4 / 42
お迎えです
しおりを挟む
もうすぐ緩いカーブを抜けてスーパーの前に差し掛かる。
いつもと違う
何かが違う…
《もうすぐお迎えに行きますよ》
え?……だ…誰だ⁉︎
前‼︎
ブッ‼︎ ブレーキかけないと‼︎
ドン‼︎
ガッシャーーーン‼︎
ウワァアアアア⁉︎
ブレーキが間に合わず、俺はバイクと共に 思いっきり電柱にぶつかってしまった!
瞬間 腹に激痛が走る‼︎
バイクは俺から離れ
俺は!
俺は…空を飛んでいる⁉︎
空を飛んでいる…⁇
宙を舞ったあと 地面に身体ごと叩きつけられた!
ドスン‼︎
身体中に鈍い音。
ウウッ‼︎
痛い‼︎
息ができない⁉︎
誰か…
誰か‼︎
身体が動かない!
声が出せない‼︎
ナゼ? ドウシテ?
起きたいのに起きれない!
誰かが話しかけてくる
何を言ってるんだ?
キコエナイ…キコエナイ‼︎
俺は
嫁を迎えに行かないと…
待ってるんだ…
行かないと‼︎
耳元が騒がしい。
ナニヲ イッテイルノ カ ワカラナイ…
誰かが身体に触っているようだ。
痛いのは腹なのに
声を出せない…
胸を…何度も何度も押されている…
どんどん…気が…遠くなって…
次に気がついた時
俺は台の上に寝かされているようだった。
辺りはひんやりと冷たい。
近くで誰かが泣いている。
叶和子か⁉︎
なに泣いてんだ?
俺 何もしてないよ?
あれ?
俺 迎えに行ったっけ?
「おい!おーい!何やってんの?もしもーし?おーい!」
今度は妹か?
《うるさいな!聴こえてるよ!》
って、俺の声 出ない‼︎
両親もいる。
みんなどうしたってんだ?
…そう言えば 俺 バイクで電柱にぶつかって
それから…どうした?
耳は聴こえるのに
目が開かない
手足も動かない
声も出せない
なぜだ⁉︎
「やっと気が付きましたかぁ~?」
聞き慣れない男の声がする。
『誰だ⁉︎』
「突然失礼いたします。わたくし、こういう者です」
黒いスーツにネクタイ。
長い髪を後ろで結んだサングラスの男。
男は胸のポケットから名刺を差し出してきた。
無限会社【お迎えです】
案内人 NAMAE NAI
無限会社 お迎えだ?
案内人…ナマエ ナイ…?【名前ない】?
ハァ⁉︎
『何だ?お前ふざけてんのか?』
「やだなぁ。ふざけてなんかいませんよ?書いてある通りです」
サングラスの男はサラリと言い返す。
俺はむしゃくしゃしてきた。
思うようにならない自分にも腹が立っていたのかもしれないが、
特にこんなヘラヘラした奴 相手にするのも面倒くさい‼︎
「あ、今 面倒くさいって思ったでしょ?」
サングラス越しに笑っているのが分かる。
『俺の思ってること わかんのか?』
「そりゃ分かりますよ~。大丈夫。みんな初めはそうなんです。自分が今どういう状況にいるのか、理解できませんからね~」
コンノヤロー⁉︎
ぶん殴ってやろうか⁉︎
え…?状況?
「那智 和彦さん。冒頭で年齢は適当に…とありますが、40歳でお間違いないですよね?」
『俺のことを知っているのか?』
「はい、そりゃもう!生まれてから本日までの事、全てこのファイルに記載済みですから」
男はA4サイズの分厚くて白いファイルを取り出した。
って、一体何処にそんな重たいものを隠し持っていたんだ⁉︎
パラパラめくりながら次々と読み上げる。
「ええと、本日 17:35 〇〇スーパーの前をバイクにて走行中 電柱に激突。その後救急車で運ばれましたが、車内にて呼吸停止。病院到着後 医師により開胸され直接心臓をマッサージされましたが…残念ながらそのまま お亡くなりになりましたぁ~」
は?お亡くなり…?
『ちょっとそれを見せろ‼︎』
「ああ!ダメですよ‼︎」
俺は男が観ていたそのファイルを無理矢理奪い取った。
しかし、中には文字など書かれていない。
ここも、ここも⁉︎
あちこちページをめくってみるが
どこにも何も書いてない無いじゃないか?
俺は思いっきり笑ってやった。
『ハハハ!何も書いてないないじゃないか。冗談にも程があるぞ‼︎』
そう言いながら男にファイルを突き返した。
「だからぁ、ダメなんですって。ここに書いてある事は、我々じゃなきゃ見えないんです。大事な書類ですからね」
男はファイルをパタンと閉じた。
「さて、そろそろお気づきになってもよろしいんじゃないですかね?ご自分がお亡くなりになったこと」
『俺は死んでなんかいない‼︎元にこうして…‼︎』
「こうして?」
こ…こうして…
何で俺は…
上から『俺』を観ているんだ…⁇
サングラスの男を見る。
隣に居る。
足元を見る。
浮いていやがる。
俺の足元を見る。
俺も…浮いていやがる~⁉︎
いつもと違う
何かが違う…
《もうすぐお迎えに行きますよ》
え?……だ…誰だ⁉︎
前‼︎
ブッ‼︎ ブレーキかけないと‼︎
ドン‼︎
ガッシャーーーン‼︎
ウワァアアアア⁉︎
ブレーキが間に合わず、俺はバイクと共に 思いっきり電柱にぶつかってしまった!
