サルダドは +3 ウォーハンマー《星砕きのミョルニル》を手に入れた

マツノポンティ さくら

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第9章 追憶

第153話 森の中の道

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斥候せっこうとすれ違った後、なおも一日程度北へ向かって進んだ。

森の中では時間は分かりづらいが、丁度お昼頃だったと思う。一番後ろにいたマスキロが静かに俺たちを呼び止めた。
「みんな少し戻ってもらえないか」
「どうしたんだ」
オレが尋ねると、マスキロはこれまで進んできた方向に向かって右側を指で指し示した。
「こちらにも道があるようだぞ」
その方向に目をやると、確かに木々の間に今まで歩いてきた道よりも、さらにうっすらと、しかし人が踏み固めたような道がある。周囲の枝が打ち払われている様子からそれは単なる獣道けものみちではないと分かった。

「さっきすれ違った連中はここから来たと思うか?」
オレは多分そんなことはないだろうと思いつつ、確認のために問いかけた。
ゲネオスはこのT字路周辺の地面をかなり入念に調べていたが、やがて起き上がると首を振った。斥候はおそらくはこの道の存在に気付かぬまま、北から南に駆け抜けたのだろう。
マスキロは発見した道を見ながら言った。
「こちらの道に向かう積極的な理由はないが、強いて言えば知らない二つの道に挟まれるのはあまり気持ちよくはないかもしれんな」
オレたちはしばし考え込んだ。
「どうする?」
オレが尋ねると、ゲネオスはさらに考えてから「行こう」と言った。
オレたちはゲネオスに従った。

オレたちはこの分岐点まで帰れるよう、今度はしばらく進んだら振り返り、所々に剣で目印をつけながら進んでいった。
というのもこちらの道は、先ほどまで進んできた道と異なりそれなりのアップダウンがあり、ところどころ完全にUターンするような形で道が切られているところもあったからだ。
陽の光が射さない森の中では、これを何回か繰り返すと自分たちがどの方向に進んでいるか分からなくなる。
俺たちは若干不安になりつつも、しかし足元の道は続いていたので、少しずつ前進していった。

体内時計によると間もなく夕方になる頃、急に森が切れた。
少し前から足元の道が変化していて、石などで舗装はされたものではないが、山道とはまったく違う平らに固められていた道を、オレたちは歩いていた。
そして森が切れたと同時に、オレたちは街の中に足を踏み入れていた。
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