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SAGE

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序章

pt11

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説明しよう。
スニーカーがない。

「なんの説明にもなってない!」とツッコんだ人も多いかと思うが、これ以上スマートな説明はないんだ。
直感型ギタリストの性ってやつかな。言葉足らずですまねぇな、べいべー。

おふざけはサイドにプットするとして、俺はもう一度スニーカーを探した。


・・・・・・・・

おかしい。
確かにさっき、鏡の脇に置いといたはずなのに。
スニーカーが消えてる。

っていうか、机の上に置いてた箱まで消えてる。

・・・。

怖っ!!!!!
え?なになに?

こわっ!!!

何が起きたかわからねぇと思うが、俺にもわからねぇ。
頭がどうにかなりそうだぜ。
今ならあのフランス人の気持ちがわかる気がする。
これが恐ろしいものの片鱗ってやつか。

っていうか、マジで怖いんですけど。

俺は自然にスマホを手に取り、無意識に叉市つくるにコールしていた。

・・・。

やっぱりな。出ねぇ。
せめて電話くらいは出ようよ!

俺はセージと哲平にも連絡を取ろうとしたが、どちらも出なかった。

・・・。
でも、ここでもし誰かと連絡が取れたとして、この状況をどう説明する?
「ZOZOから間違って同じスニーカーが届いたと思ったら、前に受け取ったはずのスニーカーが消えてた」なんて説明で現在のカオス空間を表現しきれてるのだろうか?
いや、あいつらのことだ。
きっと適当に流されるだろうな。
全く理解を超えているとはこのことだからな。

・・・、待てよ。

俺は今起きていることに翻弄されているが、そもそも今朝から理解を超えた現象は続いている。
俺の前髪だけが歪んでいる時点で、もう何が起きてもおかしくないんじゃないのか?

俺は冷静に鏡の前に立って前髪のチェックをした。

ふむ。
今もこうして前髪がぼやけている。
つまり異常!
つまり何が起きても変じゃない!そんな時代さ!
覚悟はできてる!

自然とミスチルのフレーズが出るあたりはまだまだギタリストとしては正気を保ててるとして。

俺は一気に心の平静を取り戻した。
いやーまさかこんなところでこの前髪が役に立つとは思わなかった。
やっぱり全てのことには意味があるんだね。
この前髪の現象にはなんの意味もないと思ってたけど、今こうして俺の気持ちを救ってくれたわけだ。

・・・。

でも、まだ不安定だ!

俺はさらに心を落ち着けるために、もう一度ギターを手にとってゆっくりと床に座った。

そして左手をCコードに添えて、ゆっくりと目を閉じてから六つの弦を撫で響かせた。

ジュワーーーーん

・・・。

・・・。

素晴らしい。。。。

そうそう、この音色なんだ。

・・・・。

落ち着くぜ。

・・・。



ピンポーーーーん
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