瞬間 腹に激痛が走る‼︎
バイクは俺から離れ
俺は!
俺は…空を飛んでいる⁉︎
空を飛んでいる…⁇
宙を舞ったあと 地面に身体ごと叩きつけられた!
ドスン‼︎
身体中に鈍い音。
ウウッ‼︎
痛い‼︎
息ができない⁉︎
誰か…
誰か‼︎
身体が動かない!
声が出せない‼︎
ナゼ? ドウシテ?
起きたいのに起きれない!
誰かが話しかけてくる
何を言ってるんだ?
キコエナイ…キコエナイ‼︎
俺は
嫁を迎えに行かないと…
待ってるんだ…
行かないと‼︎
耳元が騒がしい。
ナニヲ イッテイルノ カ ワカラナイ…
誰かが身体に触っているようだ。
痛いのは腹なのに
声を出せない…
胸を…何度も何度も押されている…
どんどん…気が…遠くなって…
次に気がついた時
俺は台の上に寝かされているようだった。
辺りはひんやりと冷たい。
近くで誰かが泣いている。
叶和子か⁉︎
なに泣いてんだ?
俺 何もしてないよ?
あれ?
俺 迎えに行ったっけ?
「おい!おーい!何やってんの?もしもーし?おーい!」
今度は妹か?
《うるさいな!聴こえてるよ!》
って、俺の声 出ない‼︎
両親もいる。
みんなどうしたってんだ?
…そう言えば 俺 バイクで電柱にぶつかって
それから…どうした?
耳は聴こえるのに
目が開かない
手足も動かない
声も出せない
なぜだ⁉︎
「やっと気が付きましたかぁ~?」
聞き慣れない男の声がする。
『誰だ⁉︎』
「突然失礼いたします。わたくし、こういう者です」
黒いスーツにネクタイ。
長い髪を後ろで結んだサングラスの男。
男は胸のポケットから名刺を差し出してきた。
無限会社【お迎えです】
案内人 NAMAE NAI
無限会社 お迎えだ?
案内人…ナマエ ナイ…?【名前ない】?
ハァ⁉︎
『何だ?お前ふざけてんのか?』
「やだなぁ。ふざけてなんかいませんよ?書いてある通りです」
サングラスの男はサラリと言い返す。
俺はむしゃくしゃしてきた。
思うようにならない自分にも腹が立っていたのかもしれないが、
特にこんなヘラヘラした奴 相手にするのも面倒くさい‼︎
「あ、今 面倒くさいって思ったでしょ?」
サングラス越しに笑っているのが分かる。
『俺の思ってること わかんのか?』
「そりゃ分かりますよ~。大丈夫。みんな初めはそうなんです。自分が今どういう状況にいるのか、理解できませんからね~」
コンノヤロー⁉︎
ぶん殴ってやろうか⁉︎
え…?状況?
「那智 和彦さん。冒頭で年齢は適当に…とありますが、40歳でお間違いないですよね?」
『俺のことを知っているのか?』
「はい、そりゃもう!生まれてから本日までの事、全てこのファイルに記載済みですから」
男はA4サイズの分厚くて白いファイルを取り出した。
って、一体何処にそんな重たいものを隠し持っていたんだ⁉︎
パラパラめくりながら次々と読み上げる。
「ええと、本日 17:35 〇〇スーパーの前をバイクにて走行中 電柱に激突。その後救急車で運ばれましたが、車内にて呼吸停止。病院到着後 医師により開胸され直接心臓をマッサージされましたが…残念ながらそのまま お亡くなりになりましたぁ~」
は?お亡くなり…?
『ちょっとそれを見せろ‼︎』
「ああ!ダメですよ‼︎」
俺は男が観ていたそのファイルを無理矢理奪い取った。
しかし、中には文字など書かれていない。
ここも、ここも⁉︎
あちこちページをめくってみるが
どこにも何も書いてない無いじゃないか?
俺は思いっきり笑ってやった。
『ハハハ!何も書いてないないじゃないか。冗談にも程があるぞ‼︎』
そう言いながら男にファイルを突き返した。
「だからぁ、ダメなんですって。ここに書いてある事は、我々じゃなきゃ見えないんです。大事な書類ですからね」
男はファイルをパタンと閉じた。
「さて、そろそろお気づきになってもよろしいんじゃないですかね?ご自分がお亡くなりになったこと」
『俺は死んでなんかいない‼︎元にこうして…‼︎』
「こうして?」
こ…こうして…
何で俺は…
上から『俺』を観ているんだ…⁇
サングラスの男を見る。
隣に居る。
足元を見る。
浮いていやがる。
俺の足元を見る。
俺も…浮いていやがる~⁉︎
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる