24 / 38
僕は人間以外と生きる。
妬かれたい。【4】
しおりを挟む
ジゼルの子供らしいキスではあるもののマナは内心では驚いていれば、そんなマナにジゼルは彼の腕を引っ張る。
「マナに会いたかったのです!マナは画面で見るよりも可愛くて驚いたのです!」
初対面なのにも関わらず妙な言葉を言うジゼルにマナは不思議がる。
「…???えっと。僕は君にあったことが無いのだけれど?」
「ジゼルですっ!!」
マナを椅子に座らせてせがむジゼルの気迫にマナはもう一度言いなおした。
「…ジゼルちゃんと会ったことは一度もないのに何で僕のことを知っているのかな?」
「…そんなことよりも俺に…謝るのが先決だ…ろ。」
「アリッストさん!!?」
アリッストが這いつくばりながらエレベーターを出ていたのでマナは彼に手を貸して起き上がらせてから自身が座っていた席を譲る。その光景にジゼルは少し疑問がある様子だ。
「???なんでマナはそいつに優しくするのです?…この前は泣きながら目隠しされて縛られて犯されてたのに。」
「なっ!!?なんで知ってんの!??」
顔を赤らめるマナに対し何かを察したような表情を見せるアリッストが問い掛ける。
「お前が見てたのかよ…?リアラに命令されて薔薇園に行かされて俺の行為を見ていたのは。」
「お前の行為なんて散々見ましたが全然ダメなのです。ロマンチックじゃないのです。青ざめるほど最低下劣な行為なのです。」
「なんだと?」
睨みつけるアリッストに負けじとジゼルも目をとんがらせればマナが仲裁に入る。
「と!とりあえず落ち着いて!2人とも!…でも、そっか。僕、こんな小さな子に…見られてたのか。」
恥ずかしくなって真っ赤になるマナにアリッストは笑って背中を叩いている。そしてジゼルは嬉しそうな顔をした。
「マナはとっても!とっても可愛かったのです!可愛すぎて何度も見返してしまったのです!」
「えっ!?見返した…の?僕の失態…を?」
さらに顔を赤くさせて蒸気させるマナにジゼルは笑う。
「恥ずかしがらなくて良いのです!そこの変態の虎とは大違いなのです!」
「あっ?んだと?このチビ。食い殺すぞ?てめぇ。」
「うわぁ~!変態ゼツリン虎に犯されるのです~!たすけてなのです~!…ハーメルン!」
「「えっ!?」」
ジゼルが呼び掛ければどこからともなく後ろのドアが開き灰色の毛並みをした美しい獣人…ハーメルンが現れた。再び会ったハーメルンの姿にマナとアリッストら驚き声をかけていく。
「ハーメルンさん?一体どうして?」
「…もしかして、てめぇが言ってたお嬢様って…、そのチビか?」
「えっ!?そうなんですか?」
マナが再度驚けば眼鏡を少し掛け直してジゼルに駆け寄るハーメルンはにっこりと微笑む。
「ああ、そうだとも。…私はジゼル様の執事としてここに居る。…ですよね?ジゼル様?」
「そうなのです!私が生まれてからずっと居るのです!…ハーメルン!マナをここに働かせるのです!私が許すのです!」
突飛な発言をするジゼルに対してもハーメルンは驚きもせずににっこりと笑ってから彼女の頭をさする。マナは呆気に取られているのだが。
「そうですね…。リアラさんに聞いてみないと検討は難しいですね。…でも応じると思いますよ。…マナにはアリッストを買ったことで多額の借金がありますからね。支払って欲しいのなら応じるでしょう。」
「本当に最低野郎なのです!…クズの極みなのです。」
ジゼルが蔑むような目線でアリッストを見つめれば彼は堪忍袋の尾が切れたようで立ち上がって舌打ちをしたのちマナにキスをしたのだ。…それも幼女とほぼ他人の執事の前で。
