乙女ゲームの中での飯日記

離月 あき

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お城の案内

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「リリー様の部屋がここで、隣が図書館、そして上の階には両親の部屋があると言うことです。」
大雑把に言うと私の部屋が2階にあってその部屋の隣には図書館。3階には両親の部屋がどーんとあるらしい。
一階にはお客様が来た時に使ったりする部屋、食堂?みたいなところがあり、そのまた隣にはご飯を食べる所、長いテーブルがあり、椅子が多くある。小説ではよくあるやつ。
その他諸々部屋がいっぱいあるらしい。
...大雑把に分かればいいよね。図書館は魔法のことも知る必要があるから要チェックっと。
脳内に図書館の場所を刻み込む。
「では、早速図書館に...」
「待ってください。リリー様、先に昼食ですよ?」
エリアがニコリと微笑みながら圧をかけられる。
図書館に行って魔法の使い方を知りたかったがしょうがない。
ちょうどお腹も減っていたし、昼食を食べにいこうと思い、美味しいご飯がぞろぞろと並ぶテーブルを妄想し期待しながら部屋に向かった。

「…昼食…?」
私は顔を引きつらせながらご飯を見ていた。
…おぅ…まさか、ご飯がこんなドロドロだったなんて…。
肉の様に見える食べ物はドロドロだ。
スープだけは美味しそうには見える。
「エニー女王様とリョウ王様が来ましたよ。」
エリアが教えてくれる。それと同時に顔を引き締めろと言われてしまった。
…顔、そんな緩んでたかなぁ…?
「あら。リリー。ごきげんよう。」
「ごきげんよう。お、お母様。」
やっぱり話し方がぎこちなくなる。
そもそもお嬢様みたいな喋り方は初めてなのだ。
私はそう思いながらお父様を見つめると、その目がもう、無だった。
「お父様。どうかしましたか?」
つい、失礼なことを言ってしまった。
やばいと思ってエリアを見ていると呆れた様にため息をつく。
…エリア!そんな目をしないで!すごい不安になる!!
心の中で叫んでいると、お父様がこちらにギロリと目を向ける。
圧、というかもう怖い。
私は内心そわそわしながらお父様の返事を待った。
「何もない。」
ただその一言だけだった。
お父様の言葉が。
…私、何かしましたかね…?
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