8 / 175
第2章 白の貴婦人
第8話 ツギノ村へ行こう
しおりを挟む
「ツギノ村へ行こうと思う。」
酒場に顔を出すとゲネオスがこう切り出した。
「次の村?」
「そうツギノ村だ」
話は噛み合わなかったが、結果としてコミュニケーションは成り立った。
ツギノ村というのは、この城下町から北西に進んだところにある村だ。
「この国は四方を山に囲まれている。唯一開いた街道も、強いモンスターが現れるようになってからは砦を築いて道を閉ざしている状態だ」
ゲネオスは続けた。
「寒いこの季節は山越えは無理だ。しかしツギノ村の近くには外界に瞬時に移動する手段があるという」
「ゲネオスはなぜ外界に行きたいんだ?」
とオレは尋ねた。
「外界に行けばもっと強いモンスターがいる。強いモンスターを辿っていけば、最後には敵のボスに出会えるはずだ」
さすが勇者だ。冒険者になってからも実家で暮らしているオレとはえらい違いだ。
「それに路銀も苦しくなってきた。そろそろ次のクエストを受けないと」
ゲネオスが現実的な話題を言い添えた。
そこへ、パマーダが降りてきた。
「あら? 戦士さん、お久しぶり」
「やあパマーダさん、景気はどう?」
パマーダは答えた。
「さすが城下町はお金持ちのおじさま方がいっぱいいらっしゃるわね。ちょっと”布教”をしただけでいっぱいお布施をもらっちゃった」
こちらはゲネオスより経済力がありそうだ。
「次のクエストの話をしていたんでしょ? 行きましょう。割と高いレートでお布施を頂いちゃったからここには長くいられないの」
詳しい理由はよく分からないが、街の人を出家させようとでもしたのだろうか?
結局、俺たちは明朝出発することで意見が一致した。
マスキロは言わなくても勝手に付いてくるはずだ。
酒場に顔を出すとゲネオスがこう切り出した。
「次の村?」
「そうツギノ村だ」
話は噛み合わなかったが、結果としてコミュニケーションは成り立った。
ツギノ村というのは、この城下町から北西に進んだところにある村だ。
「この国は四方を山に囲まれている。唯一開いた街道も、強いモンスターが現れるようになってからは砦を築いて道を閉ざしている状態だ」
ゲネオスは続けた。
「寒いこの季節は山越えは無理だ。しかしツギノ村の近くには外界に瞬時に移動する手段があるという」
「ゲネオスはなぜ外界に行きたいんだ?」
とオレは尋ねた。
「外界に行けばもっと強いモンスターがいる。強いモンスターを辿っていけば、最後には敵のボスに出会えるはずだ」
さすが勇者だ。冒険者になってからも実家で暮らしているオレとはえらい違いだ。
「それに路銀も苦しくなってきた。そろそろ次のクエストを受けないと」
ゲネオスが現実的な話題を言い添えた。
そこへ、パマーダが降りてきた。
「あら? 戦士さん、お久しぶり」
「やあパマーダさん、景気はどう?」
パマーダは答えた。
「さすが城下町はお金持ちのおじさま方がいっぱいいらっしゃるわね。ちょっと”布教”をしただけでいっぱいお布施をもらっちゃった」
こちらはゲネオスより経済力がありそうだ。
「次のクエストの話をしていたんでしょ? 行きましょう。割と高いレートでお布施を頂いちゃったからここには長くいられないの」
詳しい理由はよく分からないが、街の人を出家させようとでもしたのだろうか?
結局、俺たちは明朝出発することで意見が一致した。
マスキロは言わなくても勝手に付いてくるはずだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
食うために軍人になりました。
KBT
ファンタジー
ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。
しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。
このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。
そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。
父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。
それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。
両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。
軍と言っても、のどかな田舎の軍。
リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。
おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。
生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。
剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる