追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

レイミア4

　あたしはあの日出会った魔術師…オイフェに引き取られた。彼女の家は大陸の外れにあるあたしの村よりもさらに辺鄙な所にあり、周りは家ひとつない森の奥だった。そんな辺鄙な場所にありながら、オイフェの家の周囲は薬草園のような広々とした庭園に囲まれている。当時のあたしには、彼女がどうやってこの庭園を維持しているのか分からなかった。

「私はね、弟子を探していたんだ」

　あたしを家に迎え入れて温かいスープを飲ませてくれた後で、オイフェは言った。ちなみに、スープの味はあまり美味しくなかった。

「私の魔術を受け継いでくれる弟子をね。だから、あなたには私の弟子になってもらう」

　あたしはこっくりと頷いた。自分に魔術が使える自信はなんてなかったけれど、それは口にしない事にした。そんな事を言って、オイフェに見放されてまたひとりぼっちになりたくはなかったから。

　それから、あたしはオイフェの期待に応えようと必死に魔術の鍛錬を行った。オイフェはどうも天才肌らしく、教え方は決して上手ではなかった…ように思う。それでも、あたしは彼女の期待に応えようと必死に努力した。そして、その努力の日々は…あたしにとって、とても楽しいものだった。