よくあるある

緊張し過ぎた結果

学生時代に
必修科目で、茶道があった。


茶道の時間はいつも午後。

茶菓を食べて、それからお茶をいただく。

お茶は苦くても、その前のお菓子でちょうど良くなる。

空腹なお腹もちょうど良くなる♪


お茶を立てる時、茶筅(ちゃせん)を使う。

素早く縦にカシカシと動かすと、あら不思議！

粉とお湯だけだったのが、泡の立った綺麗なグリーンに変身‼︎

この『泡』を上手く立てるのがポイント。


いよいよ私の番！

お手前をみんなに見られているのですごく緊張する。


カシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシ！
…？
カシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシ‼︎
……⁇
カシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシ‼︎

なんで泡立たへんの？

力任せに思いっきり手首を動かす。

カシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシカシ‼︎

ハァハァハァ…。
おかしい…。


でもこれ以上続けるのは無理！

開き直って茶筅を置き

「どうぞ」とお茶を差し出すと

先生がいきなり

「茶…茶筅が‼︎」

と高く持ち上げて見てるではないか？


みんな一緒に見つめる。


「茶筅の先…曲がっている…ね…」

同級生がポツリと言った。

「曲がってるね」

「ほんとだ。曲がってる」

先生がさらに一言

「これは…もうダメだな。高かいものだったのに…」

サーーーーーーーッ！
(血の気が引く音)

なんで安いのにしてくれなかったのぉおおおおおお⁉︎


今でも苦い思い出。