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残り五ヵ月

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 ルカ達がグニトニルに到着してより一ヵ月が経過した。最初の三週間はローエングリンについての情報を集める事に専念したが、これ以上は有力な情報を得られないと判断してからは戦いの鍛錬を行っている。

「はぁ…はぁ…っ」

 王宮近くにある練兵場でルカは剣術の模擬戦を行っていた。彼の相手を務めるのは、アレクシアだ。ルカの剣は素早く、そして正確だ。さらに相手の動きに対して臨機応変に対処する事も出来ている。しかし、それでもなお…アレクシアには届かない。

(強い…!)

 数々の戦いを経てルカは強くなっていた。しかしアレクシアもまた大きく成長している。ルカと出会ったばかりの頃は奥伝剣士だった彼女も今では叡意剣士。現代において最高峰の剣士と言って差支えがない。しかし、ローエングリンはその上…さらなる高みに立つ武人。アレクシアが現代最高峰ならばローエングリンは紛れもない史上最強の槍使いだ。

(強くならなきゃ…もっと)

 少年は剣の柄を固く握りしめた。
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