サルダドは +3 ウォーハンマー《星砕きのミョルニル》を手に入れた

マツノポンティ さくら

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第2章 白の貴婦人

第11話 ツギノ村のクエスト

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「ツギノ村へようこそ!」

村人はオレ達に会うと微笑みかけてくれたが、腰縄を付けられたオークを見ると怪訝けげんな顔をした。
村にはメインストリートとでも呼ぶべき通りがあり、その両側には農村には似つかわしくない2階建てのしっかりとした作りの大きな建物がいくつもあった。
村人に尋ねると村長の家はすぐに分かった。大きな家だが平屋建てで、こちらはいかにも豪農ごうのうの雰囲気をかもし出している。

「勇者さま、ようこそツギノ村にいらっしゃいました」
村長はオレ達を暖かく迎え入れた。
「早速ですが、この村の近くに外界に瞬時に移動する手段があると聞きました」
ゲネオスがそう切り出した。
「光の扉のことですな」
村長は続けた。
「光の扉というのは、別名旅の扉とも言い、そこをくぐり抜けると全く別の世界に行くことができます。不思議なことに、夏に光の扉を通ると向こうは冬で、冬に通ると夏なのです。そのため、かつては季節違いの食物を交換するのに使っておりました」

村長はさらに続けた。
「そのうち香辛料などという珍しいものも手に入るようになりましたので、村で使い切れなかった分は旅人に売っておったのです。結構な儲けになりました。通りにある建物は、交易のための商館でございます」
ここまで話して村長の表情に暗いものがよぎった。
「しかし最近になって強力なモンスターが光の扉の近くに住み着いてしまいました。それ以来私どもは交易を行うことができずにいます」
一呼吸置くと、村長は居住まいを正してからこう言った。
「勇者さま、再び光の扉を使えるように、モンスターを退治して頂けないでしょうか? 村には交易で栄えた頃の蓄えがありますので、報酬についてはきちんとお支払いします」

オレは口を挟んだ。
「どんなモンスターなのか分かるか?」
「分かりません。しかしオークどもが眷属けんぞくとしてそのモンスターに仕えているようです。オークはそのモンスターのことを貴婦人レディーと呼んでいました。」
オレ達は顔を見合わせ、腰縄を付けたオークを振り返った。
ゲネオスが村長に言った。
「分かりました。そのクエスト引き受けましょう」
丁度良い道案内がいる。
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