ち着け会社員A。
お前はごくごく平均的な一般人だ。
叶いもしない夢を見るな。平穏な人生をゆけ。
――身の丈に合った、恋をしろ。
***
「先日はありがとうございました」
翌週の月曜日、僕は彼女の元を訪れた。
勿論、周囲に人がいない時を見計らって。先輩にも上司にもばれないように。
彼女は顔を上げて、僕を認識すると――にっこりと上品な微笑を浮かべる。
「こちらこそ」
その時、近くの部屋から役員が顔を出した。彼女はすぐに僕から視線を外し、彼の応対を始める。それ以上のやり取りがないことを瞬時に感じ取って、僕はその場を後にした。
――内心、ほっとしていた。
心のどこかで期待をしていなかったかと言えば、嘘になる。
しかし、これで僕はまた、平穏な人生を歩むことができる。
――あれは一夜限りの良い夢だったのだ。
席に戻ると、上司が話しかけてくる。どうやら先輩が流行り病にかかったらしい。このままでは明日の会議資料が間に合わないということで、僕が先輩の代わりに諸々の作業を請け負うことになった。
先週末に運を使い果たしてしまったのだろう。仕方がない。人生はプラスマイナスゼロになるようにできている。
バタバタと仕事に追われていると、あっという間に定時を過ぎた。
客先に向かった上司に資料をメールで送り付け、ようやく僕も任務から解放される。気付けば周囲には誰も残っていなかった。
……腹も減ったし、何か食べて帰るか。
頭の中で店の候補を考えながら立ち上がろうとした時――胸元に入れていた携帯電話が鳴った。
取り出してみると、見慣れない番号だ。こんな時間に、一体誰だろう。
「はい、安藤ですけど」
そう答えた僕の耳に飛び込んできたのは――あの甘い声だった。
『――で、いつ遊びに連れて行ってくれるの?』
その声は、僕の頭の中を瞬時に侵食する。
遠くで鳴り響くアラーム音をどこか他人事のように感じながら――僕は平穏な人生をすんなりと諦めることにした。
(了)
決して近付いてはならないと知っていたはずなのに
「安藤くん、何が好き?」
――その甘い声は、ゆっくりと僕の理性を溶かしていく。
『会社員Aは秘書課の村上さんに逆らえない』
幼い頃から聞き分けの良さが一番の取り柄だった。
必要以上に目立たぬことは自身の安寧にも繋がる――それが両親に教えられた人生のルールだ。
平穏な人生を望んだ僕は、その教えの通り日々歩んでいくことを決めた。
右向け右、左向け左、言われるがままに回れ右。ルールを守って整列乗車。横入りする者がいれば心の中で苦々しく思いながらも、顔は平静を装ったままやり過ごす。
尖ったものは嫌われる。出る杭は完膚なきまでに叩きのめされる。勉強も運動もそこそこで良い。平均的な友人達と、カースト中位のコミュニティを形成する。貼り付けた笑みで愛想を振り撒き、良くも悪くも目立つ者からは距離を取る。
驚く程の奇跡も起きないが、苦悩に這い回る程の絶望にも遭わない――これこそが、僕のめざした人生だ。
――そうやって過ごしてきて、早二十六年。
普通の少年から普通の学生、普通の会社員Aへと着実に進化を積み重ね、そこそこの人生を歩んできた僕は、今人生の岐路に立たされている。
目の前では、平均的な僕とはかけ離れた存在が、前菜のオリーブを口に運んでいた。緩やかに巻かれた艶のある黒髪。長い睫毛に縁取られた大きく丸い目。柔らかな桃色に上気した頬。
何も答えられずにビールを煽る僕を見て、彼女は「なぁに」と悪戯っぽく笑った。
オフィスの中でしか聴いたことのない、女子にしては低めのよく通る声がオーダーを始める。ハモン・セラーノ、エビとマッシュルームのアヒージョ、スパニッシュ・オムレツ、イカスミのパエリア……イタリアンとスペイン料理の違いもわからない僕にとっては呪文のような言葉が、彼女の形の良い口唇から放たれては空気中に溶けていく。
――何故、こんなことになったのか。
秘書課の村上さんは社内でも目立つ存在だ。いつも細身で上品なワンピースを身に纏い、朗らかな笑顔で社員達と接している。プライベートは謎に包まれているが左手に指輪はなく、独身の先輩達はおろか既婚者の上司も彼女と話すのを楽しみにしているくらいだ。
そんな訳で、配属された後に一言挨拶は交わしたものの、彼女に話しかける機会が僕まで回ってくることはほとんどなかった。
しかし、たまたま急な顧客アポイントメントが入り、定時間際に彼女の席まで行った。諸々調整を終えた後、どうせ来ないだろうと思いつつ――少し魔が差して、つい声をかけてしまったのだ。
――まさか、笑顔で応じてくれるとは思わなかった。
「素敵なお店、知ってるんだね」
小洒落た店も何も思い付かず、勢いで裏通りにあった小さなバルに飛び込んだが、当たりだったようだ。二杯目のビールを上機嫌に飲む彼女は、オフィスで見る姿よりも親近感を抱かせる。てっきりスパークリングワインとかを嗜むひとだと思っていた。
オーダーした料理が届き始める。彼女に言われるがままに、プレートに並んだバゲットをオリーブオイルに浸し、頬張った。食欲をそそるガーリックの香りと、じんわりとした熱が口いっぱいに広がる。上質な油を差したお蔭か、僕の口はようやく動き方を思い出した。
「――村上さん、何で今日来てくれたんですか」
フォークで突き刺されたエビが、彼女の口に吸い込まれていく。上機嫌にそれを味わった後に、彼女はまたもや微笑む。
「じゃあ、安藤くんは何で私に声をかけてくれたの?」
