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僕の生きている意味。
興味なんてない。【3】
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『おいクズ。そこに置くなバカ。地面が濡れる。』
『別に美味しかったわけじゃねぇし???』
『ケツんなかいい感じだろ?…クズ?』
「マナ?…お~い!マナ!!?」
「はい!!!ってサリーさんか…驚いた。」
マナがぼんやりとエントランスの掃除をしていれば先輩エルフのサリーが声を掛けてきたのだが、彼には聞こえていなかったようだ。どこか頬を染めて虚空を見つめるマナにサリーは心配をする。
「驚くも何も声掛けても応えてくれなかったから心配したぞ?…やっぱりあの獣人か?」
「いや…まあ、そうですけど。」
「最近は慣れてきたって言ってた気がしたけど…やっぱり調子が悪くなった…とか?」
顔色を伺うサリーにマナは大袈裟に手を振って違うという表現する。赤く頬を染めたマナにサリーは何かを悟ったのちに耳元で囁くのだ。
「まあ、今はあの気まぐれの獣人だからこういうことってたくさん…あったよな?」
「は…はい。」
再び頬を染めるマナにサリーは肩を叩いてから元気づけようとするのだ。
「ネコにでも噛まれたと思って今は辛抱だぞ!マナ!…大丈夫!飽きたらすぐに辞めるだろうしさ!」
「…飽きたら…ですか?」
「おう!あの獣人が誰にも構わず交尾しようとせがんで手が付けられなくて困っていたから主任がお前に…っていうのもあるけど…。そこは勘弁してくれって感じだよな~。でも、飽きたらそういう衝動も治まって別の飼育員になるだろうからさ!それまでの辛抱だ!」
笑って言うサリーではあるもののマナは笑いごとに出来ないでいた。飽きたらすぐに担当を変えるなんてアリッストらしい考え方ではあるが…マナは自身の中にうずくまる怒りや悲しみが抑えられないでいた。顔色を変えたマナにサリーは気づくもののマナはアリッストの部屋の掃除をしてくると言ってその場を立った。
(…僕だけなのかな?『あの最低クズ野郎の相手をしなくて済んだ!』って喜べない奴って…。でも悲しいじゃんか?せっかく触れ合えて分かり合えた部分があってさ。友達…みたいな関係になりそうになって…。身体だけでハイさようなら…なんて、出来ないよ。)
バケツと雑巾を持ってアリッストの部屋を尋ねてみれば彼はシャワーを浴びていたようであった。
「アリッストさ~ん!部屋の掃除しますよ~?」
返事は無いが恐らく了承を得ただろうと勝手に思い洗面所を借りて水を汲み雑巾で浸して水拭きをする。無心になって動くさなかでマナはふと視線を見れば…アリッストが普段から居座っているソファーがあった。雑巾がけをいったん止めてマナはソファーへと腰掛ければ彼が普段から言うような言葉を紡ぐ。
「『…ベットよりもこっちの方が居座りやすいんだ。バカクズ。』…か。あ~あ。僕って身体だけの関係って奴だったのかな…?」
…そんなの寂しいじゃんか。…
自然と涙が零れて嗚咽しながら目元を隠す。こんなみっともない姿は誰にも見せたくは無かったが…我慢の限界であった。そんなマナに今度は頭上から雫が落ちてきた感覚がしたので何かと思い顔を隠している腕を…勝手に取り払われていた。
「おいクズ。…なに泣いてんだよ?気持ちわりぃ…。」
「ア…アリッスト…さん?」
泣きじゃくるマナにシャワーを浴び終えたアリッストがタオル1枚を腰に巻いて現れたのだ。アリッストの部屋であるので彼が居るのは当然ではあるものの泣き姿を見られて羞恥心を抱いたマナはソファーから離れようとする。しかし両腕を絡めとられ動けないマナにアリッストは苦悶の表情を見せた。
「ったく。…なにで泣いてんのか知らねぇけど、泣く時ぐらい眼鏡外せよ…。バカか?てめぇは?」
「う…うるさいです…。」
眼鏡を外されて映るのは黒い大きな瞳をした色白で透き通った青年の泣き顔であった。アリッストは自分しか知らないマナの美貌にいち早く気付いているので少し興奮をしている。そんな彼などつゆ知らず涙目になって瞳を赤く染めているマナは拘束を解くように言い放つ。
「そんなことより…!早く腕の拘束、解いてください!痛いです!!」
「嫌だ。…お前の涙が枯れるまで離さない。」
グッと力を入れて拘束を強くするアリッストにマナは痛みで涙を流せば彼はネコ特有のざらついた大きな舌で舐めとる。ザラリとする質感にマナは少し興奮を覚えるがうっ血しそうなほど痛みが増す両腕の拘束を解いて欲しいとせがむのだ。
「アリッスト…さん…!いた…いから、もう、泣かないから。…手を離して?」
「…お前。クズのくせに妙に誘うような言い方すんな?…良いぜ。解いてやるよ。」
その言葉で解放された両腕は拘束していた部分がやはり跡にはなっており少し痺れも感じさせる。マナが泣かぬように手を解して見せれば今度はアリッストに身体を抱かれていた。突然のことに驚くマナではあるが…アリッストの薄いタオル越しが硬くなっていたことに衝撃を受ける。
「お前の泣き顔見たら…勃った。…責任とれ。」
「な!なんでですか!??なにもしてないのに!???」
「してたからこうなったんだ。…風呂場行くぞ。クズ。」
「だからクズじゃなくてマナだってばぁ~!!!!」
