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私と星岬
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「わーーーい!抱っこしてー!」
「岬は本当に甘えん坊だなー、」
「全く、岬は誰に似たんですかねー」
どこにでも聞く幸せそうな家族の会話。
それが私が誕生日の夜に見た夢だった。
あー、この夢はきっと私が小さかった頃のいつも星岬で遊んでいた時の私とおじいちゃんとお母さんの会話かー。懐かしいな。なんて思いつつも夢を見続ける。
「わしわこんな孫を見れて幸せ者じゃ。これで心置きなく死ねるってもんじゃー。」
「そうですねー。」
遠くに座っている人影から声がする。
「ちょっとお義父さん、お義母さん、まだまだ長生きしてくださいよ。」
「そうだぞ、親父、お袋、親父には岬の子供が生まれてくるまで生きててもらわないと困るんだから」
どうやら5人いるらしい。
私と、母と、祖父と、祖母と。
待って。あと1人どうしても足りない。私が抱っこを求める人。どこか懐かしい匂いが私の鼻の奥を刺激する。どこかで感じたあの香り。
頭の中で何か暴れている。感じたことのない痛み。
夢の中が白く靄がかかったように霞んでいく。
そこにいるのは誰か分からない。しかし私が楽しそうに話す男の人の声が響く。
「岬ー、星岬は好きか?」
「うん!だいすき!」
無邪気な笑顔で返す。
「この星岬の一本松の木下にタイムカプセルを埋めよう!岬がおねいさんになったら掘り返しに来よう。
といっても、私がそこまでこの世にいられたらの話だけどね。」
周りに重い空気が流れる。
目の前が真っ暗になった。かすかに聞こえる潮騒が私の耳をなぞりながら遠くへ消えていく。それに混じり宮崎菫の可愛らしい吐息が聞こえる。
夢から覚めた。不思議な夢だった。
私はふと思う。私には父がいて私は小さい時まで父と暮らし一緒に遊んだり暮らしたりしていた。
あの夢のように。なぜだかそんな気がしてきた。
でもなぜだろう。それなら家族揃って私が生まれるのと同時に父は亡くなったなんて嘘は言わないはずだ。何かそう言わざるおえない理由があるのだろうか。
なぜなぜが頭を占領しとてもじゃないが寝れる気なんてしなかった。そんなこんなで二度寝時計は4時半を回っていた。このまま考えてもバカな頭がさらにバカになると思い外に出た。
残暑残る昼間に比べ一変。澄んだ空気がとても気持ちよく白みかかった空がなんとも言えない幻想的な美しさがそこにあった。辺りの景色に見とれながら
私はいつものように星岬へ向かった。
「岬は本当に甘えん坊だなー、」
「全く、岬は誰に似たんですかねー」
どこにでも聞く幸せそうな家族の会話。
それが私が誕生日の夜に見た夢だった。
あー、この夢はきっと私が小さかった頃のいつも星岬で遊んでいた時の私とおじいちゃんとお母さんの会話かー。懐かしいな。なんて思いつつも夢を見続ける。
「わしわこんな孫を見れて幸せ者じゃ。これで心置きなく死ねるってもんじゃー。」
「そうですねー。」
遠くに座っている人影から声がする。
「ちょっとお義父さん、お義母さん、まだまだ長生きしてくださいよ。」
「そうだぞ、親父、お袋、親父には岬の子供が生まれてくるまで生きててもらわないと困るんだから」
どうやら5人いるらしい。
私と、母と、祖父と、祖母と。
待って。あと1人どうしても足りない。私が抱っこを求める人。どこか懐かしい匂いが私の鼻の奥を刺激する。どこかで感じたあの香り。
頭の中で何か暴れている。感じたことのない痛み。
夢の中が白く靄がかかったように霞んでいく。
そこにいるのは誰か分からない。しかし私が楽しそうに話す男の人の声が響く。
「岬ー、星岬は好きか?」
「うん!だいすき!」
無邪気な笑顔で返す。
「この星岬の一本松の木下にタイムカプセルを埋めよう!岬がおねいさんになったら掘り返しに来よう。
といっても、私がそこまでこの世にいられたらの話だけどね。」
周りに重い空気が流れる。
目の前が真っ暗になった。かすかに聞こえる潮騒が私の耳をなぞりながら遠くへ消えていく。それに混じり宮崎菫の可愛らしい吐息が聞こえる。
夢から覚めた。不思議な夢だった。
私はふと思う。私には父がいて私は小さい時まで父と暮らし一緒に遊んだり暮らしたりしていた。
あの夢のように。なぜだかそんな気がしてきた。
でもなぜだろう。それなら家族揃って私が生まれるのと同時に父は亡くなったなんて嘘は言わないはずだ。何かそう言わざるおえない理由があるのだろうか。
なぜなぜが頭を占領しとてもじゃないが寝れる気なんてしなかった。そんなこんなで二度寝時計は4時半を回っていた。このまま考えてもバカな頭がさらにバカになると思い外に出た。
残暑残る昼間に比べ一変。澄んだ空気がとても気持ちよく白みかかった空がなんとも言えない幻想的な美しさがそこにあった。辺りの景色に見とれながら
私はいつものように星岬へ向かった。
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