「ちょっと!アリッスト…さん!んんぅっ!ンンゥ…。」
-プチュゥ…。クチュゥ…。クチュリィ…。
歯列をなぞってから舌を絡ませて吸ったり甘噛みをするアリッストに応じようとはするものの、他者からの…特に幼いジゼルの前で見せるのが気恥ずかしくてマナは抑えめな反応を見せる。しかしアリッストは容赦をしない。
-ガブっ。
「痛っ!…なんで…また噛んでぇ…?んぅ?」
「…お前がつまんねぇ反応するからだよ。バカクズ。」
-チュッ。
軽いキスをして離された唇には銀の糸が伝って地に落ちる。顔を真っ赤にしてキスを終えたマナの身体を抱いてアリッストはジゼルに向けて舌を出した。
「こいつは俺が所有してんだ。…働かせんなら俺の許可が降りるような条件持ってこい。…クソチビ。」
「??なんでお前の許可が必要なのです?意味がわからないのです。」
「ガキの分際で大人の事情を知ろうとすんな。てめぇが俺が抱きたくなるような色気のある女になったら教えてやるよ。…そんじゃあ俺たちはこれにて。」
エレベーターのボタンを肩で押してマナを担いで下へ向かうアリッストの姿にジゼルは疑問を浮かべる。
「???なんであいつはマナにひどいことをするのにマナに執着しているのです?それに、マナも…。どうしてマナはあんなサイテーな獣人に…惚れているのですか?…私には分からないのです。」
頭を抱えながら考え込むジゼルにハーメルンはにっこりと微笑んでから彼女の頭をさする。優しくさすられたおかげで気持ちの良さそうな表情を見せるジゼルにハーメルンは言葉を紡ぐ。
「そうですね…。お嬢様がもっと"愛"について学んでいけば…分かる答えになると思いますよ?この感情は…まあ、難しいものですから。」
「相対性理論よりも?です?」
「ええ。それよりも難しい…かもしれませんね。」
そしてハーメルンは不貞腐れる彼女に紅茶を淹れるのであった。
「マナに会いたかったのです!マナは画面で見るよりも可愛くて驚いたのです!」
初対面なのにも関わらず妙な言葉を言うジゼルにマナは不思議がる。
「…???えっと。僕は君にあったことが無いのだけれど?」
「ジゼルですっ!!」
マナを椅子に座らせてせがむジゼルの気迫にマナはもう一度言いなおした。
「…ジゼルちゃんと会ったことは一度もないのに何で僕のことを知っているのかな?」
「…そんなことよりも俺に…謝るのが先決だ…ろ。」
「アリッストさん!!?」
アリッストが這いつくばりながらエレベーターを出ていたのでマナは彼に手を貸して起き上がらせてから自身が座っていた席を譲る。その光景にジゼルは少し疑問がある様子だ。
「???なんでマナはそいつに優しくするのです?…この前は泣きながら目隠しされて縛られて犯されてたのに。」
「なっ!!?なんで知ってんの!??」
顔を赤らめるマナに対し何かを察したような表情を見せるアリッストが問い掛ける。
「お前が見てたのかよ…?リアラに命令されて薔薇園に行かされて俺の行為を見ていたのは。」
「お前の行為なんて散々見ましたが全然ダメなのです。ロマンチックじゃないのです。青ざめるほど最低下劣な行為なのです。」
「なんだと?」
睨みつけるアリッストに負けじとジゼルも目をとんがらせればマナが仲裁に入る。
「と!とりあえず落ち着いて!2人とも!…でも、そっか。僕、こんな小さな子に…見られてたのか。」
恥ずかしくなって真っ赤になるマナにアリッストは笑って背中を叩いている。そしてジゼルは嬉しそうな顔をした。
「マナはとっても!とっても可愛かったのです!可愛すぎて何度も見返してしまったのです!」
「えっ!?見返した…の?僕の失態…を?」
