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僕の生きている意味。

気にしてなんてない。【2】

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サリーの証言によりマナはアリッストの専属飼育員として緊急で外されそうにはなったマナではあるが、何が良かったのか、自分にも非があると証言をして継続することになった。あんなに嫌がっていたアリッストの飼育員を続けようとするマナにサリーは心配もあるが疑問も生じる。

「なぁマナ?…お前が続けたいって思ってんなら俺はそれで良いと思うし、逆に尊敬もするよ。…でもどうして、あんなに嫌がってたあいつの…アリッストの世話をしたいって思ったんだ?」

紅茶を淹れてくれたサリーに感謝をしつつマナは少し飲んで自身を落ち着かせる。自分でもどうして続けたいのかは分からない。…だが負けたくない自分が居たのだ。ベリーの香りが漂うダージリンの茶葉を感じながらマナはポツリと言う。

「こんな形で…アリッストさんと別れたく…ないからですかね。…僕はこの世界に転生する前は…前の方が今の環境よりも天国に思えるとは…言えませんでしたから。…ずっと地獄の中にのたうち回っていたから。」

何かを考え込むマナにサリーは再び疑問をぶつける。

「…マナ。なにがあったんだ?…この世界に転生する前は。」

サリーに問い掛けられるマナではあったが首を振って俯くことしか出来ずにいた。

「ごめんなさい。それは言えません。ただ、辛い日々を今よりも送っていた…としか言えません。誰にも話し掛けられず、侮蔑させて、人として見られず…ただ平和な日常があったことに喜びを感じる日が…あったのかな?」

「……。なんかごめんな。思い出させて。」

悲しみを悟ったサリーにマナはどこか切なそうな笑みを見せる。

「良いんです。これが現実だとはっきり分かりましたから。…さぁ~て!お仕事しないと!サリーさん!紅茶ありがとうございました!凄く美味しかったです!…巡回行ってきます。」

「あ…あぁ。」

席を立つマナにサリーが見送る。マナが居なくなってからサリーは1人思い出すように言葉を発したのだ。

「そういえば…マナって初めてこっちに来たとき…。」

…めちゃくちゃ怪我してたんだよな。血だらけで。…

1人呟き紅茶を啜るサリーではあったが散歩をしていた虎の獣人が立ち止まっていたのを知る由もないのであった。


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