風呂場へと強制的に連行されて水浸しで帰ってきたマナに職員は全員驚いたという。
『別に美味しかったわけじゃねぇし???』
『ケツんなかいい感じだろ?…クズ?』
「マナ?…お~い!マナ!!?」
「はい!!!ってサリーさんか…驚いた。」
マナがぼんやりとエントランスの掃除をしていれば先輩エルフのサリーが声を掛けてきたのだが、彼には聞こえていなかったようだ。どこか頬を染めて虚空を見つめるマナにサリーは心配をする。
「驚くも何も声掛けても応えてくれなかったから心配したぞ?…やっぱりあの獣人か?」
「いや…まあ、そうですけど。」
「最近は慣れてきたって言ってた気がしたけど…やっぱり調子が悪くなった…とか?」
顔色を伺うサリーにマナは大袈裟に手を振って違うという表現する。赤く頬を染めたマナにサリーは何かを悟ったのちに耳元で囁くのだ。
「まあ、今はあの気まぐれの獣人だからこういうことってたくさん…あったよな?」
「は…はい。」
再び頬を染めるマナにサリーは肩を叩いてから元気づけようとするのだ。
「ネコにでも噛まれたと思って今は辛抱だぞ!マナ!…大丈夫!飽きたらすぐに辞めるだろうしさ!」
「…飽きたら…ですか?」
「おう!あの獣人が誰にも構わず交尾しようとせがんで手が付けられなくて困っていたから主任がお前に…っていうのもあるけど…。そこは勘弁してくれって感じだよな~。でも、飽きたらそういう衝動も治まって別の飼育員になるだろうからさ!それまでの辛抱だ!」
笑って言うサリーではあるもののマナは笑いごとに出来ないでいた。飽きたらすぐに担当を変えるなんてアリッストらしい考え方ではあるが…マナは自身の中にうずくまる怒りや悲しみが抑えられないでいた。顔色を変えたマナにサリーは気づくもののマナはアリッストの部屋の掃除をしてくると言ってその場を立った。
(…僕だけなのかな?『あの最低クズ野郎の相手をしなくて済んだ!』って喜べない奴って…。でも悲しいじゃんか?せっかく触れ合えて分かり合えた部分があってさ。友達…みたいな関係になりそうになって…。身体だけでハイさようなら…なんて、出来ないよ。)
バケツと雑巾を持ってアリッストの部屋を尋ねてみれば彼はシャワーを浴びていたようであった。
「アリッストさ~ん!部屋の掃除しますよ~?」
返事は無いが恐らく了承を得ただろうと勝手に思い洗面所を借りて水を汲み雑巾で浸して水拭きをする。無心になって動くさなかでマナはふと視線を見れば…アリッストが普段から居座っているソファーがあった。雑巾がけをいったん止めてマナはソファーへと腰掛ければ彼が普段から言うような言葉を紡ぐ。
「『…ベットよりもこっちの方が居座りやすいんだ。バカクズ。』…か。あ~あ。僕って身体だけの関係って奴だったのかな…?」
…そんなの寂しいじゃんか。…
自然と涙が零れて嗚咽しながら目元を隠す。こんなみっともない姿は誰にも見せたくは無かったが…我慢の限界であった。そんなマナに今度は頭上から雫が落ちてきた感覚がしたので何かと思い顔を隠している腕を…勝手に取り払われていた。
「おいクズ。…なに泣いてんだよ?気持ちわりぃ…。」
「ア…アリッスト…さん?」
泣きじゃくるマナにシャワーを浴び終えたアリッストがタオル1枚を腰に巻いて現れたのだ。アリッストの部屋であるので彼が居るのは当然ではあるものの泣き姿を見られて羞恥心を抱いたマナはソファーから離れようとする。しかし両腕を絡めとられ動けないマナにアリッストは苦悶の表情を見せた。
「ったく。…なにで泣いてんのか知らねぇけど、泣く時ぐらい眼鏡外せよ…。バカか?てめぇは?」
「う…うるさいです…。」
眼鏡を外されて映るのは黒い大きな瞳をした色白で透き通った青年の泣き顔であった。アリッストは自分しか知らないマナの美貌にいち早く気付いているので少し興奮をしている。そんな彼などつゆ知らず涙目になって瞳を赤く染めているマナは拘束を解くように言い放つ。
「そんなことより…!早く腕の拘束、解いてください!痛いです!!」
「嫌だ。…お前の涙が枯れるまで離さない。」
グッと力を入れて拘束を強くするアリッストにマナは痛みで涙を流せば彼はネコ特有のざらついた大きな舌で舐めとる。ザラリとする質感にマナは少し興奮を覚えるがうっ血しそうなほど痛みが増す両腕の拘束を解いて欲しいとせがむのだ。
「アリッスト…さん…!いた…いから、もう、泣かないから。…手を離して?」
「…お前。クズのくせに妙に誘うような言い方すんな?…良いぜ。解いてやるよ。」
その言葉で解放された両腕は拘束していた部分がやはり跡にはなっており少し痺れも感じさせる。マナが泣かぬように手を解して見せれば今度はアリッストに身体を抱かれていた。突然のことに驚くマナではあるが…アリッストの薄いタオル越しが硬くなっていたことに衝撃を受ける。
「お前の泣き顔見たら…勃った。…責任とれ。」
「な!なんでですか!??なにもしてないのに!???」
「してたからこうなったんだ。…風呂場行くぞ。クズ。」
「だからクズじゃなくてマナだってばぁ~!!!!」
風呂場へと強制的に連行されて水浸しで帰ってきたマナに職員は全員驚いたという。
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