327 / 904
一次試験~ルカ・ハークレイ4~
しおりを挟む
一次試験開始直後から、ルカは安鶴沙とアレクシアを探す事に全力を賭けた。そして二日目、彼は発見した。安鶴沙とアレクシアを――ではなく、魔物に襲われている冒険者を。
少年は魔術増強により威力の高まった『ウィンド・ショック』により魔物を撃退。その冒険者を救出する事に成功。その後、別れた。
それから現在までの数日間は同じような事の繰り返しだった。つまり、困っている冒険者を見つけてはそれを助け、さらに見つけてはそれを助け――を延々と繰り返してきたという訳だ。
今この島にいるのはSランク試験の参加者のみ。つまり、ルカが助けてきたのは合格を争うライバル達である。本来ならばそんな者のために少年が労を惜しむ必要はなかった。だが、目の前で困っている人がいて、自分がその力になれるのであれば助けずにはいられない…それがルカ・ハークレイという少年だった。
もっとも、ルカにとって全く益の無い行為でもなかった。ルカは冒険者を助けるたびに『もしアレクシアとアヅサを見つけたら助けになって欲しい』という趣旨の内容を伝えていた。これでアレクシアや安鶴沙と合流出来ずとも、彼女が安全にこの試験を切り抜けられる可能性が上がるというものだ。
しかし、その結果として彼は現在一次試験合格の鍵であるゴーレムの牙を入手する事が出来ずにいた。
それどころか、今日の午前中には毒のある食物を食べてしまった3名の冒険者を発見。現在、彼らのために解毒薬を作っている最中である。試験終了まで24時間を切ったこの状況で、身動きの取れない冒険者3名を抱え込んでしまっている。一次試験合格は絶望的と言えた。
少年は魔術増強により威力の高まった『ウィンド・ショック』により魔物を撃退。その冒険者を救出する事に成功。その後、別れた。
それから現在までの数日間は同じような事の繰り返しだった。つまり、困っている冒険者を見つけてはそれを助け、さらに見つけてはそれを助け――を延々と繰り返してきたという訳だ。
今この島にいるのはSランク試験の参加者のみ。つまり、ルカが助けてきたのは合格を争うライバル達である。本来ならばそんな者のために少年が労を惜しむ必要はなかった。だが、目の前で困っている人がいて、自分がその力になれるのであれば助けずにはいられない…それがルカ・ハークレイという少年だった。
もっとも、ルカにとって全く益の無い行為でもなかった。ルカは冒険者を助けるたびに『もしアレクシアとアヅサを見つけたら助けになって欲しい』という趣旨の内容を伝えていた。これでアレクシアや安鶴沙と合流出来ずとも、彼女が安全にこの試験を切り抜けられる可能性が上がるというものだ。
しかし、その結果として彼は現在一次試験合格の鍵であるゴーレムの牙を入手する事が出来ずにいた。
それどころか、今日の午前中には毒のある食物を食べてしまった3名の冒険者を発見。現在、彼らのために解毒薬を作っている最中である。試験終了まで24時間を切ったこの状況で、身動きの取れない冒険者3名を抱え込んでしまっている。一次試験合格は絶望的と言えた。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
284
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる