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一次試験~ルカ・ハークレイ7~
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叫ぶと同時に、少年は木立ちを抜けて二人の女性冒険者の方へ姿を現していた。
「きゃっ…!」
女性のうち一人が驚きの声をあげ、もうひとりは、
「子供…?」
と怪訝な表情を受かべつつ剣を構える。
驚いた方はまだ10代だと思われる人物で、ルカとさして変わらない小柄な体躯。
怪訝な表情を浮かべた方はおそらく20代の前半。冒険者としてそれなりの場数を踏んで来たのだろう。落ち着いた雰囲気を纏っている。この二人は先輩冒険者と後輩冒険者のコンビ、といった所だろうか。
「すみません、驚かせてしまって…。あなた達に対する敵対の意思はありません」
少年はぱっと手を開き両手を上げて見せた。
「今、お二人が話をされていたアレクシアさんという女性について聞かせてください。パーティメンバーなんです」
「…なるほどね」
先輩冒険者はそれで状況を把握したようだ。
「あなたがアレクシアの話していたルカ・ハークレイ君って事…」
「僕を知ってるんですか?」
「うん。あたし達はね、昨日アレクシア、フーベルトコンビと森の中で遭遇したのよ。…そうそう、自己紹介がまだだったわね。私の名前はミーサ・ラン。この子はリーシャ・ランよ」
と、横の女性を指し示す。姓が同じという事は先輩後輩ではなく姉妹だったようだ
「それで、あたし達はアレクシアコンビと情報の交換を行ったのよ。そこで出て来たのがあなたの名前だったって訳」
「そうだったんですか…」
フーベルトという人物が何者かは分からなかったが、ひとまずアレクシアが無事だったと分かり少年は肩を撫で下ろす。
「アレクシアさん達がどちらへ向かったかは分かりますか?」
「あたし達とは反対側の方向へ向かったから、西側の港ね。もう試験終了まで間もないし、今から追いかけてっても追いつけないわよ、多分」
「そう…ですね」
「まあ、無事で良かったわ。アレクシアはあんたの事を随分と心配してたからね」
「きゃっ…!」
女性のうち一人が驚きの声をあげ、もうひとりは、
「子供…?」
と怪訝な表情を受かべつつ剣を構える。
驚いた方はまだ10代だと思われる人物で、ルカとさして変わらない小柄な体躯。
怪訝な表情を浮かべた方はおそらく20代の前半。冒険者としてそれなりの場数を踏んで来たのだろう。落ち着いた雰囲気を纏っている。この二人は先輩冒険者と後輩冒険者のコンビ、といった所だろうか。
「すみません、驚かせてしまって…。あなた達に対する敵対の意思はありません」
少年はぱっと手を開き両手を上げて見せた。
「今、お二人が話をされていたアレクシアさんという女性について聞かせてください。パーティメンバーなんです」
「…なるほどね」
先輩冒険者はそれで状況を把握したようだ。
「あなたがアレクシアの話していたルカ・ハークレイ君って事…」
「僕を知ってるんですか?」
「うん。あたし達はね、昨日アレクシア、フーベルトコンビと森の中で遭遇したのよ。…そうそう、自己紹介がまだだったわね。私の名前はミーサ・ラン。この子はリーシャ・ランよ」
と、横の女性を指し示す。姓が同じという事は先輩後輩ではなく姉妹だったようだ
「それで、あたし達はアレクシアコンビと情報の交換を行ったのよ。そこで出て来たのがあなたの名前だったって訳」
「そうだったんですか…」
フーベルトという人物が何者かは分からなかったが、ひとまずアレクシアが無事だったと分かり少年は肩を撫で下ろす。
「アレクシアさん達がどちらへ向かったかは分かりますか?」
「あたし達とは反対側の方向へ向かったから、西側の港ね。もう試験終了まで間もないし、今から追いかけてっても追いつけないわよ、多分」
「そう…ですね」
「まあ、無事で良かったわ。アレクシアはあんたの事を随分と心配してたからね」
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