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僕の生きている意味。
振り返りたくない。【4】
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驚くマナをよそにユキヒョウのハーメルンはそのまま言葉を続ける。
「あなた…いえ、人間と獣人がどうやってまぐわうのかが気になるんだ。…ダメか?」
「ダメって…当り前じゃないですか。…僕は確かに人間ですけどその…行為を見られて興奮するほど変態な人間じゃありませんし。」
さすがのマナでも否定をし仕事へと戻ろうとすれば突然肩を抱かれてしまった。そしてマナを自身の胸に沿わせてハーメルンは静かに言い放つ。
「じゃあその獣人が嫌なら…私とはどうだろうか?…優しくするから。」
凛としてるが心地の良い低音な声質にマナが胸を高鳴らせた。マナの顔が見えるように厚い胸板から離れさせて近づけるのはハーメルンの美麗な顔立ちであった。
(ど…どうしよう!!?離れたいけど…この人カッコいいし、いい匂いするし?…あー!!!でも!!!)
唇同士が合わさりそうになりキスをされるかと思った矢先、マナの背後から近づき首根っこを掴む獣人が…アリッストが居た。彼はマナを奪い取りハーメルンに威嚇をしつつマナに説教をする。
「なにてめぇはこいつに流されそうになってんだ!!!…バカクズの分際で!…この人たらし…いや!獣人たらし!」
「そんな!?アリッストさんだって僕が専属飼育員とかになってもイチャコラしてたじゃないですか!!!自分だけずるいです!」
「俺は良いんだよバカ。…俺は獣人を惹きつける魔性だからな~?…そんな俺の飼い主になってありがたいと思え!」
「そんな~!!!」
痴話喧嘩をするマナとアリッストを見てハーメルンは軽く笑う。そんな彼にアリッストはマナを置いて彼の目の前に立ちはだかり胸倉を掴む。しかしそれでもハーメルンはにこやかな笑みを見せてた。そんな彼にアリッストは苛立ちを見せる。
「てめぇは何ニヤついてんだ?…このバカもだがたぶらかしたお前にも腹が立ってるんだが?」
こめかみに皺を寄せるアリッストにハーメルンは終始穏やかな様子だ。そんな彼はアリッストの手を軽く取り胸倉を外させてもらってから自己紹介をする。
「私はハーメルンと言う者だ。ここに来たのは…いえ、ここに仕えている者です。お嬢様の教育の為に。」
「お嬢様?教育?」
疑問を浮かべるマナにハーメルンは言葉を続けていく。
「お嬢様は大富豪のロボットの両親から造られて生まれた人間に近づくための人形…と言えばいいだろう。お嬢様はVIPルームにて感情を学ぶためにこちらの最上階で勉強している。…今、お嬢様が勉強してらっしゃるのは…”愛”についてだ。」
「”愛”…だと?」
最上階に人が…いや、人形が居たことにも驚くアリッストにハーメルンはにこやかに笑う。
「えぇ。だからこちらで隠しカメラを使わせていただいて、獣人同士の愛情表現を見て学んでいたのだ。…驚いたか?」
「いや。悪趣味すぎて引いたわ。」
げんなりとするアリッストと顔を真っ赤にするマナではあるが気にせずにハーメルンは言い放つ。
「するとお嬢様の反応が一番良かったのが…アリッストさん。あなたなんです。」
「俺?なんでだよ急に?…まさか惚れたとでも言わないよな?」
「いえ、その逆です。」
「はっ?」
驚くアリッストにハーメルンはカメラを持ってからさも悪気の無い言葉を綴らせるのだ。
「あなたがあまりにも他の獣人と行為をするものだからムカつく…気持ちが悪いという感情が生まれたのだ!感情が生まれるのは素晴らしい!…そして噂で人間に買われたと言われたものだから私がこのカメラで写そうと」
「帰るぞマナ。…もう仕事は良いらしいから。」
「えっ!??あっ!待ってよ!アリッストさん!!!」
ハーメルンの失礼な言葉にムカついたアリッストが薔薇園をマナと一緒に出たのであった。
「あなた…いえ、人間と獣人がどうやってまぐわうのかが気になるんだ。…ダメか?」
「ダメって…当り前じゃないですか。…僕は確かに人間ですけどその…行為を見られて興奮するほど変態な人間じゃありませんし。」
さすがのマナでも否定をし仕事へと戻ろうとすれば突然肩を抱かれてしまった。そしてマナを自身の胸に沿わせてハーメルンは静かに言い放つ。
「じゃあその獣人が嫌なら…私とはどうだろうか?…優しくするから。」
凛としてるが心地の良い低音な声質にマナが胸を高鳴らせた。マナの顔が見えるように厚い胸板から離れさせて近づけるのはハーメルンの美麗な顔立ちであった。
(ど…どうしよう!!?離れたいけど…この人カッコいいし、いい匂いするし?…あー!!!でも!!!)