――僕にもわからない。
この後も平穏無事な会社人生を送るのであれば、こんな冒険をすべきではなかった。
今日のこのささやかな会合が知られただけでも、僕は上司や先輩達に嘲笑われるか、やっかみを受けるか――まぁロクな目には遭わないであろう。
そこそこの男は、身の丈に合った相手を選ぶものだ。誰ともバッティングせず、それでいて後ろ指も指されないような、そこそこの女性を。
しかし、関係先と電話で会話する彼女の声を聴いている内に、謎の衝動が僕の内を蝕み始めたのだ。綺麗なひとだとは思っていたけれど、じっくりとその声を聴いたのは初めてだった。女子らしい華やかさに彩られた高音ではないのに、その穏やかな響きは凛とした輝きを持って空間を震わせていく。
無言で聴き惚れていた僕を、電話を切った彼女の丸い瞳が射抜いた。
――そう、今のこの状況のように。
進むアルコールに思考力を奪われながら、僕と彼女は色々な話をした。仕事の愚痴話、職場の人の噂話、学生の頃のバカ話、果ては彼女が実家で飼っていた犬の話まで。
ベールに包まれていた彼女の真実が明らかになる度に、僕の感情は小さく弾ける。気付けば彼女の瞳も零れそうにとろけていた。
「私短大卒だから、入社は早いけど安藤くんと同い年。だから、タメ語で良いよ」
そんな風に言われて、思わず「じゃあ村上さん、今度遊びに行こうよ」と軽口を叩けるくらいには、僕も酔っている。彼女はにこーっと嬉しそうに笑って、「どうしよっかなぁ」と小首を傾げた。
「イカスミのパエリアです」
真っ黒なパエリアがテーブルの真ん中に運び込まれる。あまりの黒さに、僕は言葉を失った。どんな味がするのか、見当も付かない。そんな僕を置き去りにして、彼女は慣れた手付きでレモンを絞り、別皿に添えられていた白いソースを少しだけ混ぜて、あっという間に取り分けてくれた。
「さすが秘書」
思わず洩れた言葉に、ピースをしてみせる彼女。会社にいる時の落ち着いた姿からは想像できない振舞いに、僕はふはっと笑ってしまった。「何よう」と彼女も笑いながら頬を膨らませる。
その後は二人で黙々と黒い塊を口に運んだ。磯の香りと出汁の味を楽しんでいると、プリプリとしたイカの身がその存在を主張してくる。見た目に反したその美味さに追い立てられて、僕達はあっという間にパエリアを平らげた。
「はー、食べた食べた」
そう言って顔を上げると、口元をナプキンで拭っていた彼女が、小さく吹き出す。不思議に思っていると、彼女は小さな鞄の中から何かを取り出して、「はい」と僕に手渡した。手鏡だ。
「安藤くん、お歯黒になってるよ」
彼女の言う通り、僕の歯は見事に黒く染まっていた。そう笑う彼女の歯は白いままだ。食べ方にコツでもあるのだろうか。憧れの彼女の前で醜態を晒してしまった訳だが、あまりにも楽しそうに彼女が笑うので、僕も思わず笑ってしまった。
すると、彼女はすっと楽しそうな笑顔をしまって、穏やかな微笑みを浮かべる。
「――それ、その笑顔」
「え?」
彼女は残っていたブラッドオレンジジュースを一息に飲み切って、こちらを見つめた。
「本当はどんな表情で笑うのかなって、ずっと気になってて――だから今日、来たんだ」
落ち着いた声が、僕の鼓膜を震わせる。
じんわりと胸の奥が熱くなった。
――感じたことのない衝動に、頭の中でアラーム音が再度鳴り響く。
落ち着け安藤。落ち着け会社員A。
お前はごくごく平均的な一般人だ。
叶いもしない夢を見るな。平穏な人生をゆけ。
――身の丈に合った、恋をしろ。
***
「先日はありがとうございました」
翌週の月曜日、僕は彼女の元を訪れた。
勿論、周囲に人がいない時を見計らって。先輩にも上司にもばれないように。
彼女は顔を上げて、僕を認識すると――にっこりと上品な微笑を浮かべる。
「こちらこそ」
その時、近くの部屋から役員が顔を出した。彼女はすぐに僕から視線を外し、彼の応対を始める。それ以上のやり取りがないことを瞬時に感じ取って、僕はその場を後にした。
――内心、ほっとしていた。
心のどこかで期待をしていなかったかと言えば、嘘になる。
しかし、これで僕はまた、平穏な人生を歩むことができる。
――あれは一夜限りの良い夢だったのだ。
席に戻ると、上司が話しかけてくる。どうやら先輩が流行り病にかかったらしい。このままでは明日の会議資料が間に合わないということで、僕が先輩の代わりに諸々の作業を請け負うことになった。
先週末に運を使い果たしてしまったのだろう。仕方がない。人生はプラスマイナスゼロになるようにできている。
バタバタと仕事に追われていると、あっという間に定時を過ぎた。
客先に向かった上司に資料をメールで送り付け、ようやく僕も任務から解放される。気付けば周囲には誰も残っていなかった。
……腹も減ったし、何か食べて帰るか。
頭の中で店の候補を考えながら立ち上がろうとした時――胸元に入れていた携帯電話が鳴った。
取り出してみると、見慣れない番号だ。こんな時間に、一体誰だろう。
「はい、安藤ですけど」
そう答えた僕の耳に飛び込んできたのは――あの甘い声だった。
『――で、いつ遊びに連れて行ってくれるの?』
その声は、僕の頭の中を瞬時に侵食する。
遠くで鳴り響くアラーム音をどこか他人事のように感じながら――僕は平穏な人生をすんなりと諦めることにした。
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