異世界の飼育員でさえてんてこ舞いなのにＮｏ．１獣人にサービスしないといけなくて困ってます。（てん獣）

僕は人間以外と生きる。

知りたい。【２】

ジゼルの問い掛けにマナやアリッストが奇妙な顔を見せればジゼルも不思議な顔をして持論を述べていく。

「だって、マナがこんなクズ野郎に好かれてもなんも特は無いのです。ただのこいつの嫌がらせなのです。」

「なっ…！？？」

「それでも…やっぱりおかしいのです。…なんでマナはそんなに可愛らしい声を出すのです？こんな奴の為に？」

アリッストはジゼルに怒鳴ろうとするがそれよりもマナの答えが気になったのでぐっと堪えて反応を見る。するとマナは顔を赤らめてから彼女にとある質問をした。

「…君は、君を作ってくれたお父さんをどう思ってる？」

「？？？答えになっていないのです。マナはどうして」

「僕の答えはその後。…君はどう思ってる？」

するとジゼルは考えてから一言発する。

「…ありがたいとは思っているのです。生みの親ですから。…でもそれよりもハーメルンの方がありがたいのです。」

「どうして？…どうしてそう思うのかな？」

「…どう…して？」

考え込むジゼルではあるがとっさに彼女は頭を抱えて唸りだす。突然の出来事にマナやアリッストは驚くものの、しかし数秒間のたうち回ったのち彼女はむくりと立ち上がり考え込んだ。

「？？？この気持ちは…バグ？おかしかったのです。」

唸りだすジゼルにマナは微笑んでから頭を撫でて言い放った。

「君にとってのそのバグが、それが”愛”なのかもしれないね。…人の心もそんな感じだよ。…僕のアリッストさんに対しての気持ちは…もしかしたら、言い方はおかしいけれど、バグ…なのかな？…それよりももっと複雑かもしれないけれど。」

少し哀しげに笑ったマナの顔にアリッストは疑問に思うのであった。