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一回戦第五試合
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「これで一回戦の半分が終わりましたね」
ルカが言った。
一回戦は全8試合。そのうちの4試合が終了。勝ち残ったのは、ルカ、ドンズ、ローエングリン、ソランジュの4名だ。
「次の試合でルカ君と対戦するのはドンズさん、準決勝で当たるのはローエングリンさんかソランジュさんのどちらかって事ですねえ」
「ここまで勝ち残った選手は、全員一回戦を圧勝してますから…強敵揃いですね」
ルカは気負いを隠せない面持ちだ。そんな彼に安鶴沙は微笑みかける。
「でも、それを言うならルカ君も一回戦を圧勝してるじゃないですかあ!イケますって!」
ルカ達がそんな会話をする最中、試合場では次の試合の準備が進められていた。
◇
アルトゥース流剣術、ドライスタン流剣術、パルツィヴァール流槍術の三流派で中伝の位階を持つ男。モージ・アギヨン。
アルトゥース流剣術中伝、攻撃魔術中伝の冒険者、ヴィグネル・ダガ。
両名が試合場で向かい合う。
モージは全身日に焼けた陽気そうな風貌の男。その見た目通りの性格らしく、審判が注意事項を説明している間もリズムよくステップを踏んでいた。彼の頭の中では常に音楽が流れているのだろう。
ヴィグネルは軽武装に身を包んだ二十代の女性。茶色の瞳に茶色の髪。あまり派手な風貌ではないが、それなりに場数を踏んだ冒険者らしく落ち着いている。
試合が始まると当初二人は互角の戦いを見せた。両者の実力は五分と五分。少なくとも、観客の目にはそう映った。しかし、徐々にヴィグネルが押されはじめる。互角と見えた戦いだったが、モージの方が経験豊富だったようだ。ヴィグネルの弱点を看破し、そこを突き始めたのだ。
だがここでヴィグネルが起死回生を狙う。
「付与・炎!」
自身の剣に炎属性の付与魔術を行使した。彼女の持つ剣が炎を帯びる。
「これで――!」
赤々と燃える剣を振りかぶるヴィグネル。しかし――、
「あらよっと!」
モージの剣がヴィグネルの小手を打った。
「くっ…!」
ヴィグネルは剣を落とす。慌てて副武装に切り替えようとするが、モージの追撃が一歩早かった。ヴィグネルの額に突きつけられる刃。
「…参りました」
ヴィグネルは悔し気に目を伏せつつ敗北を受け入れた。
一回戦第五試合 モージ・アギヨンvsヴィグネル・ダガ…勝者、モージ・アギヨン
ルカが言った。
一回戦は全8試合。そのうちの4試合が終了。勝ち残ったのは、ルカ、ドンズ、ローエングリン、ソランジュの4名だ。
「次の試合でルカ君と対戦するのはドンズさん、準決勝で当たるのはローエングリンさんかソランジュさんのどちらかって事ですねえ」
「ここまで勝ち残った選手は、全員一回戦を圧勝してますから…強敵揃いですね」
ルカは気負いを隠せない面持ちだ。そんな彼に安鶴沙は微笑みかける。
「でも、それを言うならルカ君も一回戦を圧勝してるじゃないですかあ!イケますって!」
ルカ達がそんな会話をする最中、試合場では次の試合の準備が進められていた。
◇
アルトゥース流剣術、ドライスタン流剣術、パルツィヴァール流槍術の三流派で中伝の位階を持つ男。モージ・アギヨン。
アルトゥース流剣術中伝、攻撃魔術中伝の冒険者、ヴィグネル・ダガ。
両名が試合場で向かい合う。
モージは全身日に焼けた陽気そうな風貌の男。その見た目通りの性格らしく、審判が注意事項を説明している間もリズムよくステップを踏んでいた。彼の頭の中では常に音楽が流れているのだろう。
ヴィグネルは軽武装に身を包んだ二十代の女性。茶色の瞳に茶色の髪。あまり派手な風貌ではないが、それなりに場数を踏んだ冒険者らしく落ち着いている。
試合が始まると当初二人は互角の戦いを見せた。両者の実力は五分と五分。少なくとも、観客の目にはそう映った。しかし、徐々にヴィグネルが押されはじめる。互角と見えた戦いだったが、モージの方が経験豊富だったようだ。ヴィグネルの弱点を看破し、そこを突き始めたのだ。
だがここでヴィグネルが起死回生を狙う。
「付与・炎!」
自身の剣に炎属性の付与魔術を行使した。彼女の持つ剣が炎を帯びる。
「これで――!」
赤々と燃える剣を振りかぶるヴィグネル。しかし――、
「あらよっと!」
モージの剣がヴィグネルの小手を打った。
「くっ…!」
ヴィグネルは剣を落とす。慌てて副武装に切り替えようとするが、モージの追撃が一歩早かった。ヴィグネルの額に突きつけられる刃。
「…参りました」
ヴィグネルは悔し気に目を伏せつつ敗北を受け入れた。
一回戦第五試合 モージ・アギヨンvsヴィグネル・ダガ…勝者、モージ・アギヨン
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