唇同士が合わさりそうになりキスをされるかと思った矢先、マナの背後から近づき首根っこを掴む獣人が…アリッストが居た。彼はマナを奪い取りハーメルンに威嚇をしつつマナに説教をする。
「なにてめぇはこいつに流されそうになってんだ!!!…バカクズの分際で!…この人たらし…いや!獣人たらし!」
「そんな!?アリッストさんだって僕が専属飼育員とかになってもイチャコラしてたじゃないですか!!!自分だけずるいです!」
「俺は良いんだよバカ。…俺は獣人を惹きつける魔性だからな~?…そんな俺の飼い主になってありがたいと思え!」
「そんな~!!!」
痴話喧嘩をするマナとアリッストを見てハーメルンは軽く笑う。そんな彼にアリッストはマナを置いて彼の目の前に立ちはだかり胸倉を掴む。しかしそれでもハーメルンはにこやかな笑みを見せてた。そんな彼にアリッストは苛立ちを見せる。
「てめぇは何ニヤついてんだ?…このバカもだがたぶらかしたお前にも腹が立ってるんだが?」
こめかみに皺を寄せるアリッストにハーメルンは終始穏やかな様子だ。そんな彼はアリッストの手を軽く取り胸倉を外させてもらってから自己紹介をする。
「私はハーメルンと言う者だ。ここに来たのは…いえ、ここに仕えている者です。お嬢様の教育の為に。」
「お嬢様?教育?」
疑問を浮かべるマナにハーメルンは言葉を続けていく。
「お嬢様は大富豪のロボットの両親から造られて生まれた人間に近づくための人形…と言えばいいだろう。お嬢様はVIPルームにて感情を学ぶためにこちらの最上階で勉強している。…今、お嬢様が勉強してらっしゃるのは…”愛”についてだ。」
「”愛”…だと?」
最上階に人が…いや、人形が居たことにも驚くアリッストにハーメルンはにこやかに笑う。
「えぇ。だからこちらで隠しカメラを使わせていただいて、獣人同士の愛情表現を見て学んでいたのだ。…驚いたか?」
「いや。悪趣味すぎて引いたわ。」
げんなりとするアリッストと顔を真っ赤にするマナではあるが気にせずにハーメルンは言い放つ。
「するとお嬢様の反応が一番良かったのが…アリッストさん。あなたなんです。」
「俺?なんでだよ急に?…まさか惚れたとでも言わないよな?」
「いえ、その逆です。」
「はっ?」
驚くアリッストにハーメルンはカメラを持ってからさも悪気の無い言葉を綴らせるのだ。
「あなたがあまりにも他の獣人と行為をするものだからムカつく…気持ちが悪いという感情が生まれたのだ!感情が生まれるのは素晴らしい!…そして噂で人間に買われたと言われたものだから私がこのカメラで写そうと」
「帰るぞマナ。…もう仕事は良いらしいから。」
「えっ!??あっ!待ってよ!アリッストさん!!!」
ハーメルンの失礼な言葉にムカついたアリッストが薔薇園をマナと一緒に出たのであった。
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