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二次試験23
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「――今日の所はなんとかなりましたね」
二次試験初日の夜、洞窟内にある横穴。ルカ達はそこで休息しつつ本日の出来事を振り返っていた。
「うん。一次試験終了からそのまま二次試験開始、そしてレーム殿ちゃんによる襲撃…長い一日だった」
「振り返ってみればとても一日の事だなんて思えませんね…でも、無事に乗り越える事が出来てよかったです」
ルカはそう言ってアレクシアにカップを差し出した。中にはハーブティーが入っている。
「わたしがレームちゃんをきちんと捕まえられれば良かったんですけど…」
レームを逃がしたのは自分の責任だと思っているのか、安鶴沙の声には力がない。
「そんな事ないですよ。僕もあのレームさんがゴーレムだと見破ことができませんでした。――あのゴーレムはおそらく、レームさんの切り札だったんでしょう。Gランク冒険者の方を相手に切り札を切らせた…十分な戦果だと思います」
安鶴沙に対して微笑みながら、彼女にもハーブティーを差し出すルカ。ちなみに二人の好みの合わせてそれぞれブレンドを変えている。
「それに、何より…僕は嬉しいんです」
「嬉しい…?」
カップを受け取りながら安鶴沙は首を傾げる。
「はい。一次試験では離れ離れだったアレクシアさん、安鶴沙さんとまた一緒にこうやってパーティを組める…それが、嬉しいんです。きっと三人なら、この試験も乗り越えられるはずです」
「――ああ」
「はいっ…そうですね」
はにかんだような笑顔を浮かべる少年に対して、アレクシアと安鶴沙もまた朗らかな笑みで返した。
二次試験初日の夜、洞窟内にある横穴。ルカ達はそこで休息しつつ本日の出来事を振り返っていた。
「うん。一次試験終了からそのまま二次試験開始、そしてレーム殿ちゃんによる襲撃…長い一日だった」
「振り返ってみればとても一日の事だなんて思えませんね…でも、無事に乗り越える事が出来てよかったです」
ルカはそう言ってアレクシアにカップを差し出した。中にはハーブティーが入っている。
「わたしがレームちゃんをきちんと捕まえられれば良かったんですけど…」
レームを逃がしたのは自分の責任だと思っているのか、安鶴沙の声には力がない。
「そんな事ないですよ。僕もあのレームさんがゴーレムだと見破ことができませんでした。――あのゴーレムはおそらく、レームさんの切り札だったんでしょう。Gランク冒険者の方を相手に切り札を切らせた…十分な戦果だと思います」
安鶴沙に対して微笑みながら、彼女にもハーブティーを差し出すルカ。ちなみに二人の好みの合わせてそれぞれブレンドを変えている。
「それに、何より…僕は嬉しいんです」
「嬉しい…?」
カップを受け取りながら安鶴沙は首を傾げる。
「はい。一次試験では離れ離れだったアレクシアさん、安鶴沙さんとまた一緒にこうやってパーティを組める…それが、嬉しいんです。きっと三人なら、この試験も乗り越えられるはずです」
「――ああ」
「はいっ…そうですね」
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