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第7章 砂漠のエルフ(下)
第87話 オークの四人パーティ
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「おかしい」
ゲネオスがため息をつきながら言った。
この山の中のパティオに出てくるのは、最初に足を踏み入れたときを合わせると4回目だ。
オレたちは三つに分かれた道をそれぞれ試した。
しかしそのどれを進んでも、結局この場所に戻ってきてしまう。
最初に選んだ道を進むと、別の道からこのパティオに戻ってきてしまった。
なるほど、三つのうち二つが繋がっているのかと思ったオレたちは残る道を試した。
すると一番最初に入った道からパティオに戻ってくることになる。
混乱したオレたちは、すぐに出てきた道を引き返したが、今度はさらにひどいことに、今入った道から出てきてしまったのだ!
一体どうなっているのか全く分からない。
ひょっとして道の途中に分かれ道があるのを見落としたのだろうか?
そもそも同じ道であっても、入る度に道の形や方向が違うように感じる。
ゲネオスとパマーダは地面にしゃがみ込んでしまった。
マスキロは渋い顔をしている。
「エルフどもめ、妙な魔法を」
そうつぶやいているのが聞き取れた。
「マスキロ、何か気付いたのか?」
「分からん。しかしエルフどもの仕業だろう」
「このままだと先に進めないぞ」
「そうだな……」
マスキロは考え込んでしまった。
しゃがみ込んでいたゲネオスがとっさに跳ね起きた。
見ると腰に差したスティングが青白く輝いている。
ゲネオスはミラヤを背にして、三つに分かれた道に正対した。
そのうちの一つから、人影が浮かび上がった。
オレは手を剣の柄に置いた。
現れたのは我々よりも一回り背の低いクリーチャーだ。既にお馴染みのモンスター、オークである。
全部で4体いて、一人は金属鎧と剣、一人はゆったりとした長衣に武器はメイスを携えている。
その後ろにはローブを纏ってスタッフを抱えたオークと、特に武器はなく丸腰のように見えるオークがいた。
最後のやつは女性のオークだろうか。ご存知のとおりオークの顔からは性別は区別できない(醜すぎて)。しかし彼女(推定)の服は、ボロボロではあるもののなんとなく色合いが女性のもののような気がした。
オークたちはオレたちを見ても剣を鞘から抜くでもなく、かと言って逃げ出す様子もない。
ただノロノロと歩を進めているだけだ。
一言で言うと彼らは疲れ果てていた。
どうもオレたちと同じ状況に陥っているようだ。
さらに山道から現れたのはオークだけではなかった。
その後ろからオークたちの2倍はあろうかという人型の巨大なモンスターが現れた。
プエルトで見たレッサー・デーモンたちよりも大きい。
このモンスターはオークたちと違って、装備どころか服すらほとんど身に纏っていなかった。
髪の毛もほとんどなかったか、筋肉だけは異常に発達しており、全身のモリモリ筋肉だけで危険な空気がビリビリと伝わってくる。
おそらく手で人間の頭を握りつぶすくらいのことはできそうだ。
しかしそのモンスターは腰の辺りに鎖を巻かれ、その鎖の先は女オークが握っていた。
「マスキロ、あれは?」
「オーガーじゃな。剣から手を離すなよ。奴らは見た目よりも俊敏だ。油断をすれば剣を抜く前に間合いを詰められ、装備ごと全身を締め上げられてしまうだろう」
ゲネオスがため息をつきながら言った。
この山の中のパティオに出てくるのは、最初に足を踏み入れたときを合わせると4回目だ。
オレたちは三つに分かれた道をそれぞれ試した。
しかしそのどれを進んでも、結局この場所に戻ってきてしまう。
最初に選んだ道を進むと、別の道からこのパティオに戻ってきてしまった。
なるほど、三つのうち二つが繋がっているのかと思ったオレたちは残る道を試した。
すると一番最初に入った道からパティオに戻ってくることになる。
混乱したオレたちは、すぐに出てきた道を引き返したが、今度はさらにひどいことに、今入った道から出てきてしまったのだ!
一体どうなっているのか全く分からない。
ひょっとして道の途中に分かれ道があるのを見落としたのだろうか?
そもそも同じ道であっても、入る度に道の形や方向が違うように感じる。
ゲネオスとパマーダは地面にしゃがみ込んでしまった。
マスキロは渋い顔をしている。
「エルフどもめ、妙な魔法を」
そうつぶやいているのが聞き取れた。
「マスキロ、何か気付いたのか?」
「分からん。しかしエルフどもの仕業だろう」
「このままだと先に進めないぞ」
「そうだな……」
マスキロは考え込んでしまった。
しゃがみ込んでいたゲネオスがとっさに跳ね起きた。
見ると腰に差したスティングが青白く輝いている。
ゲネオスはミラヤを背にして、三つに分かれた道に正対した。
そのうちの一つから、人影が浮かび上がった。
オレは手を剣の柄に置いた。
現れたのは我々よりも一回り背の低いクリーチャーだ。既にお馴染みのモンスター、オークである。
全部で4体いて、一人は金属鎧と剣、一人はゆったりとした長衣に武器はメイスを携えている。
その後ろにはローブを纏ってスタッフを抱えたオークと、特に武器はなく丸腰のように見えるオークがいた。
最後のやつは女性のオークだろうか。ご存知のとおりオークの顔からは性別は区別できない(醜すぎて)。しかし彼女(推定)の服は、ボロボロではあるもののなんとなく色合いが女性のもののような気がした。
オークたちはオレたちを見ても剣を鞘から抜くでもなく、かと言って逃げ出す様子もない。
ただノロノロと歩を進めているだけだ。
一言で言うと彼らは疲れ果てていた。
どうもオレたちと同じ状況に陥っているようだ。
さらに山道から現れたのはオークだけではなかった。
その後ろからオークたちの2倍はあろうかという人型の巨大なモンスターが現れた。
プエルトで見たレッサー・デーモンたちよりも大きい。
このモンスターはオークたちと違って、装備どころか服すらほとんど身に纏っていなかった。
髪の毛もほとんどなかったか、筋肉だけは異常に発達しており、全身のモリモリ筋肉だけで危険な空気がビリビリと伝わってくる。
おそらく手で人間の頭を握りつぶすくらいのことはできそうだ。
しかしそのモンスターは腰の辺りに鎖を巻かれ、その鎖の先は女オークが握っていた。
「マスキロ、あれは?」
「オーガーじゃな。剣から手を離すなよ。奴らは見た目よりも俊敏だ。油断をすれば剣を抜く前に間合いを詰められ、装備ごと全身を締め上げられてしまうだろう」
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