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一次試験~ルカパーティ5~
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「せっかくじゃ。わしも自己紹介しておくかの…わしの名はフーベルト・ムニエ。アレクシア殿と行動を共にさせてもらった、しがない槍使いのじじいじゃ」
「はじめまして。僕はルカ・ハークレイです」
と、ルカは初対面のフーベルトに対して自らを名乗る。もっとも、フーベルト、という名はミーサとリーシャの二人に聞いてはいたが
「フーベルトさん、ありがとうございました。アレクシアさんと一緒に戦ってくださって」
「なんのなんの、かのレオンハルト殿のご令孫にして天才と名高いアレクシア殿と行動を共にさせていただいた…わしこそ礼を言う立場じゃよ」
フーベルトは人の好い笑みを浮かべた。ちょうどそこで、ブォーン…という角笛の重い音が鳴り響く。
「これは…試験終了の合図…?」
空を見上げれば、ちょうど太陽は中天に登っている。さらに近くにあった小島の影から船が姿を現した。
「あれが迎えの船みたいで…ええ!?」
ルカが船を発見したその直後。それは、異常な速度で港へと近付いてきた。先ほどまでは小さな点のようにしか見えなかった船が、たった数秒でその形が分かるまで近付いている。通常の帆船の数倍の速度は出ているだろう。
そもそもよく目を凝らしてみれば…それは船ではなかった。クジラのような巨大な物体が水の中に潜んでおり、その背に人間の乗るためのスペースが設けられている。そのその上に乗るのは、ひとりの小柄なエルフ。
「あははぁ…君たちから自分の作ったゴーレムの魔力を感じるねぇ…。牙を手に入れたって事だ。うんうん、合格おめでとぅお」
港に到着するなり、そのエルフ…Gランク冒険者虹輪のレームエルヴェフォルクは愉快そうに一同を見回した。
「はじめまして。僕はルカ・ハークレイです」
と、ルカは初対面のフーベルトに対して自らを名乗る。もっとも、フーベルト、という名はミーサとリーシャの二人に聞いてはいたが
「フーベルトさん、ありがとうございました。アレクシアさんと一緒に戦ってくださって」
「なんのなんの、かのレオンハルト殿のご令孫にして天才と名高いアレクシア殿と行動を共にさせていただいた…わしこそ礼を言う立場じゃよ」
フーベルトは人の好い笑みを浮かべた。ちょうどそこで、ブォーン…という角笛の重い音が鳴り響く。
「これは…試験終了の合図…?」
空を見上げれば、ちょうど太陽は中天に登っている。さらに近くにあった小島の影から船が姿を現した。
「あれが迎えの船みたいで…ええ!?」
ルカが船を発見したその直後。それは、異常な速度で港へと近付いてきた。先ほどまでは小さな点のようにしか見えなかった船が、たった数秒でその形が分かるまで近付いている。通常の帆船の数倍の速度は出ているだろう。
そもそもよく目を凝らしてみれば…それは船ではなかった。クジラのような巨大な物体が水の中に潜んでおり、その背に人間の乗るためのスペースが設けられている。そのその上に乗るのは、ひとりの小柄なエルフ。
「あははぁ…君たちから自分の作ったゴーレムの魔力を感じるねぇ…。牙を手に入れたって事だ。うんうん、合格おめでとぅお」
港に到着するなり、そのエルフ…Gランク冒険者虹輪のレームエルヴェフォルクは愉快そうに一同を見回した。
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