追放された少年は『スキル共有スキル』で仲間と共に最強冒険者を目指す

新メンバー2

　少女は早く寝ようとルカを急かしたが、その前にやる事があった。入浴だ。三人は部屋に荷物を置いた後で公衆浴場に行き、男女に別れゆっくりと湯に浸かった。

　そして再び部屋へと戻る。

　部屋の中にはひとつのベッドと三人の人間。

　三人とも湯上りという事で、その肌はしっとりと湿り頬はやや上気している。服装は全員、麻で出来た半袖シャツに半ズボンという恰好だ。

　少女は、

「いやあ、いかにも中世って感じの服装でいいですねえ…」

　と、この服装の事を喜んでいたがルカには『中世』とはどういう意味かよく分からなかった。さらに続けて、

「ただ、ちょっと伸縮性に欠けるのが難点というか…胸が苦しいというか…」

　とも呟く。確かにその言葉の通り、少女の胸は苦しそうにシャツを押し上げていた。

　セーラー服の時はそこまで目立たなかったが、少女がかなり豊満な胸の持ち主だったためだ。単純な胸の大きさという点ではアレクシアの方が上だが、少女の方が背が低いため体のバランスで見た場合少女の胸もアレクシアに引けを取ってはいない。

　何にせよ――これから、この三人で抱き合って寝る事になるのだ。

　少女はルカの方をチラチラと見つつ、

「はう…美少年の半ズボン…」

　と、感極まったような声を漏らしている。

「さて、それじゃあ寝ようか」

　アレクシアはそう言って、ルカの手を引きながらベッドへ入ろうとする。しかし、

「あ、あの…やっぱり、僕は床に毛布を敷いて寝る事にしようかと思うんですけど…」

　とルカはベッドに入るのを拒もうとした。だが、

「駄目だよ」

「駄目ですよ！」

　アレクシアと少女。二人から却下された。

「私は君に何度も助けられたんだ。その恩人である君が床に寝て、その横で私がベッドで眠るなんて出来る訳がないだろう？」

「そうですよ！早くその体をわたしに抱きしめさせ…い、いえいえ、とにかく寝ましょう！」

　アレクシアも少女も譲る気はないようだ。

　結局、二人に押し切られる形でルカは女性二人と眠るはめになったのだった。