さらに顔を赤くさせて蒸気させるマナにジゼルは笑う。
「恥ずかしがらなくて良いのです!そこの変態の虎とは大違いなのです!」
「あっ?んだと?このチビ。食い殺すぞ?てめぇ。」
「うわぁ~!変態ゼツリン虎に犯されるのです~!たすけてなのです~!…ハーメルン!」
「「えっ!?」」
ジゼルが呼び掛ければどこからともなく後ろのドアが開き灰色の毛並みをした美しい獣人…ハーメルンが現れた。再び会ったハーメルンの姿にマナとアリッストら驚き声をかけていく。
「ハーメルンさん?一体どうして?」
「…もしかして、てめぇが言ってたお嬢様って…、そのチビか?」
「えっ!?そうなんですか?」
マナが再度驚けば眼鏡を少し掛け直してジゼルに駆け寄るハーメルンはにっこりと微笑む。
「ああ、そうだとも。…私はジゼル様の執事としてここに居る。…ですよね?ジゼル様?」
「そうなのです!私が生まれてからずっと居るのです!…ハーメルン!マナをここに働かせるのです!私が許すのです!」
突飛な発言をするジゼルに対してもハーメルンは驚きもせずににっこりと笑ってから彼女の頭をさする。マナは呆気に取られているのだが。
「そうですね…。リアラさんに聞いてみないと検討は難しいですね。…でも応じると思いますよ。…マナにはアリッストを買ったことで多額の借金がありますからね。支払って欲しいのなら応じるでしょう。」
「本当に最低野郎なのです!…クズの極みなのです。」
ジゼルが蔑むような目線でアリッストを見つめれば彼は堪忍袋の尾が切れたようで立ち上がって舌打ちをしたのちマナにキスをしたのだ。…それも幼女とほぼ他人の執事の前で。
「ちょっと!アリッスト…さん!んんぅっ!ンンゥ…。」
-プチュゥ…。クチュゥ…。クチュリィ…。
歯列をなぞってから舌を絡ませて吸ったり甘噛みをするアリッストに応じようとはするものの、他者からの…特に幼いジゼルの前で見せるのが気恥ずかしくてマナは抑えめな反応を見せる。しかしアリッストは容赦をしない。
-ガブっ。
「痛っ!…なんで…また噛んでぇ…?んぅ?」
「…お前がつまんねぇ反応するからだよ。バカクズ。」
-チュッ。
軽いキスをして離された唇には銀の糸が伝って地に落ちる。顔を真っ赤にしてキスを終えたマナの身体を抱いてアリッストはジゼルに向けて舌を出した。
「こいつは俺が所有してんだ。…働かせんなら俺の許可が降りるような条件持ってこい。…クソチビ。」
「??なんでお前の許可が必要なのです?意味がわからないのです。」
「ガキの分際で大人の事情を知ろうとすんな。てめぇが俺が抱きたくなるような色気のある女になったら教えてやるよ。…そんじゃあ俺たちはこれにて。」
エレベーターのボタンを肩で押してマナを担いで下へ向かうアリッストの姿にジゼルは疑問を浮かべる。
「???なんであいつはマナにひどいことをするのにマナに執着しているのです?それに、マナも…。どうしてマナはあんなサイテーな獣人に…惚れているのですか?…私には分からないのです。」
頭を抱えながら考え込むジゼルにハーメルンはにっこりと微笑んでから彼女の頭をさする。優しくさすられたおかげで気持ちの良さそうな表情を見せるジゼルにハーメルンは言葉を紡ぐ。
「そうですね…。お嬢様がもっと"愛"について学んでいけば…分かる答えになると思いますよ?この感情は…まあ、難しいものですから。」
「相対性理論よりも?です?」
「ええ。それよりも難しい…かもしれませんね。」
そしてハーメルンは不貞腐れる彼女に紅茶を淹れるのであった。
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる