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花人の謎
不幸ヤンキー、”狼”に招かれる。【4】
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テーマパークへと入園した5人は園内で入ってから早速遊んでいた。特に哉太やフライはかなりはしゃいでおり、それを見ている心は恥ずかしそうにしている。でも彼女が心なしか嬉しそうな表情を見せているのを幸は感じ取っていた。ジェットコースターに乗って悲鳴を上げて、さらにコーヒーカップに乗って哉太が中央のハンドルを凄まじい速さで回しては酔ってしまう。しかもフライも同様であった。
「うげ~…酔った~…」
「場磁石さんが…回しすぎるからですよ…、もう…」
相変わらず大人げない哉太を見ても、彼の新たな一面が見れて嬉しく感じたのは幸が言葉にせずとも思っていただけである。
…哉太さんもまったく。
でも恥ずかしくて言えずに思っていただけであったのに、少女に勘付かれてしまうのだ。
「…幸君、嬉しそうだね?」
「えっ…どうしたの、心ちゃん?」
内心鼓動を跳ねさせてしまうがそのようなことなどお構いないしで心は買ってもらったジュースを片手に悪戯に笑うのだ。
「哉太君のこと知れて、嬉しかったのでしょ?」
「は…はいっ?」
図星を突かれ赤面してしまう幸は、なぜ自分のことが分かってしまったのかを聞こうとした。しかし、先ほどの酔いが醒めて絶叫系が大好きであったことが判明したフライが幸に駆け寄って誘うのである。
「さっちゃ~ん、フリーフォール乗ろうよ!!」
「え…俺は別に…」
「いいじゃ~ん! 楽しいよ~」
「まったく…お前もなぁ~…」
「心ちゃんも一緒にどうかな?」
渋々という感じでフライの誘いに乗る幸に、ジュースを飲み終えた心にフライは話しかけたのだ。恐らく、彼女ともっと親しくなりたいのであろう。以前の騒ぎに巻き込んしまった彼に心は嬉しさを感じつつ首を振って丁重に断ったのだ。
「私は大丈夫。さっきのコーヒーカップで疲れちゃったし。…それに酔ってる哉太君が心配だから看病しているよ」
彼女の発言にフライは唖然になったかと思えば、率直な感想を述べたのである。
「…心ちゃんは偉いね。あんなクズな狼を看病する必要無いのに…」
「いやいや。お世話になっているから」
「そんなこと無いのにな~…。まったく、この変態狼は…」
ベンチでぐったりとしている哉太を尻目にフライは侮蔑した態度を示した。だが今度はぼんやりとしている様子のスピードに声を掛けるのだ。
「スピード君はどうする~?」
するとフライの声にはっとした彼は少し迷ってから心と同じくやんわりと断ったのだ。
「俺も大丈夫です。ちょっと場磁石様が心配ですし…。フライ先輩と彼岸花先輩で行ってみたらどうですか?」
スピードの発言にフライは残念がるような表情を見せたかと思えば、開き直って幸にくっついたのだ。
「え~…、…じゃあスピード君も言っていることだし、一緒に行こっか。さっちゃん!」
「まぁ良いけど…。って、お前くっつくなよ…」
かなり嬉しそうな様子のフライに幸は深く息を吐きながらも歩いていくのであった。
「うげ~…酔った~…」
「場磁石さんが…回しすぎるからですよ…、もう…」
相変わらず大人げない哉太を見ても、彼の新たな一面が見れて嬉しく感じたのは幸が言葉にせずとも思っていただけである。
…哉太さんもまったく。
でも恥ずかしくて言えずに思っていただけであったのに、少女に勘付かれてしまうのだ。
「…幸君、嬉しそうだね?」
「えっ…どうしたの、心ちゃん?」
内心鼓動を跳ねさせてしまうがそのようなことなどお構いないしで心は買ってもらったジュースを片手に悪戯に笑うのだ。
「哉太君のこと知れて、嬉しかったのでしょ?」
「は…はいっ?」
図星を突かれ赤面してしまう幸は、なぜ自分のことが分かってしまったのかを聞こうとした。しかし、先ほどの酔いが醒めて絶叫系が大好きであったことが判明したフライが幸に駆け寄って誘うのである。
「さっちゃ~ん、フリーフォール乗ろうよ!!」
「え…俺は別に…」
「いいじゃ~ん! 楽しいよ~」
「まったく…お前もなぁ~…」
「心ちゃんも一緒にどうかな?」
渋々という感じでフライの誘いに乗る幸に、ジュースを飲み終えた心にフライは話しかけたのだ。恐らく、彼女ともっと親しくなりたいのであろう。以前の騒ぎに巻き込んしまった彼に心は嬉しさを感じつつ首を振って丁重に断ったのだ。
「私は大丈夫。さっきのコーヒーカップで疲れちゃったし。…それに酔ってる哉太君が心配だから看病しているよ」
彼女の発言にフライは唖然になったかと思えば、率直な感想を述べたのである。
「…心ちゃんは偉いね。あんなクズな狼を看病する必要無いのに…」
「いやいや。お世話になっているから」
「そんなこと無いのにな~…。まったく、この変態狼は…」
ベンチでぐったりとしている哉太を尻目にフライは侮蔑した態度を示した。だが今度はぼんやりとしている様子のスピードに声を掛けるのだ。
「スピード君はどうする~?」
するとフライの声にはっとした彼は少し迷ってから心と同じくやんわりと断ったのだ。
「俺も大丈夫です。ちょっと場磁石様が心配ですし…。フライ先輩と彼岸花先輩で行ってみたらどうですか?」
スピードの発言にフライは残念がるような表情を見せたかと思えば、開き直って幸にくっついたのだ。
「え~…、…じゃあスピード君も言っていることだし、一緒に行こっか。さっちゃん!」
「まぁ良いけど…。って、お前くっつくなよ…」
かなり嬉しそうな様子のフライに幸は深く息を吐きながらも歩いていくのであった。
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