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二次試験
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「おおおし!それじゃあ只今より!試験開始だ!」
ライズリーが叫ぶ。と共に彼は上空へと顔を向け――ボゥ!と火球を吐いた。それは空高く上がり…中空で爆ぜる。あたかも、試験開始を告げる花火のように。
「――行くぞ!」
「とにかく迷宮へ!」
「試験官から距離を取れ!」
冒険者達の多くが迷宮へ向かって駆け出した。とにかく3時間というアドバンテージを使い、可能な限り狩人たる試験官から距離を取ろうという作戦だ。
「ほら、お姉ちゃん。行くよ」
「う、うん…」
ルカの事が気になっている様子のミーサだったが、彼女も妹に促され迷宮へと駆けていった。
では、当のルカ達はどうしていたのかと言えば――その場に留まっていた。
「…」
と顎に手を当て、沈思黙考するルカ。
「…」
と、試験官のひとり――ロストアルフェ・ツヴァイクの方を見て何やら思う所のある様子のアレクシア。
「え、えーっと…」
と、そんな二人の様子を見比べる安鶴沙。そんな状況がしばらく続いた後、ルカが口を開いた。
「すみません、アレクシアさん、アヅサさん。お待たせしました。ひとまず、当面の方針が決まりました」
アレクシアはロストアルフェから視線を外しルカの方を見る。安鶴沙もまた少年の顔を覗き込んだ。
「まずは――あちらへ移動しましょう」
そう言って、ルカは迷宮…ではなく、その横手に広がる森を指差した。
ライズリーが叫ぶ。と共に彼は上空へと顔を向け――ボゥ!と火球を吐いた。それは空高く上がり…中空で爆ぜる。あたかも、試験開始を告げる花火のように。
「――行くぞ!」
「とにかく迷宮へ!」
「試験官から距離を取れ!」
冒険者達の多くが迷宮へ向かって駆け出した。とにかく3時間というアドバンテージを使い、可能な限り狩人たる試験官から距離を取ろうという作戦だ。
「ほら、お姉ちゃん。行くよ」
「う、うん…」
ルカの事が気になっている様子のミーサだったが、彼女も妹に促され迷宮へと駆けていった。
では、当のルカ達はどうしていたのかと言えば――その場に留まっていた。
「…」
と顎に手を当て、沈思黙考するルカ。
「…」
と、試験官のひとり――ロストアルフェ・ツヴァイクの方を見て何やら思う所のある様子のアレクシア。
「え、えーっと…」
と、そんな二人の様子を見比べる安鶴沙。そんな状況がしばらく続いた後、ルカが口を開いた。
「すみません、アレクシアさん、アヅサさん。お待たせしました。ひとまず、当面の方針が決まりました」
アレクシアはロストアルフェから視線を外しルカの方を見る。安鶴沙もまた少年の顔を覗き込んだ。
「まずは――あちらへ移動しましょう」
そう言って、ルカは迷宮…ではなく、その横手に広がる森を指差した。
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