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二次試験42
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常人がその攻防を目にしたとして、いったい何が起きているのか決して理解は出来なかっただろう。何故ならば、彼女たちの動きはあまりに速すぎた。全身に雷を纏うロストアルフェの攻撃はただの光の一閃にしか見えないだろうし、それを回避するアレクシアとてまともに目に映らないだろう。
だが実際は、アレクシアはロストアルフェの絶え間ない攻撃を避け続けていた。ロストアルフェの何気ない一撃が、アレクシアの放てる最大攻撃…奥伝剣技を遥かに凌駕している。もし一太刀でも食らえばそこで勝負ありだろう。しかし…、アレクシア・ツヴァイクの唇に浮かぶは、確かな自信の笑み。
(避けれる…攻撃を、避ける事が出来る…!)
最初の攻撃を避ける事が出来たのは、ほぼ運だった。その次の攻撃も運の要素が大きい。だが、回避を重ねるにつれ…彼女は『運』でしかなかったそれを、確かな直感へと昇華させていた。戦いの中で彼女の実力はさらなる高みに上りつつあった。
もっとも、『戦いの中で進化する』などというのは生易しい事ではない。そんな事が簡単に出来るならどんな強い相手にも決して負けはしないだろう。だが、今回に限ってはアレクシアにとって有利に働く条件があった。それは、相手がアルトゥース流の剣士であるという事。アルトゥース流とは、アレクシアが幼き頃から研鑽を重ねてきた流派。その使い手の技であれば…、
(戦いの中で学び、見切る事も出来る…!)
そんな読みがあってこその対峙。そして、事実それは成功しつつあった。アレクシアの方から攻撃する事こそまだ叶わないが、防御に徹するならばロストアルフェの攻撃をほぼ完全に避けきる事に成功していた。
しかし、戦いの天秤はロストアルフェに傾く。
「…!」
突如、アレクシアの姿勢が崩れかける。
「…甘いわね」
そんな言葉と共に繰り出されたロストアルフェの一撃。それを寸での所で回避するも、危ない一瞬だった。そして、どうしてそのような事態になったのか…その理由に思い至り、アレクシアは思わず息を飲む。
(私の練気が…切れつつある…!)
確かにアレクシアは戦いの中で急激な進化を見せつつある。だが、それには大きな代償が伴っていた。極度の集中、極度の緊張により、彼女の練気は通常戦闘の数十倍という速度で消費されていたのであった。
だが実際は、アレクシアはロストアルフェの絶え間ない攻撃を避け続けていた。ロストアルフェの何気ない一撃が、アレクシアの放てる最大攻撃…奥伝剣技を遥かに凌駕している。もし一太刀でも食らえばそこで勝負ありだろう。しかし…、アレクシア・ツヴァイクの唇に浮かぶは、確かな自信の笑み。
(避けれる…攻撃を、避ける事が出来る…!)
最初の攻撃を避ける事が出来たのは、ほぼ運だった。その次の攻撃も運の要素が大きい。だが、回避を重ねるにつれ…彼女は『運』でしかなかったそれを、確かな直感へと昇華させていた。戦いの中で彼女の実力はさらなる高みに上りつつあった。
もっとも、『戦いの中で進化する』などというのは生易しい事ではない。そんな事が簡単に出来るならどんな強い相手にも決して負けはしないだろう。だが、今回に限ってはアレクシアにとって有利に働く条件があった。それは、相手がアルトゥース流の剣士であるという事。アルトゥース流とは、アレクシアが幼き頃から研鑽を重ねてきた流派。その使い手の技であれば…、
(戦いの中で学び、見切る事も出来る…!)
そんな読みがあってこその対峙。そして、事実それは成功しつつあった。アレクシアの方から攻撃する事こそまだ叶わないが、防御に徹するならばロストアルフェの攻撃をほぼ完全に避けきる事に成功していた。
しかし、戦いの天秤はロストアルフェに傾く。
「…!」
突如、アレクシアの姿勢が崩れかける。
「…甘いわね」
そんな言葉と共に繰り出されたロストアルフェの一撃。それを寸での所で回避するも、危ない一瞬だった。そして、どうしてそのような事態になったのか…その理由に思い至り、アレクシアは思わず息を飲む。
(私の練気が…切れつつある…!)
確かにアレクシアは戦いの中で急激な進化を見せつつある。だが、それには大きな代償が伴っていた。極度の集中、極度の緊張により、彼女の練気は通常戦闘の数十倍という速度で消費されていたのであった。
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