追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

アヅサ帰還8

　迷宮ダンジョンの出口まで来ると、そこでは修道騎士達がヴェルナーの帰還を待っていた。彼らに事の顛末を簡単に説明した後、ヴェルナーはルカに向き直る。

「お前達を近くの町の修道騎士団支部に案内したい。ついて来てくれ」

　その申し訳に、安鶴沙がビクリと肩を震わせる。

「し、修道騎士団って、あの牢屋ですかあ！？」

　安鶴沙が修道騎士団支部と聞いて思い出すのは、ルフェール修道騎士団支部で閉じ込められた暗い地下牢である。だが無論、ヴェルナーは安鶴沙を牢に入れようなどとは考えていない。

「修道騎士団支部は牢獄ではない。そういった施設も併設されてはいるが…俺は、お前達を賓客として迎え入れるつもりだ」

「そ、そりゃあそうですよね。あはは…」

「ありがとうございます、ヴェルナーさん。それではお言葉に甘えさせていただきます」

　ルカはヴェルナーの申し出を受け入れた。ヴェルナーは邪神やエリュクスについて詳しい情報は持っていないとの事だったが、それでも修道騎士団といえば対邪神のための組織。この機会に情報交換を行えば、ルカの知らない情報を教えてもらえるかもしれない。