サルダドは +3 ウォーハンマー《星砕きのミョルニル》を手に入れた

マツノポンティ さくら

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第8章 海峡の男

第137話 二つの塔

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「ようこそ、高地の街へ!」
街に入ったオレたちに最初の街人まちびとが声をかけてきた。
「そうか、ここは高地の街というのか。そのままだな」
オレが言うと、
「いや、正式な名前はほかにあるのかもしれないよ。高地の街はただのニックネームなのかも」
とゲネオスが返した。

しかし愛想が良かったのは最初の街人だけで、その後すれ違う街人は皆オレたちのことをジロジロ眺めてきた。
宿屋の場所を尋ねても、
「宿屋はここにはないよ。旅人が来ないからね」
とそっけない返事だった。
「仕方ない。せっかく街に来たけど、一旦外に出てまた野宿だな」
とオレが言うと、
「あ~あ、久しぶりにベッドで寝られると思ったのに」
パマーダは空を見上げて嘆息たんそくした。

「旅の方、よろしければ私の家に逗留とうりゅうなさいませんか?」
なんとはなしに街の中をぶらぶらしていると、男が一人、オレたちに声を掛けてきた。
「私の家は広くはありませんが、両親が他界したので空きのベッドがあります。皆さんが泊まることくらいはできるはずです」
それを聞いてパマーダの顔がパッと輝いた。
「それは有り難いんですが、ボクたちのような旅の者が急にお世話になっても構わないんですか?」
ゲネオスが尋ねると、
「全然構いません。宿代も結構です。ただ、、、一つお願いしたいことがあるのです」
そのときオレたちは久々に屋根のあるところで泊まれそうだったので、少々のお願いなら聞く気になっていた。
「オレたちでできることならなんなりと!」

男の家はごく普通の住宅という感じがした。石造りの家が軒を連ねている一画の中にあり、家は2階建になっていた。
2階にはこの男のベッドルームと、おそらくは彼の両親が使っていたベッドルームがあった。1階はほぼ全てがリビングで、小さなキッチンが付属していた。
極めてシンプルな造りだが、リビングの中央に家のサイズの割りには巨大な暖炉が鎮座ちんざしているが唯一目を引いた。
「そういえば名前を聞いてなかったな」
オレが尋ねると男は答えた。
「私ですか? 私の名前はムイースと言います」
オレたちもそれぞれ自己紹介をした。

「街の外の塔はご覧になりましたか?」
「ああ、見たよ。あれはやはり塔なのか?」
「私は塔と呼んでいます。ただ塔として使われていたのかどうかは分かりません。私には別の考えもあります」
どうもあの建造物が今回の依頼に関係しそうだ。
「実は塔はもう一つあるんです。海峡の向こう側に」
「海峡???」
こんな海から離れた高地で海峡の名前が出てくるとは思わなかったので、オレたちは思わず聞き返した。
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