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一回戦突破2

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「へえ、レームちゃんも冒険者だったんですねえ」

「そうさ。まあ、大した事ない冒険者だけどね」

「わたしはFランクの駆け出しなんですけど、レームちゃんは?」

「自分かい?自分はGランクさぁ」

「Gですか…ふうむ、お互い駆け出しって事ですねえ」

「ま、そんな感じだねぇ」

 安鶴沙とレームがそんな話をしていると、アレクシアとルカが観客席に姿を現した。

「あっ!ルカ君!」

 安鶴沙が笑顔を浮かべながら立ち上がる。

「一回戦突破おめでとうございます!」

「はい、ありがとうございます」

 そう言って少年も笑みを返した。

「いやいや、いい戦いだったよルカ君。さすがは自分の見込んだ人物だねえ」

 と、レームもルカを称える。

「…?はい、ありがとうございます」

 やや戸惑いつつもレームに礼を述べるルカに、安鶴沙が歩み寄った。

「いや~、ルカ君が見事な勝利を納めてくれて、師匠であるわたしも鼻が高いですよ。…なーんて、わたしの伝授した技の出番はありませんでしたけどねえ」

「でも、これから先強敵と当たる上でアヅサさんに教えて貰った技術はきっと役に立つと思います。伝授してもらった技を、きっと役立てて見せます」

「これから先当たる敵って言うと…まずは、一回戦第二試合の勝者だねえ。アルトゥース流剣術準修伝のライモンド・ガイモと、ガーヴァーン流剣術中伝のドンズ・クアドラドのどちらかって事だ」

 レームが試合場へ目を向ける。そこでは、すでに次の試合の準備が進められていた。アレクシア、安鶴沙も試合場へと視線を移した。しかし、ただひとり…ルカだけは不思議そうにレームを見つめる。

 まるで『ずっとこの4人で一緒に冒険してました』という感じの雰囲気を出しているが、レームとルカは初対面だ。

「えっと、あの…あなたは…?」

 ルカが問いかけると、レームは、

「ああ、自己紹介を忘れてたねえ」

 と立ち上がった。

「私の名前はレーム。通称物知りレームちゃん。まあ、駆け出し冒険者…みたいなもんさぁ。アレクシアやアヅサとはたまたま席が近くでね。一緒に観戦させてもらってるって訳なんだ」

「そうだったんですね。よろしくお願いします、レームさん。僕は…」

「ああ、言われなくても分かってるよ。ルカ・ハークレイ君だろぅ?君の事は二人に色々と聞かされてるからねぇ。格好いいとか、可愛いとか、素敵だとか、撫でたいとか、舐めたいとか…」

「い、言ってません!舐めたいは言ってませんよ!」

 安鶴沙が慌てて突っ込みを入れる。

「えぇ?言ってなかったかい?」

「言ってませんよ!…たぶん」

「…」

 そこは多分ではなく、はっきりと『言っていない』と断言して欲しいルカだった。
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