サルダドは +3 ウォーハンマー《星砕きのミョルニル》を手に入れた

マツノポンティ さくら

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第3章 港町プエルト

第24話 レッサー・デーモン

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マスキロが魔法をかけると倉庫の中の声が聞こえてきた。
たしかに二人で話しているように聞こえる。

A「準備は整ったな。これだけ香辛料を独占すれば、コシネロに勝ち目はない」
B「あとはお前の料理次第だ」
A「それは大丈夫だ。わざわざ料理対決に出るコックを食っちまったんだから」
B「料理対決に優勝し、祭りで振る舞う料理の中に毒を仕込むとは、なかなか手が込んでいるな」
A「その方が手っ取り早くていいだろう」
B「仲間も連れて行くのか?」
A「俺と料理人二人が出場する。お前も来るか?」
B「俺はやることはないが……。まあお前が勝つところを見届けてやろう」

ここで会話が終わり、しばらくすると倉庫の通用口が開いて、一人の男が出て行った。オレ達は死角に移動していたので見つかることはなかった。

男の気配が完全に消えてから、マスキロが口を開いた。
「あれはレッサー・デーモンだ。 まあデーモンの中では小物だな。それでも普通の人間では太刀打ちできないだろうが」
オレはマスキロに尋ねた。
「コックを食ったとか、どういうことだ?」
「奴らは特殊能力を持ったレッサー・デーモン・ディスガイズとレッサー・デーモン・インビジブルだろう。レッサー・デーモン・ディスガイズは人間を食う。そして食った人間の容姿や特技を自分のものにしてしまうんだ」
マスキロは声をひそめてこう続けた。
「コシネロの対戦相手はもうこの世にはいないということだ。弟子の料理人もおそらくは、な」
マスキロを除いて、オレ達は互いに目を見合わせた。

オレは尋ねた。
「もう一つのモンスターは何だったんだ?」
「レッサー・デーモン・インビジブルのことか? 奴は透明なだけだ」
透明なだけ! オレは透明な敵と戦う自分を想像し、ミョルニルが空振りし続ける姿を想像した。

なんにせよモンスターが去ってしまったので、討ち入りはキャンセルになった。
しかし今夜のうちにやることが残っている。
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